水やりは夏の乾燥に注意する
地植えの柿は根が深く伸び、根付いたあとの水やりはほぼ不要です。ただし七月〜八月に雨が二週間降らないと、実が肥大せず落果が増えます。鉢植えは土が限られるので、春から秋は表面が乾いたら鉢底から流れるまで、夏は毎日与えます。
乾いているかどうかは、株元の覆いをめくって土を握って確かめます。握って固まらずさらさらなら乾きすぎ、指に土が付くほど湿っていればまだ水は要りません。柿は葉がしおれるまで乾燥のサインを出さないので、土で判断する習慣を付けます。
| 時期 | 地植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 植えた年は週1回。以降は不要 | 表面が乾いたら。2〜3日に1回 |
| 6月〜8月 | 2週間雨がなければ株元にたっぷり | 毎日朝。猛暑は夕方も確かめる |
| 9月〜10月 | 実の肥大期。10日晴れたら与える | 2日に1回。実が色づいたら少し控える |
| 11月〜2月 | 不要 | 4〜5日に1回、暖かい午前中に |
実が色づく十月以降に水が多いと甘さが薄まります。鉢は色づいてから収穫までやや乾かし気味にします。
肥料は年三回、時期を守る
柿の肥料は冬の寒肥、夏の追肥(育ちの途中で足す肥料)、収穫後のお礼肥の三回が基本です。窒素が多いと枝ばかり伸びて落果が増えるので、量は控えめにします。若木のうちは寒肥だけでもよく、実がなり始めてから三回に増やします。
- 寒肥(十二月〜一月)
- 枝先の真下に深さ二十センチの穴を四〜五か所掘り、腐葉土と油かす、緩効性化成肥料を混ぜて埋めます。一年の基本になる肥料です。
- 追肥(六月下旬〜七月上旬)
- 生理落果が終わったころ、実の肥大を助けるために化成肥料を株元から少し離してまきます。量は寒肥の半分ほどです。
- お礼肥(十月下旬〜十一月)
- 収穫後に化成肥料を少量まき、実を付けて消耗した木を回復させます。翌年の花芽を充実させる大切な肥料です。
- 鉢植えは置き肥
- 鉢は三月と九月に緩効性の置き肥を鉢の縁に置きます。液体肥料なら生育期に月二回ほどです。
肥料の量は木の大きさで変えます。高さ二メートルほどの木で寒肥は油かす二〜三握りが目安です。
株元の草と覆いの管理
柿の根は表層にも広がるので、株元の雑草は水と養分を奪います。株元一メートルの範囲は草を抜き、腐葉土やわらで覆っておくと乾燥も防げます。ただし覆いを幹に密着させると幹の根元が蒸れるので、幹の周りは五センチ空けます。
- 春に草を抜いて覆う
- 四月に株元の草を抜き、腐葉土かわらを五センチほど敷きます。夏の乾燥を和らげ、落果を減らせます。
- 秋に覆いを新しくする
- 収穫後、古い覆いは病気の菌が残っていることがあります。落ち葉と一緒に片付け、新しい覆いに替えます。
わらは軽くて扱いやすいですが、風で飛びます。上に腐葉土を少しかぶせるか、端を土で押さえておきます。
生理落果と落果を減らす手当て
柿は六月下旬〜七月に小さな実を自然に落とします。これは木が実の数を調節する生理落果で、心配は要りません。ただし八月以降の落果は乾燥、日照不足、肥料の与えすぎ、虫害が原因で、手当てで減らせます。
| 時期 | 落果の原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 6月下旬〜7月 | 生理落果(正常) | 何もしない。終わってから摘果する |
| 7月〜8月 | 乾燥、窒素過多 | 株元にたっぷり水。夏の肥料を控える |
| 8月〜9月 | カキノヘタムシガの食害 | 落ちた実のへたを見る。穴があれば虫害 |
| 9月〜10月 | 台風、実のなりすぎ | 枝を支え、実を減らしておく |
落ちた実は放置せず拾って処分します。中に虫がいると翌年の発生源になります。
受粉で落果を減らす
完全甘柿は受粉しなくても実がなりますが、種が入ったほうが実が落ちにくく大きくなります。近くに雄花を付ける品種がなければ、五月の開花期に雄花の枝をもらってきて木に吊るすか、筆で花粉を付けます。
- 雄花を見分ける
- 雄花は雌花より小さく、三〜五個がかたまって咲きます。禅寺丸や西村早生によく付きます。
- 枝を吊るす
- 雄花の付いた枝を水を入れたペットボトルに差し、木の中ほどに吊るします。虫が花粉を運びます。
- 筆で受粉する
- 鉢植えなら雄花を摘み、柔らかい筆で花粉を雌花の中心に付けます。晴れた午前中が向いています。
雄花が付かない年もあります。落果が気にならなければ受粉樹は必須ではなく、完全甘柿一本でも十分に収穫できます。
葉の色と枝の伸びで不調を見分ける
柿は丈夫で不調が出にくい木ですが、水と肥料の偏りは葉と枝に出ます。春の枝の伸び方と、夏の葉の色で判断し、原因を切り分けて手当てします。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 春の枝が1メートル以上伸びる | 窒素肥料の与えすぎ | 翌年の寒肥を減らし、追肥を止める |
| 葉が小さく枝が伸びない | 養分不足、根の傷み | 寒肥を入れ、株元を覆う。鉢は植え替え |
| 夏に葉が黄色く落ちる | 水切れ、根詰まり | 水やりを増やす。鉢は一回り大きく |
| 葉の縁が茶色く枯れる | 肥料の与えすぎ、塩害 | 水をたっぷりやって肥料分を流す |
柿の育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
柿の上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は柿の育て方にまとめています。
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