科: カキノキ科属: Diospyros
栽培カレンダー
関東地方の目安です。地域と品種で前後します。実際の日付は記録に残しましょう。
柿を詳しく知る
項目ごとに 1 ページで掘り下げています。いま知りたいところから読んでください。
記録しておきたいタイミング
植えた日と甘柿・渋柿の別
渋柿なら渋抜きが必要です。品種と、甘柿か渋柿かを必ず残します。
剪定した日
落葉後の冬に、混み合った枝と徒長枝を切ります。柿は前年枝の先端に実がつくので切りすぎに注意します。
摘果した日
1 枝に 1〜2 果まで減らすと隔年結果を防げます。摘果した年と翌年の実つきを比べます。
収穫と渋抜きの日
収穫日と、渋抜きの方法・かかった日数を残すと、翌年に同じ手順を再現できます。
上手に育てるコツ
柿を育てるうえで、うまくいくかどうかを分ける勘所です。暦や病害虫の前に、ここだけ押さえておくと結果が変わります。
収穫はヘタを残して二度切る
枝ごと切ってからヘタの際で切り直すと、ヘタが平らに残ります。ヘタが欠けた実は日持ちが悪く、干し柿として吊るすこともできません。
枝先を切らずに花芽を残す
花芽は前年に伸びた枝の先端付近に付きます。枝先を一律に刈ると花芽ごと落とすので、混み枝と徒長枝を付け根から抜く形で整えます。
立ち枝は横へ倒して誘引する
上向きの枝は勢いが強く、葉ばかり茂ります。水平に近づけて紐で引くと養分が花芽へ回り、手の届く高さに実が付くようになります。
主枝を3本に絞って低く仕立てる
放任すると高くなり、収穫にも消毒にも脚立が要ります。低い位置で3本に分け、中心を開けた形にすると光が内部まで届きます。
苗は接ぎ木の2年生を選ぶ
種から育てた柿はほぼ渋柿になり、実が付くまで7〜8年かかります。接ぎ木苗なら品種の性質を受け継ぎ、3〜4年で初なりが望めます。
柿の栽培をはじめるのに用意するもの
木は植え直しが利きません。植える日にそろえておきたいのは次の 4 つです。作業ごとに要るものは、各解説のページにまとめています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここで手を抜くと何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では支えきれません。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。
木を育てるかぎり毎年使います。切れ味の落ちないものを 1 丁選ぶと、何年も持ちます。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg を冬のうちに。
木の肥料は年に 1〜2 回で足ります。冬に入れて春に効かせるのが基本です。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。
- 鉢で育てるなら 180cm の添え木は要りません。鉢に合う短い支柱で足ります。
柿の病害虫(49)
症状・予防・対処が分かっているものを、重要度の高い順に並べています。「一般的な内容」と付いているものは、この作物にかぎった記述がまだ無く、病害虫そのものの説明を出しています。
イラガ類
主要害虫
時期 夏(7〜9月)出る場所 葉出やすい条件 夏の高温期
症状 若齢幼虫が葉裏に並んで葉を薄く食べ、葉が白くかすれます。成長すると分散します。触ると激しく痛みます。
予防 葉裏を見回り、幼虫が並んでいる葉を見つけたら葉ごと切り取ります。
対処 **素手で触らないこと。** 幼虫が並んでいるうちに葉ごと切って処分するのが安全で確実です。
柿の木でよく見る「刺す毛虫」です。刺されると数時間痛みが続きます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): イラガ科
うどんこ病
主要病気
時期 初夏〜秋(6〜9月)出る場所 葉出やすい条件 乾燥と枝の混み合い
症状 葉の裏に白い粉状のカビが生え、表から見ると黒っぽい斑に見えます。落葉が早まります。
予防 剪定で樹の内側に光と風を入れます。込み合った樹ほど出ます。
対処 発病葉を取り除きます。落葉が早いと翌年の花芽に響くので、ひどければ薬剤散布を検討します。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Blumeria graminis f. sp. hordei、Blumeria graminis f. sp. secalis、Blumeria graminis f. sp. tritici ほか59
カメムシ類
主要害虫
時期 夏(7〜9月)出る場所 果実出やすい条件 周囲に杉・檜の林があるとき。カメムシの当たり年
症状 果実に針で刺した跡ができ、その周りがへこんで変色します。刺された実は落果します。
予防 果実に袋をかけるのが最も確実です。周囲の草刈りで隠れ場所を減らします。
対処 見つけたら捕殺します。当たり年は数が多いので、袋かけを前倒しで行います。
