一年の流れを表で見る
ハトムギは種まきから収穫まで百二十〜百五十日かかり、霜が降りる前に熟させることが計画の要です。夏の水管理と二回の追肥・土寄せ、秋の収穫と乾燥が主な作業です。関東平野部の露地を基準にした月ごとの目安です。
| 月 | 主な作業 | 目安と注意 |
|---|---|---|
| 4月 | 畑の準備、種の入手 | 堆肥と肥料を入れて耕す。低い畝を作る |
| 5月 | 種まき | 一晩水に浸けて点まき。深さ2〜3センチ |
| 6月 | 間引き、雑草取り、追肥と土寄せ1回目 | 本葉3〜4枚で間引き。6〜7枚で追肥 |
| 7月 | 追肥と土寄せ2回目、株元の覆い、支柱 | 草丈70センチ。穂が出る前に済ませる |
| 8月 | 出穂、開花、水やり、鳥よけ | 5〜7日雨がなければ水。台風前に株を縛る |
| 9月 | 登熟、水やりを減らす | 実が緑から灰色〜茶色に変わる |
| 10月 | 収穫、乾燥 | 実の7割が色づいたら刈る。霜の前に |
| 11月 | 脱穀、乾燥の仕上げ、保存 | 殻付きで保存。茶にするなら焙煎 |
| 12月〜3月 | 畑の片付け、来年の計画 | 残さを処分。翌年はイネ科以外を |
寒冷地は早生品種を五月中旬にまき、九月中に収穫します。十月の霜に当たると実が入り切りません。
四月から五月、準備と種まき
四月に堆肥と肥料を入れて耕し、五月に地温が上がったらまきます。ハトムギはキビより肥料が要るので、野菜と同じくらいの元肥を入れます。まく前日に種を水に浸けるのを忘れないようにします。
- 四月、畑を耕す
- 堆肥二〜三キロと化成肥料ふた握りを一平方メートルにまき、二十センチ耕します。幅七十センチの低い畝にします。
- 五月、浸けてまく
- 前日の夜に種を水に浸け、朝に株間三十センチで三〜四粒ずつ点まきします。発芽まで不織布をかけます。
種は二年以上たつと発芽率が落ちます。古い種を使うなら一か所に五〜六粒まき、発芽を見てから間引きます。
六月から七月、間引きと追肥、土寄せ
六月は間引きと雑草取り、七月は二回目の追肥と土寄せです。ハトムギは六月まで生育がゆっくりで雑草に負けやすく、七月に入ると急に伸びます。梅雨明け後の乾燥にも気を付けます。
- 六月上旬、間引き
- 本葉三〜四枚で一か所一〜二本にします。残す株の根を傷めないよう、抜かずに地際で切ります。
- 六月下旬、追肥と土寄せ一回目
- 本葉六〜七枚で畝の肩に化成肥料をひと握りまき、畝の間の土を株元に寄せます。雑草は先に抜きます。
- 七月中旬、追肥と土寄せ二回目
- 草丈七十センチで二回目の追肥(育ちの途中で足す肥料)と土寄せをし、株元をわらで覆います。畝の両端に支柱を立てておきます。
七月の梅雨明け直後は急に乾きます。株元の覆いは梅雨明け前に敷いておくと、乾燥のダメージを避けられます。
八月から九月、出穂から登熟
八月上旬〜中旬に葉の付け根から穂が出て、雄花と雌花が咲きます。この時期の乾燥は実の入りを悪くするので、五〜七日雨がなければ水をやります。九月に実が緑から灰色や茶色に変わり、硬くなっていきます。
| 時期 | 確かめること | 作業 |
|---|---|---|
| 8月上旬 | 葉の付け根に小さな穂 | 水を切らさない。台風前にひもを張る |
| 8月中旬〜下旬 | 白い雄花が垂れ、雌花に糸状の柱頭 | 水やり継続。鳥が来始めたら網 |
| 9月上旬 | 実が緑で膨らむ | 1週間雨がなければ水 |
| 9月下旬 | 実が灰色〜茶色に変わり始める | 水を減らす。収穫の準備 |
ハトムギはキビほどスズメに狙われませんが、実が柔らかい八月下旬〜九月上旬は被害が出ます。数株なら袋をかぶせます。
十月から十一月、収穫と乾燥、脱穀
実の七割が灰色〜茶色に色づいたら、株ごと地際で刈って束ね、軒下で二〜三週間乾かします。乾いたら手でしごいて実を落とし、風でごみを飛ばします。ハトムギの実は殻付きで保存すると長持ちし、茶にするなら殻ごと焙煎します。
- 十月上旬〜中旬、収穫
- 実を指でつまんで硬く、七割が色づいていたら刈り時です。地際で株ごと刈り、五〜六株ずつ束ねます。
- 十月下旬、乾燥
- 束を逆さに軒下に吊るします。実をかんでカリッと割れれば乾いています。雨の年は室内で扇風機を当てます。
- 十一月、脱穀と保存
- 乾いた穂を手でしごいて実を落とし、風で葉や軸のくずを飛ばします。殻付きのまま密閉して冷暗所に置きます。
作業の時期を外したときの戻し方
ハトムギは生育期間が長いので、まき時の遅れが一番取り返しにくい失敗です。それ以外は収穫までに手当てできるものが多く、翌年に生かせる整理もできます。
| 場面 | 起きること | 戻し方 |
|---|---|---|
| まき時が6月中旬にずれた | 霜までに熟さない | 早生品種にする。色づいた穂だけ先に刈る |
| 8月に水を切らした | 実の入りが悪く軽い | 実った穂だけ使う。翌年は株元をわらで覆う |
| 追肥を忘れた | 草丈が低く穂が少ない | 7月中なら遅れて与える。8月以降は諦める |
| 土寄せを忘れて倒れた | 穂が地面に付く | 起こしてひもに結ぶ。翌年は2回の土寄せを |
| 収穫が遅れて霜に当たった | 葉が枯れ、未熟の実が残る | 色づいた実だけ集める。未熟の実は捨てる |
ハトムギの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ハトムギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はハトムギの育て方にまとめています。
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