木の年数で切る量を決める
かぼすは前年に伸びた春枝の先に花がつきます。強く切るほど実のつく枝が減るので、幼木は骨格づくり、成木は混んだ枝の間引きと、年数で目的を変えます。全体の2割以上を一度に切らないのが基本です。
切る前に木を一周して、実がついていた枝と、ついていなかった枝を見ておきます。実がついた枝の近くから出る短めの枝が来年の候補なので、その周りを空けるように切ると迷いません。
| 木の状態 | 剪定の目的 | 切る量の目安 |
|---|---|---|
| 植えて1〜2年の幼木 | 主枝を3本決める | 主枝以外の細枝だけ落とす |
| 3〜5年で実がつき始めた木 | 内側に光を入れる | 全体の1割程度 |
| 毎年20個以上つく成木 | 古枝の更新 | 全体の2割まで |
| 実がつかなくなった老木 | 枝を若返らせる | 太い枝を年1本ずつ切り戻す |
剪定は3月上旬から中旬
寒さが緩み、新芽がふくらむ直前の3月上旬から中旬が適期です。落葉果樹のように真冬に切ると、切り口から寒さが入って枝が枯れ込みます。開花後や夏に切ると翌年の花芽を落とすので、春以外は徒長(枝が勢いよく上に伸び過ぎること)した無駄枝を抜く程度にとどめます。
- 枯れ枝と病枝を先に落とす
- 葉が付いていない枯れ枝、かいよう病の斑点が出た枝、カイガラムシがびっしり付いた枝を根元から切ります。この段階で切りくずは畑に残さず処分します。
- 内向きと交差する枝を抜く
- 幹に向かって伸びる枝、ほかの枝と交差してこすれる枝を付け根から切ります。木の内側に手を入れて、手のひらが枝に当たらない程度の空間を作るのが目安です。
- 上に強く伸びた徒長枝を切る
- 去年の夏に1メートル近く垂直に伸びた枝は花がつきにくく、栄養を取るだけです。付け根から切るか、横向きの芽の上で3分の1に切り詰めます。
- 残す枝には触らない
- 長さ20センチから30センチで、やや斜め上に伸びた去年の春枝が実のつく枝です。この枝の先端は切らずに残します。
切り口が直径2センチを超えるときは癒合剤を塗ります。柑橘は切り口が乾くと幹の内部まで枯れ込みやすいです。
トゲの扱い方
かぼすは若い枝ほど長く鋭いトゲを出し、収穫のときに手や実を傷つけます。トゲで実に付いた傷はかいよう病の入り口になるので、剪定と同時に落とします。トゲを取っても木の生育には影響しません。
- 収穫する高さのトゲを優先する
- 手が届く高さ、実がつく枝の周りのトゲから剪定ばさみの先で付け根から切ります。高い位置のトゲは無理に取らなくてかまいません。
- 新梢のトゲは柔らかいうちに
- 5月から6月に伸びた新しい枝のトゲはまだ柔らかく、指の腹で横に倒すだけで取れます。硬くなる前に済ませると作業が楽です。
- 厚手の手袋を使う
- 革の手袋か、手のひらにゴムが貼られた作業手袋を使います。軍手はトゲが貫通するので向きません。
台木の芽と株元の枝
接ぎ口より下から出る枝はカラタチの台木の芽で、放っておくとかぼすの枝を圧倒します。葉が3枚一組で、トゲが平たく長ければ台木です。見つけしだい根元からかき取ります。
| 見た目 | 正体 | 対処 |
|---|---|---|
| 葉が3枚一組で小さい | カラタチの台木の芽 | 根元からえぐるように取る |
| 接ぎ口より上の細枝 | かぼすのひこばえ | 混むなら間引く |
| 地面から40センチ以下の横枝 | 低すぎる枝 | 実が地面につくので落とす |
夏の枝の整理
夏に伸びる夏枝と秋枝は翌年の花がつきにくく、エカキムシの餌にもなります。7月から9月に伸びた勢いの強い枝は、伸び始めのうちに付け根から取ると翌年の実が安定します。ただし葉の数が減り過ぎないよう、木全体の葉が実1個あたり25枚以上残っているかを目安にします。
- 夏枝は伸び始めで判断する
- 7月に10センチほど伸びた若い枝のうち、まっすぐ上を向くものだけ付け根から折ります。横や斜めに伸びるものは残します。
- 内側の日陰枝を抜く
- 8月に木の内側を見て、葉が黄ばんで細い枝があれば付け根で切ります。日が当たらない枝は翌年も実をつけません。
切ったあとうまくいかないときの手当て
剪定した翌年に実が減った、切り口から枝が枯れ込んだときは、切った時期か量に原因があります。木は数年で回復するので、慌てて再度切らないことが大切です。
枯れ込みが進んだ枝は、3月に緑の部分まで切り戻して癒合剤を塗ります。花が減った年は施肥と水やりを丁寧にして枝を充実させ、翌年の3月は間引きだけにとどめると、2年目には実が戻ってきます。
| 症状 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 翌年の花が極端に減った | 春枝の先端を切り詰めた | 翌春は間引きだけにして枝先を残す |
| 切り口から下へ枯れ込む | 冬に切った、または癒合剤なし | 枯れ部分の5センチ下で切り直し塗布する |
| 徒長枝ばかり伸びる | 一度に強く切り過ぎた | 夏に徒長枝を付け根から抜き、翌春は軽く |
| 木の内側に実がつかない | 外側の枝が混んで日陰 | 外周の枝を間引いて光を入れる |
かぼすの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
かぼすの収穫までのコツは作物ページに
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