カメムシの多い年は果樹全般が被害を受けます。ニュースの発生予察を見ておくと備えられます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): カメムシ科
シンクイムシ類
主要害虫
時期 初夏・盛夏(6月、8月)出る場所 果実(へたの下)出やすい条件 年 2 回の発生期
症状 へたの下から幼虫が実に食い入り、まだ青い実が赤く色づいて落ちます。へたを外すと食入穴があります。
予防 冬に粗皮削り(幹のはがれた皮を削る)を行うと、越冬している幼虫を減らせます。袋かけも有効です。
対処 落ちた実は必ず拾って処分します。中に幼虫がいるので、放置すると翌年に持ち越します。
「青いのに赤くなって落ちる実」はほぼこれ。柿では カキノヘタムシガ を指します。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ナシヒメシンクイ
炭疽病
主要病気
時期 梅雨〜夏(6〜8月)出る場所 果実・枝出やすい条件 雨が続くとき。前年の被害枝を残したとき
症状 果実に黒くくぼんだ円い病斑ができ、湿ると中央にサーモンピンクの粘り気のある塊が出ます。落果します。枝には黒い病斑ができます。
予防 前年の被害枝が翌年の胞子源になります。冬の剪定で黒く変色した枝を必ず切り落とすのが最大の予防です。
対処 被害果と被害枝を取り除き、畑の外へ出します。雨の多い年は袋かけが効きます。
柿の落果でいちばん多い原因です。冬の剪定でどれだけ枝を片付けたかで決まります。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Colletotrichum Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum acutatum、Colletotrichum aenigma ほか66
落果病
主要病気
時期 梅雨〜夏(6〜8月)出る場所 果実・へた出やすい条件 雨が続くとき
症状 へたの周りが黒く変色し、まだ小さい実がぽろぽろ落ちます。
予防 冬の剪定で被害枝を片付け、袋かけで雨を避けます。
対処 落ちた実は必ず拾って処分します。木の下に残すと翌年の発生源になります。
「実が落ちる」の相談は、落果病か生理落果(自然な間引き)かの見分けが要ります。へたが黒ければ病気です。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Botrytis diospyri
カイガラムシ類
よくある害虫
時期 春〜夏(5〜8月)出る場所 枝・幹出やすい条件 込み合った樹
症状 枝に白や褐色の殻がつき、すす病を伴います。
予防 剪定で風を通します。
対処 冬にこすり落とすか、休眠期のマシン油乳剤が効きます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): カイガラムシ上科
黒星病
よくある病気
時期 春〜初夏(4〜6月)出る場所 葉・果実・枝出やすい条件 雨が続くとき
症状 葉や果実に黒い小さな斑点ができます。
予防 冬の剪定で被害枝を片付けます。
対処 発病部を取り除きます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Alternaria bataticola、Cercospora corchori、Cladosporium carpophilum ほか10
縮葉病
よくある病気
時期 春(4〜5月)出る場所 新葉出やすい条件 低温多湿の春
症状 新葉が縮れて厚くなり、変色します。
予防 芽が動く前の予防が要ります。
対処 発病葉を取り除きます。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Physalospora kaki、Taphrina bullata、Taphrina deformans ほか1
すす病
よくある病気
時期 夏〜秋(7〜10月)出る場所 葉・果実出やすい条件 カイガラムシ・アブラムシが多いとき
症状 葉や果実の表面が黒いすすで覆われます。
予防 原因の虫を減らすことが唯一の予防です。剪定で風を通します。
対処 虫を退治すれば新しい葉には出ません。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Aithaloderma clavatisporum、Apiosporium mali、Appendiculella calostroma ほか38
疫病
病気一般的な内容
症状 葉に暗緑色の水浸状病斑ができ、急速に拡大して褐色に枯れる。葉裏や病斑周縁に白いかびを生じ、茎や果実にも黒褐色の病斑が広がる。
予防 健全な種いも・苗を使い、排水と通風を確保する。雨よけ栽培や敷きわらで泥はねを防ぎ、ナス科の連作を避ける。
対処 発病株は速やかに抜き取り、圃場外で処分する。降雨前に登録のある殺菌剤を予防散布するのが基本で、発生後の回復は難しい。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Phytophthora asparagi、Phytophthora cactorum、Phytophthora cambivora ほか26
