実が付く枝と付かない枝を見分ける
ナツメは今年伸びた新しい枝に花が付き、その年に実ります。前年の枝先に花芽を持つほかの果樹と違い、冬に枝先を切り詰めても実がなくなることはありません。実を付けるのは、太い枝のこぶ状の芽から毎年出る短い枝で、この枝は秋に葉と一緒に落ちます。冬に樹を見て、太い枝とこぶが残っていれば翌年も実が付きます。
| 枝の姿 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 太い枝のこぶから出る短い枝 | 触らない | 毎年ここから花枝が出る |
| 真上に長く伸びた太い枝 | 根元から抜くか半分に切る | 樹が高くなり実が少ない |
| 内側に向かう枝、交差する枝 | 根元から抜く | 風通しを悪くし、とげでけがをする |
| 株元や離れた場所から出るひこばえ | 掘り取る | 養分を取り、広がって困る |
| 枯れたこぶ、細く弱った枝 | 落とす | 実が付かず病気の元 |
枝先を爪でこすって緑が出るところが生きた部分です。ナツメは冬に細い枝先が枯れるのが普通なので、枯れた先端は春に落とします。
時期は落葉後の十二月から三月
落葉して枝の姿がよく見える十二月から三月に剪定します。芽出しが五月と遅いので、三月でも十分間に合います。とげのある枝を落とすときは厚手の革手袋を使い、切った枝は踏まないように集めて処分します。
- 枯れ枝とひこばえを落とす
- 冬に枯れた細い枝先と、株元のひこばえを地際で切ります。ひこばえは根から出ているので、できれば根ごと掘り取ります。
- 上へ伸びた強い枝を抜く
- 前年に真上へ一メートル以上伸びた枝は、根元から抜くか、外向きのこぶの上で半分に切ります。高さが抑えられ、残った枝に光が入ります。
- 内向きと交差する枝を抜く
- 幹の中心に向かう枝と、ほかの枝と擦れる枝を根元から切ります。全体の二〜三割を抜く程度に留めます。
- 太い切り口に癒合剤を塗る
- 直径二センチ以上の切り口には癒合剤を塗ります。ナツメは切り口の治りが遅く、そこから枯れ込むことがあります。
若木のうちに高さを決める
ナツメは放任すると五メートルを超え、上のほうにだけ実が付きます。植え付けから三年ほどで主幹を二メートル前後で止め、そこから三〜四本の主枝を横に広げると、脚立なしで収穫できます。主幹を止めるときは外向きの枝の分かれ目で切り、その枝を新しい先端として伸ばします。
- 一年目は主幹を伸ばす
- 植え付け時は枯れた先端だけを落とし、主幹をまっすぐ伸ばします。ひこばえが出たらすべて掘り取ります。
- 二年目に主枝の候補を残す
- 主幹から出た枝のうち、方向が違い高さが違う三〜四本を残してほかを抜きます。横に広がる枝ほど実が付きやすくなります。
- 三年目に主幹を止める
- 主幹が二メートルを超えたら、外向きの枝の分かれ目で切ります。以降は主枝から出る枝を整えるだけになります。
ひこばえは春と秋に掘り取る
ナツメの根は横に長く伸び、株元から二〜三メートル離れた場所にも芽を出します。放置すると藪になり、芝生や花壇に広がります。地面から出たら根ごと掘り取るのが基本で、切るだけでは翌年また出ます。株の更新に使いたいものだけ一本残します。
| 場面 | 扱い | やり方 |
|---|---|---|
| 株元から一メートル以内 | 掘り取る | 根をたどって切り離す |
| 離れた場所に出た | 掘り取る、根を追う | 根を切った断面に癒合剤を塗る |
| 主幹が弱っている | 一本残して後継に | 勢いの良いものを選び、ほかは掘る |
| 苗を増やしたい | 春に掘り上げて別に植える | 根を二十センチ以上付けて分ける |
夏の枝は伸び方を見て整える
ナツメは六月から八月に枝がよく伸び、真上に伸びた強い枝は花が少なく樹の光を遮ります。伸びている途中で先を摘むと、摘心(伸びている枝の先を摘んで止めること)の効果で栄養が実に回り、実が大きくなります。実を付けている短い枝は触りません。
- 七月に強い枝の先を摘む
- 真上に五十センチ以上伸びた枝の先を手で摘みます。実の付いた短い枝には触りません。
- 内側の細い枝を抜く
- 光の当たらない内側の細い枝を根元から取ると、風通しが良くなり実の色づきが良くなります。
高くなり過ぎた・実が減ったときの立て直し
何年も放任して手が届かなくなった樹も、二〜三年かければ低くできます。一度に強く切ると翌年は徒長枝(勢いよく真上に伸びる、花の付かない枝)とひこばえが大量に出るので、年ごとに分けて進めます。実が減ったときは、光が内側に入っているかと、ひこばえに養分を取られていないかを見て判断します。
| 状態 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 五メートル以上で手が届かない | 長年の放任 | 三年計画で毎冬主幹を三分の一ずつ低くする |
| 真上に長い枝ばかり伸びる | 強く切り過ぎた | 冬に長い枝を根元から抜き、切る量を減らす |
| ひこばえが多く実が減った | 根が傷ついた、深植え | ひこばえを根ごと掘り、株元を浅くする |
| 内側の枝が枯れ実が外側だけ | 枝が混んで光が入らない | 冬に内側の枝を抜き、夏に強い枝の先を摘む |
| 切り口から枝が枯れ込む | 癒合剤なし、夏に太枝を切った | 冬に生きた部分まで切り直し癒合剤を塗る |
ナツメの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ナツメの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はナツメの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。