葉の色で今の状態を読む
かぼすは葉が一年中付いている常緑樹なので、葉の色が木の状態をそのまま映します。濃い緑で艶があれば足りており、黄色みが出たら肥料か水か寒さのどれかが原因です。まず葉のどこから黄色くなるかを見て、原因を判断します。
常緑とはいえ、古い葉は春の新芽が出るころに少しずつ落ちて入れ替わります。3月から4月に下のほうの古い葉が黄色くなって落ちるのは正常な入れ替わりなので、慌てて肥料を足す必要はありません。
| 葉の見た目 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 古い葉から全体に黄色くなる | 窒素の不足 | 6月か10月の施肥を予定より早く与える |
| 若い葉の葉脈だけ緑で残る | 鉄やマグネシウムの不足、土のアルカリ化 | 苦土石灰は止め、微量要素入りの肥料を足す |
| 葉が内側に丸まって垂れる | 水切れ | 鉢は底から流れるまで、地植えは10リットル以上 |
| 冬に全体が薄い緑になる | 寒さで根が働いていない | 春まで待ち、水を控えめにする |
施肥は3月・6月・10月の年3回
かぼすは実をつけながら次の枝も伸ばすので、肥料を切らすと翌年の花が減ります。春の芽出し前、実が太る初夏、収穫後のお礼肥(実を採ったあとに木を回復させる肥料)の3回に分けて与えます。一度に多く与えると根を傷めるので、回数で補う考え方です。
| 時期 | 肥料の種類と量 | 目的 |
|---|---|---|
| 3月上旬 | 有機質の配合肥料を成木で500グラム、鉢は規定量 | 芽出しと開花のための肥料 |
| 6月中旬 | 化成肥料を成木で200グラム、鉢は規定量の半分 | 実の太りと夏枝の充実 |
| 10月中旬 | 有機質の配合肥料を成木で300グラム | 収穫で消耗した木の回復と冬越し |
地植えは幹から50センチ離した円周に沿ってまき、軽く土と混ぜます。幹のすぐ近くには根が少なく、効きません。
鉢植えの水やり
鉢植えのかぼすが枯れる原因のほとんどは水の過不足です。表面の土が乾いて白っぽくなったら鉢底から流れ出るまでたっぷり与え、受け皿の水は捨てます。夏は朝夕2回、冬は週に1回程度と、季節で回数を大きく変えます。
- 指で土の湿りを確かめる
- 土の表面に指を第一関節まで差し込み、湿り気を感じなければ与えます。毎日決まった時刻に与える習慣は根腐れのもとです。
- 夏は鉢の温度も下げる
- 7月から8月は朝に1回たっぷり与え、夕方に葉がしおれていれば2回目を与えます。鉢が直射日光で熱くなるなら、鉢を二重にするか日陰に置きます。
- 冬は控えめにする
- 12月から2月は根が動かないので、土が乾いて3日ほどたってから暖かい日中に与えます。夕方に与えると夜の冷え込みで根が傷みます。
地植えの水やり
地植えは根付いてしまえば基本的に雨まかせですが、実が太る7月から8月に2週間雨がなければ、株元に10リットル以上を与えます。この時期の乾きは実の肥大を止め、秋の落果につながります。
水を与えるときは、幹のすぐ近くではなく枝先の真下あたりにゆっくり注ぎます。細い根は枝の広がりと同じくらいの範囲に伸びているので、そこに届かせることが目的です。ホースで一気にまくより、じょうろでゆっくり与えるほうが土にしみ込みます。
| 時期 | 水やりの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 植えて1年目 | 晴れが5日続いたら10リットル | 根が浅いので乾きやすい |
| 7月〜8月 | 雨が2週間なければたっぷり | 実の肥大期で最も水が要る |
| 9月〜10月 | 基本は不要 | 収穫前の過湿は香りを落とす |
| 11月〜2月 | 不要 | 冬に与えると根が冷える |
マルチングと株元の管理
株元にわらやバークチップを5センチほど敷くと、夏の乾きと冬の冷えを同時に和らげます。ただし幹に密着させると湿気でかいよう病や根元の腐れを招くので、幹の周り10センチは空けます。
- 5月に敷く
- 梅雨前の5月に、幹から10センチ離して直径1メートルの円にわらかバークチップを敷きます。厚さは5センチが目安です。
- 冬前に足す
- 11月に薄くなった分を足し、寒冷地では厚さを10センチにします。春に古い分を取り除き、土に混ぜ込みます。
実がつかないときの原因を切り分ける
花は咲くのに実がつかない、実がついてもすぐ落ちるときは、木の年数か肥料か水のどれかが原因です。6月の生理落果(木が自分で実を減らすこと)は正常なので、7月に残った実で判断します。
木がまだ若いうちは、花が咲かなくても失敗ではありません。3年生の苗を植えてから2年は枝を伸ばすことに専念させ、施肥と水やりを続けていれば、葉の数がそろったころに自然と花がつき始めます。
| 状態 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 植えて3年未満で花が咲かない | 若木で当然 | 施肥を続けて待つ |
| 花は多いのに7月にほぼ落ちる | 6月の肥料切れか乾き | 6月の施肥を守り、乾いたら水を与える |
| 前年に大量についた翌年に花がない | 隔年結果(年ごとに豊作と不作を繰り返す) | 豊作の年に7月に摘果して数を減らす |
| 葉が少なく実だけ多い | 葉の枚数不足 | 実1個に葉25枚を目安に摘果する |
かぼすの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
かぼすの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼすの育て方にまとめています。
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