用途で採り時を決める
ナツメの実は九月中旬から黄緑色に赤茶色の斑が入り始め、十月に全体が赤茶色になります。生で食べるなら半分ほど色づいた、まだ皮に張りがあるころが、リンゴのような歯ごたえとほのかな甘さで最もおいしい時期です。乾燥ナツメや甘露煮にするなら、全体が赤茶色になり甘みが増してから採ります。
| 用途 | 採る時期 | 実の見た目 | 味と食感 |
|---|---|---|---|
| 生食 | 9月中旬〜下旬 | 半分ほど赤茶色、皮に張り | リンゴのようにさくさく、あっさりした甘さ |
| 甘露煮・ジャム | 9月下旬〜10月上旬 | ほぼ全体が赤茶色 | 甘みが増し、やや軟らかい |
| 乾燥ナツメ | 10月上旬〜中旬 | 全体が赤茶色で少ししわ | 甘みが強く、干すと濃くなる |
| 採り遅れ | 10月下旬以降 | 皮がしわだらけで軟らかい | 生食には向かず、乾燥に |
採り方は手でもぐ
実は短い枝に一つずつ付き、熟すと軽くひねるだけで取れます。一斉には熟さないので、二〜三週間かけて色づいた実から何度かに分けて採ります。枝にはとげがあるので、革手袋をはめて手を入れます。朝の涼しいうちに採ると実が締まっていて日持ちが良くなります。
- 色づいた実を選んで採る
- 同じ枝でも熟し方に差があります。目的の色づきになった実だけを指でひねって採り、未熟な実は数日後に採ります。
- とげの位置を見てから手を入れる
- 枝の奥の実は、とげの位置を確かめてから革手袋の手を入れます。実の周りのとげを冬に落としておくと、収穫がずっと楽になります。
- 高い枝は揺すって落とす
- 手の届かない枝の実は、下にシートを敷いて枝を軽く揺すると熟した実だけが落ちます。落ちた実は傷が付きやすいので、その日のうちに使います。
生食は数日以内、保存は冷蔵で一週間
生の実は採ってから数日で皮にしわが寄り、食感が落ちます。冷蔵庫の野菜室でポリ袋に入れれば一週間ほど保てますが、生食の歯ごたえを楽しむなら三日以内が目安です。それ以上は乾燥か甘露煮、冷凍に回します。
| 保存の仕方 | 目安の日数 | やり方 |
|---|---|---|
| 常温 | 二〜三日 | 風通しの良い日陰に浅い容器で |
| 冷蔵 | 一週間 | 洗わずにポリ袋で野菜室へ |
| 冷凍 | 数か月 | 洗って水気を拭き袋で凍らせ、甘露煮に使う |
| 乾燥 | 半年〜一年 | 赤茶色の実を干す、下の手順を参照 |
乾燥ナツメの作り方
乾燥ナツメは、全体が赤茶色になった実を洗って天日で干すだけで作れます。関東の十月なら、晴れた日に一週間から十日で皮がしわしわになり、中がねっとりします。一度熱湯にくぐらせてから干すと乾きが早く、皮の色も鮮やかになります。雨の日は室内に取り込み、かびが出ないよう風を当てます。
- 洗って熱湯にくぐらせる
- 実を洗い、沸騰した湯に十秒ほどくぐらせて水気を拭きます。皮に細かいひびが入って乾きやすくなります。
- ざるに重ならないよう並べて干す
- ざるや干し網に一段で並べ、日当たりと風通しの良い場所で干します。一日一回裏返します。夜と雨の日は室内に入れます。
- しわが寄り軽くなったら仕上げ
- 一週間から十日で皮がしわだらけになり、重さが半分以下になれば完成です。指で押して中が固くねっとりしていれば十分乾いています。
- 密閉して保存する
- 完全に冷ましてから密閉容器か袋に入れ、乾燥剤と一緒に冷暗所で保存します。半年から一年保てます。かびが心配なら冷蔵庫に入れます。
採り終えた後の管理
実を採り終えた十月に礼肥を与え、地面に落ちた実と落ち葉を片付けます。落ちた実は虫を呼び、落ち葉は病気の菌が残ります。株元や周囲に出た秋のひこばえも、土が軟らかいうちに根ごと掘り取ります。十一月に落葉したら、冬の剪定までは何もしません。
- 落ちた実を拾う
- 採り残しや割れて落ちた実は、そのままにするとハエやカメムシを呼びます。集めて処分するか、傷んでいなければ乾燥に回します。
- 礼肥を十月中に与える
- 枝先の真下に化成肥料を一周まいて土と混ぜ、水をやります。十一月以降は与えても効かず、根に負担になります。
- 今年の実の数を記録する
- 採れた実の数と大きさを記録しておきます。多過ぎたなら翌年は七月に小さい実を摘む、小さかったなら八月の水を増やすといった判断の材料になります。
実が付かない・小さいときの原因
花はたくさん咲くのに実が少ない、実が小さいまま色づく、という年があります。ナツメは花の数に対して実になる割合が低いので、少ないこと自体は異常ではありません。それでも三年目以降で実がほとんど付かない、二センチに満たないといった場合は、樹の姿を見て原因を切り分けます。
| 状態 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花は多いが実がまったく残らない | 植えて三年以内、開花期の長雨 | 翌年を待つ、樹が若いなら育てる |
| 実が二センチに満たない | 夏の乾き過ぎ、実の付け過ぎ | 八月の水を増やし、七月に小さい実を摘む |
| 枝ばかり伸びて実が少ない | 肥料過多、日照不足 | 寒肥を半分に減らし、周囲の木を透かす |
| ひこばえが多く実が減った | 根の傷み、深植え | ひこばえを根ごと掘り、株元を浅くする |
| 実が割れて使えない | 水分の急な変化 | 乾き切る前に少量ずつ与え、雨の前に採る |
ナツメの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
ナツメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナツメの育て方にまとめています。
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