刈り時は実の色と硬さで判断する
ハトムギの実は一株の中でも熟す時期がばらばらで、下の穂から順に緑から灰色や茶色に変わります。全部が色づくのを待つと早く熟した実が落ちてしまうので、七割が色づいたら株ごと刈ります。刈ったあとの乾燥中に残りの実も熟します。
| 実の姿 | 硬さ | 判断 |
|---|---|---|
| 全体が緑で膨らんでいる | 押すと汁が出る | まだ早い。2〜3週間待つ |
| 下の穂が灰色、上は緑 | 下の実は硬い | もう少し。1週間ほど待つ |
| 7割が灰色〜茶色 | つまんで硬く、爪で殻に傷が付く程度 | 刈り時。株ごと刈る |
| ほとんど茶色で実が落ち始める | しごくとぱらぱら落ちる | 遅い。急いで刈り、落ちた実は拾う |
霜の予報が出たら、色づきが七割に届かなくても刈ります。霜に当たると葉が枯れ、未熟の実は入り切りません。
刈り取りと束ね方
ハトムギはキビと違って穂が葉の付け根に散らばって付くので、穂だけ切るのではなく株ごと地際で刈ります。茎が太く硬いので、鎌かノコギリ鎌を使います。五〜六株ずつ束ねて乾かし、乾燥中に落ちる実を受けるためシートの上で作業します。
- 露が乾いてから刈る
- 朝露が乾いた午前中に、地際で株ごと刈ります。濡れたまま束ねると内側がカビるので、雨の翌日は昼まで待ってから刈ります。
- 五〜六株ずつ束ねる
- 茎の下のほうをひもで固く縛ります。実は硬いので落ちにくいですが、逆さに運ぶときはシートで受けます。
- 葉を落としておく
- 束ねる前に大きな葉をしごいて落とすと、乾燥が早く脱穀も楽になります。葉は畑に残さず片付けます。
乾燥は軒下で二〜三週間
刈った束は雨の当たらない風通しのよい軒下に、穂を下にして吊るします。二〜三週間で実がカリッと硬くなり、殻が締まります。ハトムギの実は殻が厚いので、乾燥不足だと中にカビが出ても外から分からず、保存中にだめになります。
| 状態 | 見分け方 | 次にすること |
|---|---|---|
| 乾燥不足 | 実を割ると中が白く柔らかい、茎がしなる | さらに1週間干す。室内なら扇風機 |
| 乾燥完了 | 実を割るとカリッと割れ中が硬い、茎が折れる | 脱穀に進む |
| カビが出た | 束の内側に白や緑の綿、においがする | その束は捨てる。残りは間隔を空けて干し直す |
束は密着させず、握りこぶし一つ分空けて吊るします。雨が続く年は室内で扇風機を当てて補います。
脱穀と選別
乾いた株から実を落とす作業が脱穀です。ハトムギの実は硬く葉の付け根に付いているので、手で穂をしごくか、シートの上で棒でたたきます。落ちた実には葉や軸のくずが混ざるので、ふるいと風で分け、最後に水に入れて浮いた実を捨てます。
- 手でしごく
- 軍手をして穂の根元から先へこき落とします。硬い実は指で一粒ずつつまんで取ってもよく、数株なら手のほうが確実です。
- 棒でたたく
- 量が多ければシートの上に束を広げ、木の棒でたたきます。実は殻が硬いので割れにくく、強めにたたけます。
- ふるいと風で分ける
- 目の粗いふるいで葉や軸を取り、風のある日に高いところから少しずつ落として軽いくずを飛ばします。
- 水で最後の選別
- 実を水に入れると、実の入っていない殻とごみが浮きます。浮いたものを捨て、沈んだ実をざるに上げて天日で一〜二日乾かします。
殻付きで保存し、使う分だけ精白
ハトムギは殻付きのまま保存すると虫が付きにくく、一年以上持ちます。よく乾かして密閉容器に入れ、冷暗所に置きます。食べるときは殻をむいて精白しますが、殻が硬く家庭のすり鉢では取りにくいので、量があるなら精米所や精穀の業者に頼みます。ハトムギ茶にするなら殻ごと焙煎できます。
| 用途 | 処理 | 保存 |
|---|---|---|
| ハトムギ茶 | 殻ごとフライパンで弱火で15〜20分煎る。香ばしくなれば完成 | 密閉して常温。1〜2か月 |
| 雑穀ご飯、粥 | 殻をむいて精白。一晩水に浸けて米と炊く | 精白後は冷蔵。1〜2か月 |
| 粉 | 精白した実を製粉 | 冷蔵か冷凍。1か月 |
| 来年の種 | よく実った株の実を殻付きで別に取る | 紙袋で冷暗所。翌年5月まで |
殻をむいた実は油分があり酸化しやすいので、精白は食べる分だけにします。
実が軽い、カビが出るときの原因と直し方
収穫後の失敗は、実の入りと乾燥の環境が原因のことがほとんどです。刈ったときの実の硬さ、干した場所と束の大きさを思い出して原因を切り分け、翌年に生かします。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 水に浮く実が多い | 8月の乾燥、遅まきで熟し切らない | 出穂期に水を切らさない。翌年は5月中にまく |
| 乾燥中にカビが出る | 束が大きい、雨に当たった、濡れたまま束ねた | 束を小さくし、露が乾いてから刈る。室内で扇風機 |
| 保存中に虫が出る | 乾燥不足、密閉不足 | 天日で乾かし直し、密閉して冷暗所へ |
| 殻がむけない | 家庭のすり鉢では硬すぎる | 精米所や精穀業者に頼む。茶なら殻ごと使う |
| 茶が苦い | 焙煎しすぎ | 弱火で色を見ながら煎り、きつね色で止める |
ハトムギの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ハトムギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハトムギの育て方にまとめています。
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