見た目から原因を探す
かぼすの被害は葉に出るものと実に出るものに分かれ、見た目でほぼ原因を特定できます。表で症状から当たりをつけてから、それぞれの節を読みます。
かぼすはゆずと同じ香酸柑橘で、病害虫の顔ぶれもほぼ同じです。皮ごと使う実なので、収穫が近い時期は薬に頼らず、手で取る、枝を切るといった物理的な対策を主にすると安心して使えます。
| 症状 | 原因 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 葉が食われて丸坊主に近い | アゲハの幼虫 | 捕殺 |
| 新しい葉に白い曲がった筋 | エカキムシ | 被害葉を摘む |
| 枝や葉裏に白や茶の粒、葉がべたつく | カイガラムシ | こすり落とし |
| 葉や実に周りが黄色い茶色の斑点 | かいよう病 | 被害部を除去、傷を減らす |
| 実の表面が灰色で粉をふく | すす病(カイガラムシの排せつ物にかび) | 元のカイガラムシを退治 |
| 新芽が縮れて黒い虫 | アブラムシ | 払い落とし |
アゲハの幼虫
4月から10月、アゲハチョウが柑橘の若い葉に卵を産み、幼虫が葉を食べ尽くします。幼木は数匹で葉がなくなるので、見つけ次第の捕殺が確実です。若い幼虫は鳥のふんに似た黒白のまだらで、大きくなると緑色になります。
- 週に1度、新芽を見る
- 新芽の先と葉の裏に、黄色い直径1ミリの卵や黒白の小さな幼虫がいないか見ます。食べ跡があれば近くに必ずいます。
- 見つけたら割り箸で取る
- 幼虫は葉ごと取るか割り箸でつまんで処分します。大きな緑の幼虫は臭いのある角を出しますが、害はありません。
- 幼木は防虫網で覆う
- 植えて2年までの木は、5月から9月に目の細かい防虫網をかけると産卵を防げます。網は枝に触れないように支柱で浮かせます。
エカキムシ(ミカンハモグリガ)
夏枝と秋枝の若い葉に、白く曲がりくねった筋が描かれます。中にいるのは小さな蛾の幼虫で、被害葉は縮れて光合成が落ち、傷からかいよう病も入ります。春枝はほぼ被害を受けないので、夏枝を減らすことが一番の対策です。
被害を受けた葉は元には戻りませんが、枝を切る必要はありません。筋の付いた葉をそのままにすると内側の幼虫が成虫になり次の世代が増えるので、葉ごと摘んで袋に入れて処分します。
| 場面 | 対策 | 目安 |
|---|---|---|
| 7月に夏枝が伸び始めた | 上向きの夏枝を付け根から取る | 10センチ以内のうちに |
| 筋が数枚だけ | 被害葉を摘んで処分 | 週1回の見回り |
| 幼木で葉の半分以上に筋 | 野菜・果樹用の殺虫剤を新葉に散布 | 新芽が伸びる時期に |
カイガラムシとすす病
枝や葉の裏に白い綿状や茶色の小さな殻が付き、吸汁して木を弱らせます。排せつ物に黒いかびが生えるすす病を招き、実が黒く汚れて見た目も悪くなります。殻をかぶった成虫には薬が効きにくいので、冬にこすり落とすのが基本です。
- 冬にこすり落とす
- 12月から2月に、古い歯ブラシや軍手で枝をこすって落とします。実の収穫が終わった後なら気兼ねなく作業できます。
- 5月から6月の幼虫を狙う
- 殻をかぶる前の幼虫が歩き回る時期に、果樹用の殺虫剤を散布すると効きます。葉の裏まで濡らします。
- 混んだ枝を間引く
- カイガラムシは風通しの悪い内側の枝に集まります。3月の剪定で内側を空けると発生が減ります。
かいよう病
葉や実、枝に周りが黄色く中心が盛り上がった茶色の斑点ができる細菌の病気で、風雨で広がります。トゲやエカキムシの傷、強風で葉がこすれた傷から入るので、傷を減らすことが予防になります。かぼすはゆずほど強くありませんが、雨の多い年には出ます。
| 状態 | 手当て | 予防 |
|---|---|---|
| 葉に数か所の斑点 | 被害葉を摘んで処分 | トゲを落とし風よけを作る |
| 実に斑点が広がる | 被害果を早めに採って処分 | 梅雨前に銅を含む果樹用の殺菌剤 |
| 枝にまで斑点 | 3月の剪定で被害枝を切る | 台風の前後に風よけ |
斑点のある実も果汁は使えますが、皮ごと使う料理には向きません。
寒害と葉の落ち方の見分け
冬に葉が黄色くなって落ちるときは、病気ではなく寒さのことが多いです。枝が緑で弾力があれば春に芽吹くので、切らずに待ちます。枝の先まで茶色く乾いていれば枯れ込みなので、3月に緑の部分まで切り戻します。
- 枝を曲げて確かめる
- 枝先を指で軽く曲げ、しなって戻れば生きています。ぽきりと折れて中が茶色なら枯れています。
- 切り戻しは3月まで待つ
- 冬のうちに枯れ枝を切ると、切り口からさらに枯れ込みます。3月上旬に緑の部分より5センチ下で切ります。
失敗しやすい対処と直し方
薬で一気に片付けようとして木を傷めるのが、かぼすで多い失敗です。香酸柑橘は皮ごと使うことが多く、収穫前の散布は避けたいので、冬と初夏の物理的な対策を主にします。
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 夏の暑い日中に薬を散布 | 葉が焼けて落ちる | 散布は朝夕の涼しい時間に |
| 収穫直前に殺虫剤 | 皮に薬が残る | 8月以降は散布せず捕殺で |
| アゲハを放置した幼木 | 葉がなくなり生育が2年遅れる | 秋まで防虫網をかけ、施肥で回復 |
| カイガラムシを春に薬だけで | 殻の成虫が残り再発 | 冬のこすり落としを必ず組み合わせる |
かぼすの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼすの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。