まず住んでいる地域で植え方を決める
かぼすはゆずより寒さにやや弱く、冬の最低気温がマイナス5度を下回る土地では地植えの幼木が枝先から枯れ込みます。関東平野部の露地なら地植えできますが、北風の当たる場所は避けます。迷ったら鉢植えで始めて、3年ほど様子を見てから地植えに移す判断でもかまいません。
かぼすは大分県が主産地で、暖かく雨の多い土地で育ってきた木です。関東でも日だまりなら十分育ちますが、寒さの限界を先に確かめてから植え方を決めると、植え直しの手間を省けます。
| 地域・場所 | 植え方の目安 | 冬の備え |
|---|---|---|
| 暖地・関東平野部の日だまり | 地植えでよい | 幼木のうちは株元にわらを敷く |
| 関東の北風が当たる庭 | 地植えなら南側の壁ぎわ | 12月から2月は寒冷紗で幹を巻く |
| 冬にマイナス5度を下回る地域 | 鉢植えにする | 軒下か玄関内に取り込む |
| ベランダ | 8号から10号の鉢 | コンクリートから鉢を浮かせる |
寒さの限界は根が張った成木ほど高く、若い木ほど低いです。同じ庭でも植えて3年目までは守り方を厚くします。
苗は接ぎ木の2年生を選ぶ
園芸店に並ぶかぼすの苗はカラタチに接いだ接ぎ木苗が中心で、これなら植えて3年から4年で実がつき始めます。種から育てた実生苗は実がつくまで十年近くかかり、トゲも強く出るので家庭では選びません。
- 接ぎ口を確かめる
- 根元から10センチほどの位置にこぶ状の接ぎ口があり、そこから上の幹が太くまっすぐ伸びている苗を選びます。接ぎ口がぐらつくものは避けます。
- 葉の色と枚数を見る
- 葉が濃い緑で、落葉していない苗が健全です。葉が黄色く縮れている、葉の裏に白い綿のような虫が付いているものは店頭で見送ります。
- 根鉢の状態を触って確かめる
- ポットの底から白い根がのぞいている程度が良い状態です。黒く変色した根や、ポットが軽くて土が乾き切っている苗は根が傷んでいる可能性があります。
植え付けは3月中旬から4月
柑橘は落葉樹と違って冬に植えると根が動かずに枯れやすいため、寒さが緩んで新芽が動き出す直前の3月中旬から4月上旬が適期です。秋植えは根付く前に冬が来るので、関東では避けます。
| 時期 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 3月中旬〜4月上旬 | 最適 | 根が動き始める直前で活着が早い |
| 5月〜6月 | 可能 | 鉢苗なら根を崩さずに植えられる |
| 7月〜8月 | 避ける | 暑さと乾きで根が傷む |
| 10月〜2月 | 避ける | 根付く前に寒さで枝先が枯れる |
地植えの手順
水はけが良く、日が一日中当たる場所を選びます。かぼすは根が浅く広がるので、植え穴は深さより幅を優先します。建物の南側で北風を壁がさえぎる場所なら、冬の葉傷みも少なく済みます。隣の木や塀から2メートル以上離すと、成木になっても枝がぶつかりません。
- 穴を掘る
- 直径50センチ、深さ40センチほど掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ1杯と緩効性の肥料をひと握り混ぜて戻します。粘土質なら軽石を加えて水はけを作ります。
- 接ぎ口を土の上に出す
- 根鉢は軽くほぐし、接ぎ口が地面より5センチ上に出る高さに据えます。深く植えるとカラタチの台木から芽が出て、かぼすの枝が負けます。
- 水ぎめして支柱を立てる
- 土を半分戻したらバケツ2杯の水を注ぎ、泥をゆすって根の隙間を埋めます。残りの土を戻し、風で揺れないように1.5メートルの支柱に結びます。
植えた年は花が咲いても摘み取ります。実をつけると木が大きくならず、2年目以降の収量が減ります。
鉢植えの用土と鉢の大きさ
鉢植えは根の量で木の大きさが決まるので、最初から大きな鉢に植えずに段階的に上げます。用土は市販の果樹用か、赤玉土小粒7に腐葉土3を混ぜたものを使い、鉢底には軽石を敷きます。
鉢植えは2年に一度、3月に一回り大きな鉢へ植え替えます。根鉢の外側を3センチほどほぐし、黒く傷んだ根を切ってから新しい用土で植え直します。鉢を大きくしたくないときは、根を4分の1ほど切り詰めて同じ鉢に戻す方法もあります。
| 鉢の大きさ | 木の姿の目安 | 植え替えの時期 |
|---|---|---|
| 7号〜8号 | 購入した2年生苗 | 植えた翌春に1号大きく |
| 9号〜10号 | 高さ1メートル前後 | 2年に1度、3月に根を3分の1切る |
| 12号以上 | 実を毎年20個以上つける成木 | 3年に1度、表土の入れ替えでもよい |
根付かないときの原因を切り分ける
植えて1か月たっても新芽が動かない、葉が次々と落ちるときは、原因が水か寒さか植え方かで対処が変わります。葉が落ちても枝が緑色で弾力があるなら、まだ立て直せます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が丸まって垂れる | 水不足か根の乾き | 株元に穴を掘って湿り気を確かめ、乾いていれば10リットル与える |
| 葉が黄色くなって落ちる | 水のやり過ぎか深植え | 土を乾かし、接ぎ口が埋まっていれば掘り上げて植え直す |
| 枝先だけ茶色く枯れる | 植え付け後の遅霜 | 枯れた部分を切り戻し、寒冷紗で覆う |
| 台木から強い枝が出る | 接ぎ口が土に埋もれた | 台木の芽は根元からすべてかき取る |
かぼすの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
かぼすの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼすの育て方にまとめています。
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