品種と苗の種類を先に決める
ナツメは一本で実が付き、暑さ寒さ乾燥に強く、放任に近くても育つ果樹です。品種は実が大きく生食向きのものと、小さめで乾燥させる向きのものがあります。生で食べたいなら大実系、乾燥ナツメを作りたいなら在来系と決めてから苗を探します。とげの少ない品種も出ているので、作業のしやすさで選ぶ考え方もあります。
苗は接ぎ木苗と、株元から出たひこばえを分けた株分け苗があります。どちらも三年目前後から実が付きます。実生苗は親と性質が違うことが多く、実が付くまで長いので避けます。
| 品種のタイプ | 実の大きさ | 向いている使い方 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 大実系 | 3〜4センチ | 生食、リンゴのような食感 | とげは少なめ、実付きは安定 |
| 在来系・小実 | 2センチ前後 | 乾燥ナツメ、甘露煮 | とげが多い、丈夫でひこばえが多い |
| とげなし系 | 2〜3センチ | 生食と乾燥の両方 | 作業が楽、流通は少ない |
品種名のない苗は在来系のことが多く、とげが強く出ます。植える場所が通路に近いなら、とげの少ない品種を選ぶと後が楽です。
苗の見方
十一月から三月に出回る落葉期の苗は、葉がないので幹と根で判断します。ナツメは春の芽出しが五月と遅く、三月の苗は芽が動いていなくても枯れてはいません。枝先を爪でこすって緑が見えれば生きています。根はごぼうのように太く、細根が少ないのが特徴なので、根鉢が小さくても心配いりません。
- 枝先の緑を確かめる
- 枝先を爪で軽くこすり、下が緑なら健全です。茶色でぱさついていれば乾燥で傷んでいるので避けます。
- 幹の太さで選ぶ
- 高さより幹の太さを見ます。鉛筆より太く、まっすぐな幹の苗は根付きが早く、二年目から枝がよく出ます。
- 根巻き苗は根を乾かさない
- 根巻き苗は買ったらすぐ植えます。すぐ植えられないなら、根を湿らせて日陰に仮置きし、一週間以内に植えます。
植え付けは落葉期の十二月から三月
落葉樹なので、葉のない十二月から三月が植え付けの適期です。寒さに強いので厳寒期でも植えられますが、関東では土が凍らない十二月か、二月下旬から三月が根の再生に向きます。芽出しが五月と遅いので、四月に植えても間に合います。
| 時期 | 植え付けの可否 | 注意 |
|---|---|---|
| 12月 | 適期 | 根が落ち着いて春に動き出す |
| 1月〜2月上旬 | 可 | 土が凍る日は避ける |
| 2月下旬〜4月 | 適期 | 芽出しが遅いので四月でも間に合う |
| 5月〜10月 (ポット苗) | 可 | 根鉢を崩さず、植えた年の夏は水を与える |
庭への植え方
日当たりが良いほど実付きが良く、半日陰では花が減ります。土質を選ばず、乾燥にも強いので、ほかの果樹が育ちにくい乾いた場所でも育ちます。根は深く伸び、株元から離れた場所にもひこばえが出るので、建物の基礎や通路から二メートル以上離して植えます。
- 植え穴を掘り腐葉土を混ぜる
- 直径と深さが五十センチほどの穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ一杯混ぜて戻します。酸性土でも育ちますが、苦土石灰をひと握り混ぜると根の張りが良くなります。
- 根鉢の上面を地面と合わせる
- 深植えすると根元が腐りひこばえが増えます。根鉢の上面が地面と同じか少し高くなるように植え、周囲に水鉢を作ります。
- たっぷり水をやり支柱を立てる
- 水鉢に水をためて土になじませ、二年間は支柱を立てて風で揺れないようにします。細根が少ない樹なので、揺れると根付きが遅れます。
- ひこばえの範囲を決めておく
- 株元から一メートル以内に出たひこばえは春に掘り取ると決めておきます。芝生や花壇の中に出てくることがあるので、周囲を板で仕切る方法もあります。
鉢植えでの植え方
鉢植えでも実が採れ、乾燥に強いので水やりの失敗が少ない果樹です。十号鉢から始め、二年ごとに一回り大きくして十三号から十五号で維持します。用土は赤玉土の中粒七に腐葉土三で十分です。根が太く深く伸びるので、浅い鉢より深さのある鉢を選びます。
- 深めの鉢に軽石を敷く
- 鉢底に軽石を三センチ敷き、深さのある鉢に植えます。太い根が鉢底で曲がると生育が止まるので、根の長さに余裕のある鉢にします。
- 太い根を切り詰めてよい
- ごぼうのような太い根が鉢に収まらなければ、先を三分の一ほど切り詰めて構いません。ナツメは太根を切っても新しい根がよく出ます。
- 植えた年は花を摘む
- 植えた年に咲いた花は摘み、枝と根を育てます。二年目から実らせても翌年以降の樹の力に差が出ます。
芽が出ない・弱るときの原因
ナツメで最も多い心配は、春に芽が出ないことです。ほかの落葉樹が芽吹く四月に動きがなくても、ナツメは五月上旬から中旬が芽出しで、枯れてはいません。五月末になっても芽が出ないときだけ、枝を削って生きているかを確かめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 四月に芽が出ない | 正常 (芽出しは五月) | 五月中旬まで待つ |
| 五月末に芽が出ず、枝が茶色い | 冬の乾燥か根の傷み | 生きた部分まで切り戻し、株元の芽を待つ |
| 葉が小さく黄色っぽい | 深植え、水はけ不良 | 根元の土を取り除く |
| 株元にひこばえばかり伸びる | 主幹の傷み、深植え | ひこばえを一本残して主幹を更新 |
| 植えた年の夏に葉が縮れる | 水切れ (根付き前) | 植えた年だけは週一回たっぷり与える |
ナツメの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ナツメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナツメの育て方にまとめています。
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