黒点病
病気一般的な内容
症状 果実や葉に黒褐色の微小な点が散在し、涙斑状や砂粒状に密集することもある。多発すると果面がざらつき、外観価値が大きく下がる。
予防 枯れ枝が主な伝染源なので、剪定で枯枝を徹底的に取り除いて園外へ処分する。樹冠内の通風と日当たりを確保する。
対処 発生後の果実は治らないため、翌年の枯枝処理を優先する。梅雨期の降雨前に登録のある殺菌剤を散布して感染を防ぐ。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Aspergillus niger、Diaporthe citri、Diaporthe phaseolorum var. sojae ほか8
根頭がんしゅ病
病気一般的な内容
症状 地際や根に不整形のこぶができ、しだいに木質化して大きくなる。養水分の通りが妨げられ、生育が衰えて枯死することもある。
予防 こぶのない健全苗を選び、植え付け時に根を傷めない。土壌の排水を保ち、支柱や除草作業で地際を傷つけないようにする。
対処 小さなこぶは削り取って傷口を保護するが、重症株は抜き取り処分する。跡地は数年同じ樹種を植えず、使った刃物を消毒する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): 根頭がんしゅ病菌、Rhizobium radiobacter、Rhizobium rhizogenes ほか2
ネコブセンチュウ
害虫一般的な内容
症状 日中に株が萎れ、施肥や潅水をしても回復しない。抜き取ると根に大小の こぶ が数珠状に付き、細根が乏しい。
予防 同じ科の連作を避け、対抗植物のマリーゴールドや緑肥を輪作に入れる。抵抗性台木の接ぎ木苗を使うのも有効だ。
対処 被害株は根ごと抜き取り圃場外へ持ち出す。夏季は透明マルチによる太陽熱消毒で土壌中の密度を下げる。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ネコブセンチュウ属、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ ほか5
灰色かび病
病気一般的な内容
症状 花や果実、葉に水浸状の褐色病斑ができ、表面に灰色のふわふわしたかびを密生する。果実は軟腐して落果し、収穫後も貯蔵中に腐敗が進む。
予防 咲き終わった花弁や枯れ葉をこまめに取り除き、湿気のこもらない株間を保つ。雨よけと換気で結露を減らすと効果が高い。
対処 発病部位は胞子を飛ばさないよう静かに袋へ入れて処分する。多湿期には登録のある殺菌剤を予防散布し、耐性菌回避のため系統を替える。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Botryotinia fuckeliana、Botrytis cinerea、Botrytis galanthina ほか2
斑点病
病気一般的な内容
症状 下葉から褐色〜灰白色の小さな円形病斑が現れ、中央が灰色になって黒い小粒点を伴う。病斑が増えると葉が黄化して早期に落葉する。
予防 被害残さを畑に残さず処分し、種子伝染を避けるため健全な種子を用いる。泥はねを防ぎ、連作を避けて風通しを確保する。
対処 発病葉は摘除して持ち出す。多雨期には登録のある殺菌剤を予防的に散布し、下葉から順に薬液がかかるようにする。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Acroconidiella tropaeoli、Alternaria azukiae、Alternaria dianthi ほか80
記録されている病名(33)
農研機構の日本植物病名データベースに、この作物で報告のある病名です。症状の記述はこれからです。
よくあるトラブル
実が豊作の翌年にほとんどつかない
隔年結果です。実をつけすぎると翌年の花芽ができません。摘果で毎年の負担を平準化します。
実が途中で落ちる
生理落果か、ヘタムシ (カキノヘタムシガ) の食害です。落ちた実にヘタが付いていれば虫を疑います。
実が黒く汚れる
炭疽病です。落葉と落果を片付けて越冬源を減らします。
甘柿なのに渋い
日照不足や未熟です。甘柿でも気候によっては渋が残ります。十分に色づくまで待ちます。
品種一覧(36)
Gadenin の作物マスタに登録されている柿の品種です。アプリで Plant を登録するときに候補として出てきます。
あ6
か7
さ4
た6
な1
は5
ま2
や2
ら1
わ1
その他1
柿の動画ランキング
柿を扱う園芸 YouTube を、再生数の伸びで毎日集計しています。育て方を動画で確かめたいときに。
この作物でよく出る用語
本文に出てくる言葉の意味は、園芸用語集で短く説明しています。
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