まき時は五月、地温十五度以上
ハトムギは種まきから収穫まで百二十〜百五十日かかる、生育期間の長い作物です。関東平野部では五月上旬〜下旬にまき、九月下旬〜十月に収穫します。六月にまくと霜の前に熟し切らないことがあるので、遅くとも六月上旬までにまきます。低温では発芽しないので、地温が十五度を超えてからまきます。
| 地域 | まき時 | 収穫の目安 |
|---|---|---|
| 寒冷地(東北・高地) | 5月中旬〜下旬。早生品種を | 9月下旬〜10月上旬 |
| 中間地(関東平野部) | 5月上旬〜下旬 | 9月下旬〜10月中旬 |
| 暖地(西日本・南関東沿岸) | 4月下旬〜6月上旬 | 9月中旬〜10月下旬 |
まき時が遅れるほど霜に間に合わない危険が増えます。六月中旬を過ぎたら翌年に回すほうが確実です。
食用のハトムギとジュズダマを見分ける
ハトムギは野生のジュズダマを食用に改良した作物です。ジュズダマは殻が石のように硬く食用になりませんが、ハトムギは殻が薄く爪で割れます。種を入手するときは、食用のハトムギと明記されたものを選びます。品種は数が少なく、草丈と熟期で選びます。
| 種類 | 見分け方 | 用途 |
|---|---|---|
| ハトムギ(食用) | 殻が薄く縦に筋があり、爪で割れる。灰色〜茶色 | ハトムギ茶、雑穀ご飯、粉 |
| ジュズダマ(野生種) | 殻がつやつやで硬く割れない。白〜灰色 | 数珠、工作。食用にはしない |
| 早生の改良品種 | 草丈1.2〜1.5メートル、9月に熟す | 寒冷地や遅まき向き |
| 在来種 | 草丈2メートル前後、10月に熟す | 暖地で収量重視 |
ハトムギの種は一般の園芸店には少なく、種苗会社の通信販売や雑穀の専門店で手に入ります。食用の実をまいても発芽します。
畑の準備は水持ちのよい場所に
ハトムギは湿った土を好み、水田の転作作物としても作られます。乾燥する畑では生育が悪く、実の入りも落ちるので、水持ちのよい場所か、夏に水をやれる場所を選びます。肥料はキビやアワより多めで、元肥(植えるときに土へ混ぜる肥料)に堆肥と化成肥料をしっかり入れます。
- 二週間前に堆肥と肥料
- 一平方メートルあたり堆肥二〜三キロ、化成肥料をふた握りまいて深さ二十センチ耕します。酸性の強い土は苦土石灰をひと握り足します。
- 畝は低く広く
- 幅七十〜八十センチ、高さ五〜十センチの低い畝にします。高畝にすると乾きやすく、ハトムギには向きません。
- 乾く畑は覆いを用意
- 乾きやすい畑なら、まく前に畝をわらや刈り草で覆う準備をします。発芽後に株元へ敷き、土の乾きを抑えます。
種は一晩水に浸けて点まき
ハトムギの種は殻が硬く水を吸いにくいので、まく前に一晩水に浸けると発芽がそろいます。株間三十センチ、条間六十〜七十センチで一か所に三〜四粒を点まきし、深さは二〜三センチです。キビより種が大きく深くまけますが、五センチを超えると出てきません。
- 一晩水に浸ける
- まく前日の夜に種を水に浸け、朝にざるに上げます。浮いた種は実が入っていないので捨てます。
- 三十センチ間隔に穴を作る
- 畝に指で深さ二〜三センチの穴を三十センチ間隔で作ります。一列か、畝が広ければ二列にします。
- 一か所に三〜四粒
- 穴に種を三〜四粒入れ、間隔を少し空けて置きます。土をかけて手で軽く押さえ、種と土を密着させます。
- 水をやり鳥を防ぐ
- たっぷり水をやります。ハトやカラスが種を掘るので、発芽まで不織布をかけるか、まいた上に刈り草を薄く敷きます。
発芽には七〜十四日かかります。キビより遅いので、二週間は待ってから判断します。
発芽しない、そろわないときの原因と直し方
ハトムギの発芽の失敗は、種の硬さと低温がほとんどです。二週間たっても出ないなら、原因を切り分けてまき直します。まき直しは六月上旬までなら収穫に間に合います。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 14日たっても芽が出ない | 水を吸っていない、地温不足、深まき | 一晩浸けて2〜3センチの深さにまき直す |
| 一部だけ出た | 種が古い、鳥に掘られた | 欠けた所に浸けた種を追いまきし、不織布で覆う |
| 芽が出たあと枯れた | 過湿で腐った、ネキリムシ | 畝の間に溝を掘って排水。株元の土を掘って虫を取る |
| 苗が細く葉が黄色い | 低温、肥料不足 | 暖かくなれば回復する。本葉5枚で薄く追肥 |
間引きは本葉三〜四枚で一〜二本に
発芽した苗はトウモロコシの芽に似た太い葉を出します。本葉三〜四枚になったら、一か所で太くまっすぐな一〜二本を残して間引きます。二本残すと分けつが抑えられて倒れにくく、一本にすると一株が大きく育ちます。抜くときは残す株の根を傷めないよう、地際でハサミで切ります。
| 時期 | 株の姿 | 作業 |
|---|---|---|
| まいて7〜14日 | 太い芽が出そろう | 不織布を外す。雑草を抜く |
| 本葉3〜4枚 | 草丈10〜15センチ | 一か所1〜2本に。地際でハサミで切る |
| 本葉6〜7枚 | 草丈30センチ、分けつが始まる | 以降は間引かない。土寄せに移る |
欠けた場所には間引いた苗を植え直せます。根が深いので周りの土ごと掘り、夕方に植えて水をやります。
種まきの手順
ハトムギは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
ハトムギの種まきでよくある質問
ハトムギの種はいつまく?
ハトムギは種まきから収穫まで百二十〜百五十日かかる、生育期間の長い作物です。…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
ハトムギの種はどうやってまく?
点まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
ハトムギの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
ハトムギの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
ハトムギは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
ハトムギの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
ハトムギの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
ハトムギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハトムギの育て方にまとめています。
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