花芽は枝の先端に付く
柿の花芽は前年に伸びた枝の先端から二〜三芽に付きます。つまり枝先を切り詰めると花芽がなくなり、その枝には実がなりません。剪定の基本は、切るなら枝を根元から抜くか、実をならせない枝だけ切り詰めることです。まず枝を手に取り、先端の芽が丸くふくらんでいるかを見て、切ってよい枝を決めます。
| 枝の姿 | 花芽の有無 | 扱い |
|---|---|---|
| 先端が丸くふくらむ充実した枝 | あり | 先を切らずに残す。実をならせる |
| 長さ1メートル超の徒長枝 | 少ない | 根元から抜くか、来年の枝作りに3分の1に切る |
| 細く短い枝 | 少ない | 混んでいれば根元から抜く |
| 前年に実をならせた枝 | 少ない | 先を切り詰めて新しい枝を出させる |
冬の剪定は間引きが中心
冬剪定は落葉後の十二月〜二月に行います。柿の剪定は切り詰めより間引きが主体で、混み合った枝、内側へ向かう枝、下向きの枝を根元から抜いて、木の内側まで日が入るようにします。全体の二〜三割を抜く程度にとどめ、一度に強く切りません。
- 枯れ枝と混み枝を抜く
- 枯れた枝、交差する枝、真上に伸びる枝を根元から切ります。切ったあと木の中を見上げて空が見えるくらいが目安です。
- 結果母枝を選ぶ
- 実をならせる枝(結果母枝)は、長さ二十〜四十センチで太さが鉛筆ほどの充実した枝です。三十センチ間隔で残し、先端は切りません。
- 実をならせた枝を切り戻す
- 前年に実がなった枝は先端が弱っています。根元から二〜三芽残して切り、そこから翌年の結果母枝を出させます。
- 太い枝は癒合剤
- 直径二センチ以上の枝を切ったら、切り口に癒合剤を塗ります。柿は切り口から枯れ込みやすい木です。
高い木は花後の六月に混み枝を抜く軽い剪定を加えると、冬の作業が減り、日当たりもよくなります。
樹形は低く開いた形に仕立てる
柿は放任すると十メートルを超え、収穫も剪定も脚立が要る木になります。若木のうちに主枝(骨格になる太い枝)を三本に絞り、高さ二・五〜三メートルで頂点を止める開心自然形が家庭向きです。植えて三〜四年で骨格を作り、その後は間引きで維持します。
- 一年目、幹を切り詰める
- 植え付け時に五十〜六十センチで切った幹から、春に数本の枝が出ます。方向のよい三本を残し、ほかは根元から取ります。
- 二〜三年目、主枝を伸ばす
- 残した三本を主枝として斜め上に伸ばします。冬に先端を三分の一切り詰め、太らせながら枝分かれを作ります。
- 四年目以降、高さを止める
- 主枝が目標の高さに達したら、それ以上伸びる枝は根元から抜きます。以降は結果母枝の更新と間引きで維持します。
夏の摘蕾と摘果で実を絞る
柿は実を付けすぎると翌年花芽ができず、隔年結果(なる年とならない年を繰り返すこと)に陥ります。五月の蕾の段階で一枝一〜二個に減らし、六月下旬〜七月の生理落果(木が自然に実を落とす現象)が終わったら、葉二十〜二十五枚に実一個の割合まで摘果します。
| 時期 | 作業 | 残す目安 |
|---|---|---|
| 5月中旬〜下旬 | 摘蕾(蕾を摘む) | 一枝に上向きの蕾1〜2個。下向きと小さい蕾を取る |
| 6月下旬〜7月上旬 | 生理落果を待つ | 自然に落ちる。この間は摘果しない |
| 7月中旬〜下旬 | 摘果 | 葉20〜25枚に実1個。傷や変形、上向きの実を取る |
| 8月以降 | 見直し | 混み合う実を再度減らす。台風前に多すぎる実を落とす |
摘果をためらうと実が小さく甘さも乗りません。富有で一本の木に百個以上残すと、翌年はほとんど実がなりません。
枝が折れる、実が多すぎるときの支え
柿の枝は粘りがなく、実の重みや台風でぽきりと折れます。実が大きくなる九月以降、枝が垂れてきたら支柱で下から支えるか、上から吊ります。折れた枝は実ごと失うだけでなく、幹まで裂けることがあります。
- 垂れた枝を支える
- 先が二股の支柱を枝の中ほどにあて、麻布を挟んで枝を傷めないようにします。地面に深く刺して動かないようにします。
- 幹から吊る
- 主枝の上に長い支柱を立て、そこからひもで枝を吊ります。複数の枝をまとめて支えられます。
- 台風前に実を減らす
- 台風の進路に入ったら、傷のある実や小さい実を落として枝を軽くします。折れて失うより確実です。
切りすぎ・なりすぎで実が付かないときの立て直し
柿の「実がならない」には二つの原因があります。冬に枝先を切り詰めて花芽を落とした場合と、前年に実をならせすぎた場合です。枝先の芽と前年の収穫量を思い出せば切り分けられ、翌年の手当てが決まります。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 冬に枝先を切り詰めた | 翌冬は間引きだけにし、充実した枝の先を残す |
| 前年は大豊作、今年ゼロ | 実のならせすぎ。隔年結果 | 豊作の年に摘果を徹底。翌年は少なくても摘果する |
| 枝ばかり伸びて咲かない | 強い剪定と肥料の与えすぎ | 剪定を軽くし、窒素肥料を減らす |
| 木の内側に実がならない | 枝が混んで日が入らない | 冬に内向きの枝を抜き、夏に軽く透かす |
柿の剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
柿の上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は柿の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。