収穫の時期は色と硬さで判断する
柿は木で熟すので、へたの周りまで全体がオレンジ色に色づいたら収穫します。へたの近くに緑が残っていればまだ早く、待つほど甘くなります。ただし待ちすぎると柔らかくなり鳥に狙われるので、硬さも指で確かめて決めます。
| 品種 | 収穫の目安 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 次郎 | 10月下旬〜11月上旬 | へた周りまで濃い橙色。四角い形がはっきりする |
| 富有 | 11月上旬〜中旬 | 全体が赤みのある橙色。押すとわずかに弾力 |
| 太秋 | 10月中旬〜下旬 | 皮に条紋(黒い筋)が出たら甘い証拠 |
| 平核無(渋柿) | 10月中旬〜下旬 | 橙色になれば収穫。渋抜きか干し柿へ |
| 蜂屋(渋柿) | 11月上旬 | 干し柿用は少し硬いうちに |
霜が降りると実が傷みます。天気予報で初霜が出たら、色づきが少し足りなくても収穫します。
収穫の手順とへたの扱い
柿はへたが付いたまま収穫します。へたを傷めると日持ちが悪くなり、干し柿では吊るせなくなります。ハサミで枝ごと切り取り、あとで枝を短く整えます。手でもぐと枝が裂けたり、へたが取れたりします。
- 枝ごと切る
- 実の付いた枝を、実から一〜二センチ上でハサミを入れます。干し柿にするなら枝をT字に残して切ると吊るしやすいです。
- 枝を整える
- 収穫後に枝をへたの際まで切り詰めます。長く残すと箱の中でほかの実を傷付け、そこから傷みが広がります。
- 午前中に収穫する
- 気温の低い午前中に収穫すると実が締まり、日持ちします。雨のあとは実が水を含むので一日待ちます。
- 傷んだ実を分ける
- 虫の穴や斑点のある実は分けて早めに食べます。健全な実と一緒に置くと傷みが移ります。
甘柿の保存方法
甘柿は収穫後も熟し続け、常温で数日から一週間で柔らかくなります。長く硬さを保つには、へたを湿らせて冷蔵庫に入れる方法が有効で、二〜三週間は歯ごたえが残ります。柔らかくなった実は冷凍してシャーベットにできます。
| 状態 | 保存方法 | 持つ期間 |
|---|---|---|
| 硬いまま食べたい | 湿らせたキッチンペーパーをへたに当て、へたを下にして袋に入れ野菜室へ | 2〜3週間 |
| 熟すのを待ちたい | 常温で新聞紙に包んで置く | 3〜7日で柔らかくなる |
| 柔らかくなりすぎた | 皮ごと冷凍。半解凍で食べる | 1〜2か月 |
| 大量にある | ジャムやピューレにして冷凍 | 2〜3か月 |
へたが実の水分の出口です。へたを湿らせておくと水分が抜けず、硬さが保てます。
渋柿の渋抜き
渋柿は渋の元であるタンニンが口の中で溶けるために渋く感じます。アルコールや炭酸ガスでこれを溶けない形に変えるのが渋抜きです。家庭では焼酎を使う方法が簡単で、一週間ほどで甘柿と変わらない甘さになります。
- 焼酎をへたに付ける
- アルコール度数三十五度前後の焼酎を小皿に入れ、実のへたを一つずつ浸します。皮に付いても構いません。
- 袋に密閉する
- 焼酎を付けた実をポリ袋に入れて空気を抜き、口を固く縛ります。二十度前後の室内に置きます。
- 五〜七日で確かめる
- 五日目に一つ取り出して端を少しかじり、渋が残っていればさらに二〜三日置きます。抜けたら袋から出して冷蔵します。
- リンゴと一緒に置く方法
- 焼酎がなければリンゴ一個を柿五〜十個と袋に入れ、密閉して一〜二週間置きます。リンゴの出すガスで渋が抜けます。
渋が抜けた実は日持ちが短く、一週間ほどで柔らかくなります。食べる分ずつ渋抜きするのが無駄がありません。
干し柿の作り方
渋柿を皮をむいて干すと、渋が抜けて甘い干し柿になります。気温が十度以下になる十一月以降に始め、雨に当てず風通しのよい軒下で二〜四週間干します。暖かい時期に始めるとカビが生えて失敗するので、寒くなってから作ります。
- 枝をT字に残して収穫
- へたの上の枝をT字に残して切ると、ひもで結んで吊るせます。枝がなければへたに竹串を刺してもよいです。
- 皮をむいて熱湯に通す
- 皮をへたの周りまできれいにむき、沸騰した湯に十秒ほどくぐらせます。表面を殺菌してカビを防ぎ、干し上がりの色もよくなります。
- 軒下に吊るす
- 実どうしが触れないよう間隔を空けてひもに結び、雨の当たらない風通しのよい軒下に吊るします。
- 一週間後から揉む
- 表面が乾いたら二〜三日おきに指で軽く揉みます。中の渋が均一に抜け、柔らかい仕上がりになります。
- 二〜四週間で取り込む
- 好みの硬さになったら取り込みます。柔らかめなら二週間、白い粉をふかせるなら四週間以上干します。
渋が抜けない、干し柿にカビが出たときの原因
収穫後の失敗は温度と湿度が原因のことが多く、一度分かれば翌年は避けられます。同じ「渋い」でも収穫が早かったのか、渋抜きの条件が悪かったのかで対応が変わるので、症状から原因を切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 渋抜きしても渋い | アルコールが弱い、温度が低い | 度数の高い焼酎を使い、20度前後の室内で日数を延ばす |
| 渋抜き後すぐ柔らかい | 熟しすぎの実を使った | 硬めの実で渋抜きし、食べる分ずつ作る |
| 干し柿に緑や黒のカビ | 気温が高い、雨に当たった | 10度以下になってから始め、雨の日は室内へ。カビた実は捨てる |
| 干し柿が硬すぎる | 干しすぎ、揉まなかった | 干す日数を減らし、一週間後から揉む |
| 甘柿が渋い | 収穫が早い、秋が涼しい | へた周りまで色づくのを待つ。渋抜きの方法で対応 |
完全甘柿でも、木が若い、秋が寒い、日当たりが悪いといった条件で渋が残ることがあります。その年は渋抜きすれば食べられます。
柿の収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
柿の上手に育てるコツは作物ページに
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