雌花と雄花を見分ける
五月上旬から中旬、白い花が咲きます。雌花には中央に白い放射状のめしべが十本以上あり、周りに黄色いおしべもありますがその花粉には受精する力がありません。雄花はめしべがなく、黄色いおしべだけが密に立っています。
| 見た目 | 雌花 | 雄花 |
|---|---|---|
| 中央 | 白い糸状のめしべが放射状に出る | めしべがなく中央まで黄色 |
| 大きさ | 直径4〜5センチとやや大きい | 3〜4センチとやや小さい |
| 咲き方 | 一節に一つが基本 | 房状に数個まとまる |
| 花の寿命 | 5〜7日 | 2〜3日で花粉が落ちる |
雌花のめしべは開花二日目までが白く、三日目から先端が茶色に変わります。白いうちに花粉を付けるのが目安です。
人工授粉が要るかどうかの判断
雄株が近くにあり、開花が重なっていて、晴れて虫が飛ぶ日が続けば自然に受粉します。ただし雌雄の開花がずれたとき、雨続きのとき、鉢植えで雄が離れているときは実が小さくなったり落ちたりします。実の大きさを安定させたいなら、雄株があっても人工授粉をしておくと確実です。
雄株がない場合でも、近所や知人の雄花をもらって付ければ実はなります。雄花を摘んだら乾いた紙に包み、冷蔵庫で二日から三日は使えます。もらった花粉で受粉した実の味や大きさは、自分の雄株で付けたものと変わりません。
- 雄花を朝のうちに摘む
- 咲いたばかりで花粉が黄色く乾いている雄花を朝に摘みます。雨に濡れた花粉は使えないので、晴れた日の午前中に集めます。
- 雌花のめしべに直接なすりつける
- 雄花の花びらをむいて花粉のついたおしべをむき出しにし、雌花の白いめしべに軽くなすりつけます。雄花一つで雌花五から十個に付けられます。
- 開花から三日以内に済ませる
- 雌花は咲いてから三日目までが受精しやすい時期です。めしべの先が茶色くなり始めた花は遅いので、毎日咲いた花を確かめて順に付けます。
- 付けた花に目印をつける
- 受粉した花の枝に色付きのひもや洗濯ばさみを付けておくと、翌朝どの花が未受粉か一目で分かります。開花が十日続くので、目印なしだと付け忘れと二度付けが混ざります。
雄花が足りないときは市販の花粉を使う方法もあります。冷凍保存した花粉は翌年も使えますが、発芽力は落ちるので多めに付けます。
開花がずれたときの対策
雌の品種によって開花が早いものと遅いものがあり、雄との開花が一週間以上ずれると花粉が間に合いません。早咲きの雄と遅咲きの雄を一本ずつ持つか、先に咲いた雄花を摘んで冷蔵庫で数日保存して使います。
雄株を二本持てないときは、遅咲きの雌品種に合わせて雄を選ぶのが確実です。早咲きの雄花は冷蔵で待たせられますが、遅咲きの雄花を早めることはできないからです。
| 場面 | 対処 | 目安 |
|---|---|---|
| 雄が先に咲き終わる | 雄花を摘んで乾燥させ冷蔵保存 | 紙に広げて一日陰干し、密閉容器で一週間 |
| 雌が先に咲く | 市販の花粉を用意しておく | 開花一週間前に手配 |
| 雨が続く | 雨の切れ間に人工授粉 | 花粉が乾いていれば午後でも可 |
冷蔵した花粉は使う前に一時間ほど室温に戻します。冷たいまま付けると湿気を吸って固まり、めしべにうまく広がりません。
受粉後の摘果
受粉がうまくいくと一つの節に二つ三つの実がつきます。全部残すと小さな実ばかりになるので、六月中に摘果して一枝あたりの数を絞ります。葉五枚から六枚に実一つが目安で、変形した実や小さい実から外します。
- 扁平な実と小さい実から外す
- 受粉が不十分な実は扁平で小さいままです。同じ節に複数ついていたら、丸くふくらんだ一つを残してほかを指で摘み取ります。
- 一枝に三から五個に絞る
- 十五節ほど残した枝なら実は三個から五個が目安です。実どうしが触れ合わない間隔にすると、日が当たり糖度が上がります。
- 実の下に葉があるか見る
- 実の付いた節より先に葉が五枚以上残っているかを確かめます。葉が足りない枝は実を一つに減らし、余った勢いを翌年の枝作りに回します。
摘果した実は小さくても食べられませんが、堆肥にはなります。棚の下に落としたままにすると軟腐病の菌が増えるので拾って処分します。
実が小さい・落ちるときの原因
受粉が足りない実は種が少なく、小さいまま七月ごろに落ちます。切ってみて黒い種がまばらなら受粉不足です。種は多いのに小さいときは摘果不足か水不足で、翌年は摘果を早め、夏の水やりを増やします。
| 症状 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 扁平で種が少ない | 受粉不足 | 人工授粉を毎日行う。雄花を確保 |
| 丸いが小さい | 実の数が多すぎ・水不足 | 六月中に摘果。夏は朝夕に水 |
| 六月に実が黄色くなって落ちる | 受粉できず生理落果 | 開花のずれを直す。花粉の保存 |
| 片側だけふくらむ | 花粉のむらつき | めしべ全体に花粉をなすりつける |
落ちた実を切って種の数を見る習慣をつけると、受粉の成否がその年のうちに分かり、翌年の雄花の数や花粉の手配を決められます。
キウイの受粉に使うもの
1 本では実らない木があります。自分の木がそれに当たるなら、道具の前に相手の品種が要ります。
- 授粉用の毛ばたき探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたき。梵天と呼ばれる授粉専用のものもあります。
花から花へ軽く触れて回ります。強くこすると花が傷むので、撫でる程度で十分です。
- 授粉用の花粉探す言葉「授粉用 花粉 果樹」
- 規格の目安
- 品種の合う花粉。石松子(増量材)と混ぜて使うものが多いです。
受粉樹を植える場所がないときの代わりです。品種の組み合わせが合わないと実らないので、そこを先に確かめます。
- 綿棒・小筆探す言葉「綿棒 授粉 園芸」
- 規格の目安
- 普通の綿棒か、細い筆。
花の数が少ないときは、1 輪ずつ確実に付けられます。品種を変えるときは新しいものに替えます。
- 1 本で実る品種なら、受粉の道具は要りません。まず自分の品種を確かめます。
- 受粉樹を近くに植えられるなら、人工授粉そのものが要らなくなります。
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