症状から見分ける
キウイは病害虫が比較的少ない果樹ですが、いくつかは放置すると木を枯らします。まず葉、枝、実のどこに何が出ているかを表で見分けてから対処します。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 春に枝から赤茶色の液がにじむ | かいよう病 | 枝を切って焼却、道具を消毒 |
| 葉に褐色の斑点、周りが黄色 | かいよう病・葉枯れ | 落ち葉を集めて処分 |
| 枝に白や茶色の小さな貝殻状の粒 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 収穫後の実が水っぽく腐る | 果実軟腐病 | 傷んだ実を分けて保管 |
| 葉が縁から茶色く巻く | 乾燥・日焼け | 水やりと敷きわら |
| 幹の地際がかじられる | ネズミ・野うさぎ | 幹に防護ネット |
症状を見つけたら、まず葉と枝と実のどこに出ているかを書き留めます。かいよう病は枝、カイガラムシは枝と葉裏、軟腐病は実に出るので、場所だけで大半を切り分けられます。
かいよう病は早春に見つける
かいよう病は細菌が枝や幹に入る病気で、キウイで最も警戒すべき病気です。二月から四月の芽吹き前後に枝の切り口や芽の周りから赤茶色から白色の液がにじみ、葉には黄色い縁取りのある褐色の斑点が出ます。感染した枝は元へ戻らないので、見つけたら切り取ります。
菌は雨と風で広がり、剪定ばさみでも運ばれます。剪定は乾いた日に行い、はさみは株ごとに消毒します。冬の剪定後に切り口へ癒合剤を塗るのも予防になります。
気温が上がる五月以降は菌の活動が弱まり、症状の広がりも止まります。春に見つけた株は、夏を越して秋にもう一度幹を見回り、新しい病斑がなければひとまず落ち着いたと判断できます。
- 早春に幹と枝を見回る
- 二月から四月、晴れた日に幹や枝の分かれ目、芽の周りを見て、液がにじんでいたり赤く変色した部分がないか確かめます。
- 感染枝は健全部まで切り戻す
- 変色した部分から三十センチ以上下の健全な位置で切り、切り口に癒合剤を塗ります。切った枝は畑に置かずに処分します。
- 道具を消毒する
- はさみやのこぎりは株を変えるたびに消毒用アルコールか薄めた漂白剤で刃を拭きます。感染枝を切った後は特に念入りにして、同じ道具で健全な株を切らないようにします。
幹に広がって全体が枯れ込んだ株は回復しません。周りの株を守るために抜き取ります。
カイガラムシは冬に落とす
枝や幹に白や褐色の小さな粒が並んでいたらカイガラムシです。樹液を吸って枝を弱らせ、排せつ物にすす病がついて葉が黒くなります。成虫は殻に守られて薬が効きにくいので、冬に物理的に落とすのが確実です。
- 冬に歯ブラシでこすり落とす
- 落葉後、枝を一本ずつ見ながら古い歯ブラシでこすり落とします。棚の枝の上面だけでなく裏側にもついています。
- 幼虫が出る六月に薬を使う
- 幼虫は殻を持たず薬が効きます。五月下旬から六月に果樹用の殺虫剤を葉裏と枝にかけます。
- 混んだ枝を透かす
- 風通しが悪いと増えます。冬剪定で枝の間隔を三十センチ以上あけると発生が減ります。
すす病で黒くなった葉は、カイガラムシを落とせば新しい葉から元に戻ります。黒い葉そのものを薬でどうにかする必要はありません。
果実軟腐病と収穫後の腐り
収穫した実を追熟中に、一部が水っぽくへこんで腐るのが果実軟腐病です。菌は木の上で実に入り込んでいて、収穫後に発症します。木の上では見つけられないので、落ち葉や枯れ枝を残さないこと、傷のある実を分けて保管することで被害を抑えます。
| 状態 | 対処 | 予防 |
|---|---|---|
| 追熟中に一部が水っぽくへこむ | その実を取り除く | 収穫時に傷のある実を分ける |
| へたの周りから腐る | 早めに食べる | 収穫は実をねじらず持ち上げて外す |
| 袋の中で次々に腐る | 袋を分けて風を通す | 一袋に入れる数を減らす |
収穫した実を一晩風通しのよい日陰に広げてから箱に詰めると、表面の水分が抜けて軟腐病の広がりが減ります。
病気ではないトラブルの見分け
病気と間違えやすいのが、乾燥による葉の縁枯れ、日焼けによる実の変色、受粉不足による生理落果です。どれも菌や虫が原因ではないので薬は効きません。葉が縁から茶色く巻くのは水不足、実の日の当たる面だけ茶色く硬いのは日焼け、六月から七月に小さな実が黄色くなって落ちるのは受粉不足です。
- 斑点の形を見る
- 縁から一様に茶色くなるのは乾燥、丸い斑点が散らばるのは病気です。斑点の周りに黄色い輪があればかいよう病を疑います。
- 落ちた実を切ってみる
- 落ちた実を切って種が少なくまばらなら受粉不足です。翌年は人工授粉を毎日行います。
- 土の湿り具合を触って確かめる
- 葉がしおれているのに土が湿っていれば根の障害、乾いていれば水不足です。手当てが逆なので必ず触って判断します。
薬をかける前に、症状が出ている場所を写真に残しておくと、一週間後に広がっているか止まっているかを比べられます。広がっていなければ病気ではないことが多いです。
キウイの収穫までのコツは作物ページに
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