症状から原因を見分ける
ハトムギの被害は葉、茎、実のどこに出ているかで原因を絞れます。多くは環境を直せば収まり、薬を使わなくても収穫できます。表で当たりを付けてから、各項目の手当てに進みます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 葉に茶色い斑点が広がり枯れ上がる | 葉枯病 | 下葉を取り、風を通す |
| 茎に穴と木くずのような糞 | アワノメイガの幼虫 | 穴の下で茎を切り幼虫を取る |
| 実の殻だけ残り中が空 | スズメ、ハト | 袋をかぶせるか網をかける |
| 穂が黒い粉の塊になる | 黒穂病 | 袋をかぶせて穂ごと切り処分 |
| 葉が縞になり株が縮む | ウイルス病(アブラムシが媒介) | 株ごと抜いて処分 |
| 新芽が根元から切られる | ネキリムシ | 株元の土を掘って幼虫を取る |
葉枯病は梅雨に下葉から
ハトムギで一番多い病気が葉枯病です。梅雨に下葉から茶色い斑点が広がり、ひどいと株全体が枯れ上がって実が入りません。密植と過湿で増えるので、株間を守り、下葉を取って風を通します。梅雨入り前に混み合った分けつを整理しておくと発生が減ります。
- 斑点の出た下葉を取る
- 梅雨に入ったら週に一度株元を見て、斑点の出た葉を付け根から取ります。取った葉は畑に残さず処分します。
- 細い分けつを切る
- 株元で混み合う細い茎を地際で切り、株の中に風が通るようにします。太い茎五〜六本あれば十分です。
- 畝の間の水を抜く
- 雨のあと畝の間に水がたまるなら溝を掘って流します。株元が長く濡れると病気が進みます。
- 毎年出るなら予防散布
- 前年に大きく出た畑では、梅雨入り前に穀物に使える殺菌剤を葉の表裏に散布します。発病後は効きが弱いです。
肥料が多く葉が軟らかい株ほど病気が出ます。葉の色が濃すぎるなら二回目の追肥(育ちの途中で足す肥料)を減らします。
アワノメイガは茎の穴で見つける
トウモロコシに付くアワノメイガはハトムギにも入ります。七月〜八月に茎の節の近くに小さな穴があき、木くずのような糞が出ていたら中に幼虫がいます。食われた茎は穂が出ないか、途中で折れます。
- 七月に茎を見回る
- 週に一度、葉の付け根と茎を見て穴と糞を探します。見つけたら穴の少し下で茎を縦に割り、幼虫をつまみ出します。
- 折れた茎は切り取る
- 穂が出ずに折れた茎は中に幼虫がいます。地際で切って袋に入れ、庭に残さず処分します。切った茎を割って幼虫を確かめておくと翌年の判断に役立ちます。
- 収穫後の茎を残さない
- 幼虫は茎の中で冬を越します。収穫後の茎は畑に残さず、細かく切って堆肥にするか処分します。
トウモロコシの近くに植えると被害が増えます。同じ畑なら五メートル以上離すか、まき時をずらします。
鳥害は実が柔らかい時期に集中する
ハトムギの実は熟すと殻が硬くなり鳥に食べられにくくなりますが、八月下旬〜九月上旬の柔らかい時期はスズメやハトに狙われます。数株なら穂に果実袋やネットの袋をかぶせ、畝全体なら防鳥網をかけます。実が灰色に硬くなれば被害はほぼ止まります。
| 時期 | 実の状態 | 対策 |
|---|---|---|
| 8月中旬 | 花が終わり実が膨らみ始める | 袋か網の準備 |
| 8月下旬〜9月上旬 | 緑で柔らかく、押すと汁が出る | 袋をかぶせる、網をかける。一番狙われる |
| 9月中旬以降 | 灰色〜茶色に硬くなる | 被害は減る。網は収穫まで残す |
袋は通気のよい果実袋か目の細かいネットを使い、雨のあとに中が蒸れていないかを確かめます。
黒穂病と初期の虫
黒穂病は穂が黒い粉の塊になる病気で、粉は胞子です。触ると飛び散るので、袋をかぶせてから穂ごと切って処分し、その株の実は種に使いません。まいてすぐの苗はネキリムシに切られることがあり、切られた株の周りを掘って幼虫を取ります。
- 黒い穂は袋をかぶせて切る
- 黒い粉が見えたら静かに袋をかぶせ、袋の中で穂を切り取ります。株ごと抜くほうが確実で、燃えるごみで処分します。
- 種は健全な株から
- 発病した畑の実は翌年の種に使いません。別の株、できれば別の畑の実から種を取ります。
- 切られた苗の周りを掘る
- 根元から切られた苗があれば、周り三センチの土を掘るとネキリムシが丸まっています。つまんで処分します。
薬を使う前に環境と手入れを見直す
ハトムギの病害虫は、連作と密植と肥料過多で増えます。毎年同じ被害が出るなら、まく場所と株間、肥料の量を先に直します。薬に頼るのはそのあとです。
| 原因になる環境 | 起きやすいトラブル | 直し方 |
|---|---|---|
| 毎年同じ場所でイネ科を作る | 葉枯病、黒穂病の再発 | 2〜3年はマメ科やアブラナ科と交代する |
| 株間が狭く風が通らない | 葉枯病、ハダニ | 株間30センチを守り、細い分けつを切る |
| 肥料が多く葉が軟らかい | 葉枯病、アブラムシ、倒伏 | 追肥を減らす |
| 畝の間に水がたまる | 葉枯病、根腐れ | 畝の間に溝を掘って排水 |
| 収穫後の茎を畑に残す | アワノメイガの越冬 | 茎を刈って処分 |
ハトムギの収穫までのコツは作物ページに
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