主茎とわき芽の関係
カイランはまず中心に一本の太い茎が立ち、その先につぼみが付きます。これを切ると、下の葉の付け根からわき芽(茎の途中から出る枝)が三本から五本伸びてきて、それぞれにまたつぼみが付きます。
つまり主茎の収穫は終わりではなく、二回目以降の始まりです。切る位置と追肥のしかたで、わき芽の数も太さも変わります。うまく続けば一株から十本以上の茎が採れます。
| 時期 | 採るもの | 太さの目安 |
|---|---|---|
| 1回目 | 中心の主茎 | 親指ほどの太さ |
| 2回目以降 | わき芽の茎 | 小指から親指ほど |
| 終わりごろ | 細いわき芽 | 鉛筆ほど。株を片づける |
主茎を切る位置で数が決まる
主茎を切るとき、地際で切ると株が終わってしまいます。下の葉を四枚から五枚残した位置で切ると、その葉の付け根からわき芽が出ます。残す葉が多いほど、そのあとの伸びも良くなります。
切る高さの目安は、地面から十センチから十五センチほどです。切り口は斜めにすると水がたまらず、腐りにくくなります。晴れた日の午前に切ると、切り口がその日のうちに乾きます。
- 下葉を四枚から五枚残す
- 地面から十センチから十五センチの位置で切ります。残した葉の付け根からわき芽が伸びてきます。
- 斜めに切る
- 切り口を斜めにすると水がたまりません。まっすぐ切ると切り口に水が残って腐ることがあります。
- 晴れた日の午前に切る
- 切り口が早く乾く晴れた日の午前に作業します。雨の日に切ると切り口から傷むことがあります。
- 切ったらすぐ追肥する
- 株の周りに化成肥料をひとつまみ半施して土と混ぜます。わき芽の伸びがはっきり変わります。
主茎を採るのは、つぼみが固く締まっているうちです。花が咲き始めてから切ると、わき芽の勢いも落ちます。
わき芽を数に絞って太らせる
わき芽は五本以上出ることがありますが、全部伸ばすとそれぞれが細くなります。太い茎を採りたいなら、勢いの良いもの三本から四本を残し、残りは付け根から早めにかき取ります。
細くても本数がほしい場合は、そのまま全部伸ばしても構いません。炒め物に使うなら細い茎でも十分おいしく食べられるので、使い方に合わせて決めます。
- 伸び始めに数を決める
- わき芽が五センチほどになった段階で、残す本数を決めます。遅れると株が力を分散させます。
- 細いものを付け根から取る
- 残さない芽は付け根から指で横に倒すようにかき取ります。ちぎると茎が裂けて傷みます。
- 三本から四本を残す
- 太い茎がほしいなら三本から四本にします。本数を優先するならそのまま全部伸ばします。
わき芽の収穫を繰り返す
わき芽は主茎より早く育ち、二週間から三週間でつぼみが付きます。茎の長さが十五センチほどになり、つぼみが固いうちに切ります。ここでも下の葉を二枚残すと、さらに次の芽が出ます。
これを繰り返すと、秋まきなら十月下旬から十二月まで、一株から採り続けられます。採るたびに追肥を足すのが、細くならずに続けるこつです。
- つぼみが固いうちに切る
- つぼみが緩んで黄色が見え始める前に切ります。花が咲くと味が落ちて筋が強くなります。
- 葉を二枚残して切る
- わき芽の付け根から数えて二枚目の葉の上で切ります。そこからさらに次の芽が出てきます。
- 三週間おきに追肥する
- 採り続ける間は追肥を欠かさないようにします。切らすと次に出る芽が細く短くなります。
- 細くなったら片づける
- 出てくる芽が鉛筆より細くなったら株の終わりです。抜いて外へ出し、次の作に備えます。
花を咲かせないことが続けるこつ
カイランは花が咲くと、株の力が種を作る方向に切り替わります。一本でも咲かせてしまうと、そのあとのわき芽の伸びが目に見えて落ちます。咲きそうなつぼみは食べなくても切り落とします。
気温が上がる春まきでは、つぼみが緩むのが早くなります。四日から五日おきに株を見て、つぼみの締まり具合を確かめる習慣にすると、咲かせずに済みます。
- 4日から5日おきに見る
- つぼみの締まり具合を確かめます。緩んで黄色が見え始めたら、その日のうちに切ります。
- 咲きそうなら食べなくても切る
- 使う予定がなくても切り落としてしまいます。咲かせると株全体の勢いが落ちてしまいます。
- 暖かい時期は間隔を詰める
- 春や暖かい秋は三日おきに見るようにします。気温が高いほど、つぼみが緩むのが早くなります。
わき芽が出ないときの直し方
切ったのに芽が出ない、出ても細い、途中で止まる。わき芽まわりの困りごとは、切る位置と肥料と気温のどれかが原因です。一つずつ確かめれば、次の株からすぐ取り返せます。
- 切ったのに芽が出ない
- 地際で切りすぎています。次からは葉を四枚から五枚残して切ります。追肥を一回足して待ちます。
- わき芽が細い
- 肥料切れか本数が多すぎます。追肥を一回足し、細い芽を付け根からかき取って数を絞ります。
- 芽が出る前に花が咲いた
- 主茎を採るのが遅れました。咲いた茎を切り戻し、追肥をして次の芽が出るのを待ちます。
- 冬に芽が止まった
- 気温が低すぎます。不織布かトンネルで保温すると、ゆっくりではありますが伸び続けます。
カイランのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
カイランの収穫までのコツは作物ページに
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