年間の流れを表で見る
かぼすは常緑なので落葉果樹のような休眠期がなく、冬も葉を守る作業があります。作業の山は3月と、実が太る7月から8月、そして収穫の9月から10月です。表を先に見て、今月やることを確かめます。
表の月は関東平野部の露地を基準にしています。鉢植えは冬に室内へ取り込むぶん動き出しが早く、地植えの幼木は防寒の手間が増えます。自分の育て方に合わせて、前後2週間の幅で読み替えてください。
| 月 | 主な作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 寒風よけの確認 | 寒冷紗がめくれていないか見る |
| 2月 | 鉢の水は控えめ | 土が乾いて3日後の日中に与える |
| 3月 | 剪定・施肥・植え付け | 新芽がふくらむ直前に済ませる |
| 4月 | 新芽の観察・アブラムシ | 新芽が縮れたら早めに払う |
| 5月 | 開花・マルチング | 白い花が咲く。摘花は不要 |
| 6月 | 施肥・生理落果 | 小さな実が落ちるのは正常 |
| 7月 | 摘果・水やり・エカキムシ | 実1個に葉25枚を目安 |
| 8月 | 水やり・早い青切り | 3センチを超えたら採れる |
| 9月 | 収穫の本番 | 香りが最も強い |
| 10月 | 収穫・お礼肥 | 採り終えたら施肥 |
| 11月 | 防寒の準備 | 幼木は幹を巻く |
| 12月 | 鉢を軒下へ | 霜が降りる前に移す |
1月から3月の作業
冬は葉を寒風から守ることが最優先です。寒さで葉が落ちても春に芽吹きますが、葉が減ると3月の芽出しが遅れて花が減ります。3月に入ったら剪定、施肥、植え付けと作業が集中します。
- 1月に寒風よけを見回る
- 寒冷紗や不織布がめくれていないか、鉢が北風の通り道になっていないかを確かめます。葉が丸まって裏返るなら寒さの合図です。
- 2月にカイガラムシを落とす
- 枝や葉の裏に付いた白や茶色の粒を、古い歯ブラシでこすり落とします。数が多ければ冬に使える果樹用の油の薬を散布します。
- 3月上旬に剪定と施肥
- 混んだ枝を間引き、幹から50センチ離して有機質の配合肥料をまきます。新苗の植え付けも同じ時期に行います。
4月から6月の作業
新芽が伸び、5月に白い小さな花が咲きます。花の数は多く、かぼすは自然に実を落として数を調整するので摘花は不要です。6月の施肥を忘れると、7月に落ちる実が増えます。
| 月 | 作業 | 見るところ |
|---|---|---|
| 4月 | アブラムシの確認 | 新芽が縮れていたら手で払う |
| 5月 | 開花、マルチング | 受粉樹は不要、蜂に任せる |
| 6月中旬 | 施肥 | 実が小豆大になったころ |
| 6月下旬 | 生理落果の観察 | 落ちた実を拾って処分する |
7月から8月の作業
実が太る一番大切な時期で、水と摘果(実の数を減らして残りを大きくすること)が中心です。エカキムシの被害も夏枝に集中します。8月下旬には3センチを超えた実から青切りで採り始められます。
- 7月上旬に摘果する
- 生理落果が終わってから、葉25枚に実1個を目安に、小さい実や傷のある実を落とします。1か所に3個以上ついていれば1個に減らします。
- 乾いたら水を与える
- 鉢は朝夕、地植えは2週間雨がなければ10リットル以上を与えます。乾きが続くと実の太りが止まります。
- 夏枝のエカキムシを見る
- 新しい葉に白い筋が描かれていたら、その葉を摘み取ります。夏枝そのものを付け根から取ってもかまいません。
9月から12月の作業
9月から10月は収穫の本番で、青いうちに採るほど香りが立ちます。採り終えたらすぐお礼肥を与え、11月には幼木の防寒、12月には鉢の取り込みと、冬支度に移ります。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 9月 | 青切り収穫 | 直径4センチ前後の濃い緑 |
| 10月中旬 | 収穫の終わりとお礼肥 | 黄色くなる前に採り切る |
| 11月 | 幼木の防寒 | 幹にわらを巻き、株元に敷く |
| 12月 | 鉢を軒下や室内へ | 最低気温が0度を下回る前 |
地域で前後する幅
表は関東平野部の露地を基準にしています。暖地では作業が2週間ほど早く、寒冷地では春の作業が遅れ、冬の防寒が厚くなります。花の時期と収穫時期は木の様子を見て決めるのが確かです。
| 地域 | 剪定と施肥の開始 | 収穫の中心 |
|---|---|---|
| 暖地 | 2月下旬 | 8月下旬〜9月 |
| 関東平野部 | 3月上旬〜中旬 | 9月〜10月上旬 |
| 寒冷地(鉢植え) | 3月下旬 | 9月中旬〜10月 |
やり損ねた月の立て直し方
作業を1つ飛ばしても、かぼすは丈夫な木なので翌年で取り返せます。慌てて時期外れの剪定や大量の肥料で補おうとすると、かえって木を弱らせます。
いちばん取り返しがきかないのは冬の防寒不足で、葉を落とすと翌年の花が大きく減ります。逆に剪定や摘果は1年飛ばしても木が自分で調整するので、翌年の3月に落ち着いてやり直せば問題ありません。
| やり損ねた作業 | 起きること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 3月の剪定 | 枝が混んで内側に実がつかない | 夏に徒長枝だけ抜き、翌3月に間引く |
| 6月の施肥 | 7月に実が多く落ちる | 気づいた時点で液体肥料を2週間おきに2回 |
| 7月の摘果 | 実が小さく翌年の花が減る | 8月中に小さい実を落とし、青切りを早める |
| 10月のお礼肥 | 冬に葉が黄ばむ | 11月上旬までなら与える。それ以降は3月まで待つ |
かぼすの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
かぼすの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼすの育て方にまとめています。
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