病害虫はほとんど出ない
菊芋は家庭菜園の作物の中でもとりわけ丈夫で、薬をまく必要はまずありません。葉が多少食われても、株が大きいので芋の育ちにはほとんど響きません。見つけても手で取る程度で済みます。
気になる症状が出たときは、まず虫か病気かではなく、水はけと肥料を疑います。菊芋で葉がおかしくなる原因は、そのどちらかであることが大半です。
| 症状 | 考えられること | 対処 |
|---|---|---|
| 葉に穴があく | ヨトウムシなどの食害 | 見つけたら手で取る。株が大きければ放っても育つ |
| 新芽に小さな虫が密集 | アブラムシ | 水で流すか指でつぶす。天敵も来るので様子を見る |
| 葉が白い粉をふく | うどんこ病 | 混んだ葉を落として風を通す。下葉なら放ってよい |
| 下葉から黄色く枯れる | 水はけの悪さか秋の老化 | 溝を切って水を逃がす。九月以降なら自然な変化 |
増えすぎこそ最大の問題
菊芋の本当の厄介は虫でも病気でもなく、その繁殖力です。地下の茎が横に走り、その先に新しい芋を作ります。秋には一株から数十個の芋ができ、掘り残した小さな芋のひとつひとつが翌年の株になります。
一度広がった菊芋を消すには数年かかります。だからこそ植え付けの時点で区画を区切るか容器に入れることが、この作物でいちばん大事な作業になります。
- 囲いを深く差し込む
- 板や波板を深さ四十センチまで土へ差し込みます。浅いと地下の茎が下をくぐって外へ抜けます。
- 囲いの外を毎月見る
- 六月から九月まで、月に一度は囲いの外を歩いて芽を探します。小さいうちなら手で抜けます。
- 容器なら底穴も見る
- 容器を地面に直接置くと、底穴から根が地面へ伸びます。れんがなどで浮かせて置きます。
- 隣の畑との境を確かめる
- 境に植えると隣へ広がって迷惑になります。境から一メートル以上離し、間の土を毎年掘り返します。
菊芋は繁殖力が強く、野に放つと在来の植物を押しのけます。畑や庭の外へ捨てず、抜いた株は袋に入れて処分します。
掘り残しを減らす掘り方
翌年も同じ場所で作るなら掘り残しは気になりませんが、その場所をやめるなら残さず拾う必要があります。菊芋の芋は小指の先ほどのものでも芽を出すので、大きい芋だけ拾って終わりにはできません。
掘るときは株の中心から半径五十センチまでを掘り返し、土を手でふるいます。一度で完全に取り切るのは難しいので、翌春に芽が出たら小さいうちに抜く、という二段構えで考えます。
- 半径五十センチを掘る
- 株の中心から五十センチ、深さ三十センチまで掘り返します。地下の茎は思っているより遠くまで走っています。
- 土を手でふるう
- 掘った土を手やふるいで崩し、小指の先ほどの芋も拾います。この一手間で翌年の生え方が大きく変わります。
- 翌春に見回る
- 四月から五月に芽が出ないかを見ます。出たら葉が小さいうちに根ごと掘り取り、芋を作らせません。
囲いの外に出た芽の始末
囲いの外や思わぬ場所から芽が出たら、その時点でどうするかを決めます。放っておくと秋には芋を作り、翌年からはその場所も菊芋の区画になってしまいます。判断は早いほど楽です。
地上の茎だけ刈っても地下の芋は残るので、刈り取りでは減りません。根ごと掘り取るのが唯一の方法です。何度も生えてくる場所は、その都度掘るしかありません。
- 小さいうちに根ごと掘る
- 草丈三十センチまでなら、移植ごてで根の下から持ち上げれば取れます。刈るだけでは翌年また生えます。
- 大きくなったら秋まで待つ
- 背が高くなってからでは掘りにくいので、葉が枯れる十一月まで待って芋ごと掘り上げる方が確実です。
- 抜いた株は畑の外へ
- 抜いた芋を畑に置くと、そこからまた根を出します。袋に入れて可燃ごみとして処分します。
うどんこ病と葉の汚れ
夏の終わりから、下の方の葉に白い粉のようなものが付くことがあります。うどんこ病ですが、菊芋の場合は株が大きいため収穫にはほとんど影響しません。あわてて薬を使う必要はありません。
気になるなら、混み合った下葉を落として風を通します。株の内側に日と風が入るようになれば、それ以上は広がりにくくなります。落とした葉は畑の外で処分します。
- 下葉を落として風を通す
- 白い粉の付いた下葉を根元から落とします。株の下三十センチほどを空けると、風が抜けて広がりが止まります。
- 落とした葉は持ち帰る
- 畑に置いたままだと次の年の元になります。袋に入れて持ち帰り、堆肥にはせずに可燃ごみとして処分します。
- 秋なら放ってよい
- 九月以降で下葉だけなら、放っておいて構いません。地下の芋はその後も太り続けます。
手に負えなくなったときの立て直し
気づいたら畑の一角が菊芋だらけになっていた。よくある話で、消すには二年から三年かかります。焦らず、芽を出させては小さいうちに取る、という繰り返しで確実に減らせます。
- 冬に一度全部掘る
- 葉が枯れた十一月から二月に、その区画を深さ三十センチまで掘り返し、土をふるって芋を拾い切ります。
- 春の芽を出るたび取る
- 四月から出てくる芽を、葉が数枚のうちに根ごと掘り取ります。光合成をさせないほど早く芋が尽きます。
- 夏まで続けて減らす
- 六月まで見回って抜き続けると、その年の秋に新しい芋はほとんどできません。翌年は本数が激減します。
- 境に板を差しておく
- 隣の区画へ広がらないよう、境に板を深さ四十センチまで差し込みます。掘る範囲がそれ以上増えません。
菊芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は菊芋の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。