乾かさないことが最優先
ハトムギはキビやアワと違って乾燥に弱く、土が乾くと葉が巻き、穂が小さくなります。特に穂が出る八月から実が入る九月は水が必要で、晴れが一週間続いたら株元にたっぷり水をやります。株元をわらや刈り草で覆っておくと、水やりの回数を減らせます。
水やりのたびに覆いをめくって土を触り、指に土が付く湿り気があるかを確かめます。表面が乾いていても中が湿っていれば待てますし、中まで乾いていれば葉が巻く前に与えます。
| 時期 | 水やり | 目安 |
|---|---|---|
| まいて〜発芽 | 表面が乾いたら | 土の表面が白く乾く前に |
| 本葉〜7月 | 1週間雨がなければ | 朝に葉が巻いていたらすぐ |
| 8月(出穂・開花) | 5〜7日雨がなければたっぷり | この時期の乾燥が実の入りを決める |
| 9月(登熟) | 1週間雨がなければ | 穂が色づき始めたら控えめに |
| 10月(収穫前) | 不要 | 乾かし気味にして殻を締める |
朝から葉が細く巻いていたら水が足りていません。昼だけ巻いて夕方に開くなら、まだ待てます。
追肥は二回、分けつ期と出穂前
ハトムギは肥料をよく吸う作物で、キビより多めに与えます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は本葉六〜七枚で分けつが始まるころと、穂が出る三週間前の七月中旬の二回、化成肥料をひと握りずつ畝の肩にまきます。ただし窒素が多すぎると草丈が二メートルを超えて倒れるので、葉の色を見て量を調節します。
- 一回目は本葉六〜七枚
- 株元から十センチ離した畝の肩に化成肥料を一平方メートルあたりひと握りまき、土寄せと一緒に土をかぶせます。
- 二回目は七月中旬
- 草丈が七十センチほどになり、茎が太くなってきたら同じ量をまきます。穂の大きさを決める肥料です。
- 葉の色で量を決める
- 葉が濃い緑で大きいなら二回目は半分に減らします。下葉が黄色く全体が薄い緑なら規定量を与えます。
- 穂が出たら与えない
- 八月以降の肥料は倒伏を招き、実の熟しも遅らせます。穂が見えたら肥料は終わりです。
土寄せで倒伏を防ぐ
ハトムギは草丈一・五〜二メートルになり、株元から支え根を出します。土寄せ(株の根元に土を盛る作業)を二回行い、支え根を土に入れると台風でも倒れにくくなります。追肥と同じ時期に行えば手間が一度で済みます。
- 一回目は本葉六〜七枚
- 追肥のあと、畝の間の土をくわで株元に五センチほど寄せます。分けつした茎の付け根が隠れる程度にします。
- 二回目は七月中旬
- 株元の節から太い支え根が出てきたら、その根を覆うようにもう一度土を寄せます。穂が出る前に済ませます。
- 雑草を先に抜く
- 土寄せの前に株元の草を根ごと抜きます。ハトムギは初期の生育がゆっくりで、六月までは雑草に負けやすいです。
株元の覆いで乾燥と雑草を抑える
水を好むハトムギには、株元をわらや刈り草で覆う管理がよく合います。土の乾きを抑え、夕立の泥はねを防ぎ、雑草も減ります。二回目の土寄せのあとに敷くと、そのまま収穫まで持ちます。
| 覆いの種類 | 利点 | 注意 |
|---|---|---|
| わら | 通気がよく分解も適度 | 風で飛ぶので端を土で押さえる |
| 刈り草 | 手に入りやすく費用がかからない | 種の付いた草は雑草を増やす。乾かしてから敷く |
| 黒いマルチフィルム | 雑草をほぼ止める | 夏に地温が上がりすぎる。株元に穴を空けて水が入るように |
| もみ殻 | 軽く扱いやすい | 薄いと乾く。厚さ3センチ以上に |
覆いを敷いたあとの水やりは、覆いをめくって土を触り、乾いているかを確かめてから与えます。
分けつと穂の数を見る
ハトムギは一株から五〜十本の茎が出て、それぞれの葉の付け根から小さな穂を付けます。分けつが多いほど穂も増えますが、遅く出た細い分けつは実らず倒伏の原因になります。七月下旬に株元を見て、細い分けつは地際で切ります。
- 七月に茎の数を数える
- 株元の茎が五本以上あれば順調です。三本以下なら二回目の追肥を規定量にし、水を切らさないようにします。
- 細い分けつを切る
- 鉛筆より細く、ほかより三十センチ以上低い茎は実りません。地際でハサミで切り、太い茎に養分を集めます。
葉が巻く、倒れるときの原因と手当て
ハトムギの生育中の不調は、水の不足と肥料の過不足がほとんどです。葉の巻き方、葉の色、株元のぐらつきを順に見て原因を切り分けます。同じ「元気がない」でも乾燥と肥料不足では手当てが違うので、まず株元の土を触って湿り具合を確かめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 朝から葉が細く巻く | 乾燥 | 株元にたっぷり水。わらで覆う |
| 下葉が黄色く全体が薄い | 肥料不足 | 追肥をひと握り。土寄せと一緒に |
| 草丈2メートル超で倒れる | 窒素過多、土寄せ不足 | 起こして支柱に結ぶ。翌年は追肥を減らす |
| 葉が濃いのに穂が出ない | 肥料の効きすぎ、遅まき | 水と肥料を止めて待つ。9月上旬までに出れば間に合う |
| 株元がぐらつく | 支え根が土に入っていない | 土寄せを追加し、ひもで支える |
ハトムギの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ハトムギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハトムギの育て方にまとめています。
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