地植えと鉢植えで水やりの考え方を変える
ナツメは根が深く、乾燥に非常に強い果樹です。地植えは植えて一年目の夏を除いて水やりは不要で、日照りが続いても葉が落ちることはまずありません。むしろ水はけの悪い場所で根が傷みます。鉢植えは表面が乾いたら与えますが、ほかの果樹より乾かし気味で問題ありません。
| 時期 | 鉢植えの目安 | 地植えの目安 |
|---|---|---|
| 5月〜6月 (芽出し〜開花) | 表面が乾いてから一日後 | 植えた年だけ週一回 |
| 7月〜9月 (実の肥大) | 表面が乾いたら毎日 | 二週間以上雨がなければたっぷり |
| 10月〜11月 | 表面が乾いてから二日後 | 不要 |
| 12月〜4月 (休眠) | 月に二〜三回、暖かい日の午前 | 不要 |
鉢を持ち上げて軽ければ与える判断で十分です。ナツメは水切れより水のやり過ぎで調子を崩します。
実が太る夏だけは水を効かせる
乾燥に強いといっても、七月から九月に実が大きくなる時期に極端に乾くと、実が小さいまま止まり、ひび割れの原因にもなります。鉢植えはこの時期だけ毎日与え、地植えも二週間雨がなければ株元にたっぷり与えます。急に大量の水を与えると実が割れるので、乾かし切らずに与えるのが目安です。
- 朝に与える
- 夏は朝のうちに与えます。夕方に与えると夜間に土が湿ったままになり、根に負担がかかります。
- 株元を薄く覆う
- 地植えは株元にわらか腐葉土を二センチほど敷くと乾きが緩やかになります。厚く覆うと根元が湿り過ぎてひこばえが増えるので薄めにします。
- 実の割れに気付いたら
- 実に縦のひびが入ったら、乾いた後に急に水が入った合図です。以降は乾き切る前に少量ずつ与えて、水分の変化を小さくします。
肥料は冬の寒肥と収穫後の礼肥
肥料は年に二回で十分です。一月から二月に与える寒肥(冬の間に効かせる肥料)が主で、油かすや堆肥を株の周りに埋めます。十月の収穫後に礼肥として化成肥料を少量与えると、翌年の芽出しが良くなります。肥料が多いと枝とひこばえばかり伸びて実が減るので、少なめを守ります。
| 月 | 肥料の種類 | 地植え (樹高2メートル) の目安 | 鉢植え十号の目安 |
|---|---|---|---|
| 1月〜2月 | 油かす・堆肥 (寒肥) | 油かす二百グラムと堆肥バケツ一杯 | 油かす三十グラム |
| 6月 (開花期) | 化成肥料 (任意) | 実付きが悪い樹だけ五十グラム | 十グラム |
| 10月 (収穫後) | 化成肥料 (礼肥) | 五十グラム | 十グラム |
追肥の置き方
追肥(育ちの途中で足す肥料)は幹のそばではなく、枝先の真下の地面に与えます。ナツメの細根は枝先の下と、ひこばえが出る周辺に多く、幹のすぐそばにまいても吸えません。寒肥は枝先の下に穴を掘って埋め、礼肥は表面にまいて軽く土と混ぜます。
- 寒肥は穴を掘って埋める
- 枝先の真下に深さ二十センチの穴を三〜四か所掘り、油かすと堆肥を混ぜて入れて土を戻します。根を少し切っても冬なので問題ありません。
- 礼肥は表面にまく
- 収穫後の十月に、枝先の下に化成肥料を一周まいて土と軽く混ぜ、水をやります。十一月以降に与えても効きません。
- 鉢植えは縁に置く
- 鉢の縁に沿って固形の油かすを四か所置くか、粒状肥料を一周まいて軽く混ぜます。液体肥料は使わなくても育ちます。
葉の色で足りないものを見分ける
ナツメの葉は小さく光沢があり、健康なら濃い緑です。芽出し直後の五月は葉が薄い黄緑でも正常で、六月には濃くなります。それ以降の色の変化は、水と肥料の過不足か根の異常の合図です。どの葉がどう変わったかを見て判断します。
| 見た目 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 六月以降も葉が薄い黄緑 | 肥料不足 | 六月に化成肥料を少量、翌冬の寒肥を増やす |
| 葉脈だけ緑で間が黄色い | 鉄不足、アルカリ土 | 鉄入りの液体肥料を試す |
| 夏に葉の縁が茶色く枯れる | 肥料過多 | 水で流し、翌年の寒肥を減らす |
| 葉が小さく枝が短い | 根の傷み、深植え | 根元の土を除き、水はけを見直す |
| 九月に葉が黄色くなり落ち始める | 早い落葉、水はけ不良 | 秋の長雨の後なら様子見、続くなら排水を直す |
実が小さい・落ちるときの切り分け
花はたくさん咲くのに実が少ない、実が小さいまま赤くなる、といった相談が多い果樹です。ナツメは花の数が非常に多く、実になるのは一部なので、落ちること自体は正常です。問題は残った実が育たないときで、多くは水の変化、肥料の与え過ぎ、ひこばえによる養分の横取りのどれかです。
- 七月の落果は数を見る
- 花の数の一割も残れば十分です。まったく残らないなら、開花期の長雨か、植えて三年以内の若さが原因で、翌年を待ちます。
- 実が小さいなら水と数を疑う
- 八月に実が二センチに満たないなら、夏の乾き過ぎか実の付け過ぎです。鉢は毎日の水やりに切り替え、小さい実を一部摘みます。
- 枝ばかり伸びるなら肥料を減らす
- 葉が濃い緑で枝が長く伸びるのに実が少ないなら肥料過多です。翌年の寒肥を半分に減らし、六月の肥料をやめます。
- ひこばえを掘り取る
- 株元や周囲にひこばえが多い年は、実が小さくなります。春と秋に根ごと掘り取ります。
ナツメの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
ナツメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナツメの育て方にまとめています。
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