一年の流れを表で確かめる
キウイは春から秋まで手が止まりません。特に五月の受粉と六月の摘果は数日の遅れで実の大きさが変わります。月ごとの作業を先に把握して、カレンダーに落としておきます。
| 月 | 作業 | 目安・注意 |
|---|---|---|
| 1月 | 冬剪定、寒肥 | 一年枝を10〜15節で止める。株元に堆肥を一輪車一杯 |
| 2月 | 剪定の仕上げ、植え付け | 中旬までに終える。樹液が動く前 |
| 3月 | 芽吹き、誘引 | 新芽の出方を見て残す枝を確認 |
| 4月 | 新梢の整理 | 一節に一芽、混んだ芽をかき取る |
| 5月 | 開花、人工授粉 | 上旬〜中旬。晴れた午前に雄花を摘む |
| 6月 | 摘果、摘心、追肥 | 葉5〜6枚に実一つ。実の先7節で止める |
| 7月 | つる整理、水やり | 乾いたら株元へたっぷり。敷きわら |
| 8月 | 水やり、日焼け防止 | 朝夕の水。西日が強ければ遮光 |
| 9月 | 秋肥、つる整理 | 少量の肥料で実を太らせる |
| 10月 | 収穫の準備 | 糖度計か種の色で熟度を確かめる |
| 11月 | 収穫、追熟 | 霜の前に。リンゴと袋で追熟 |
| 12月 | 落葉、剪定の準備 | 落葉後に棚の枝配りを見る |
表の時期は関東平野部の露地が基準です。寒冷地は剪定と収穫を二週間ほど早め、暖地は開花が一週間ほど早まります。
冬(十二月から二月)の作業
落葉したら枝の配りが見えるので、剪定はこの時期に集中します。同時に株元から少し離した位置に溝を掘り、堆肥と油かすを入れる寒肥を施します。根が浅く広いので、幹のすぐそばではなく枝先の真下あたりに入れると効きます。
- 寒肥は枝先の下に入れる
- 幹から一メートルほど離れた位置に深さ二十センチの溝を掘り、堆肥バケツ二杯と油かすふた握りを入れて埋め戻します。
- 棚のひもを結び直す
- 太った枝にひもが食い込んでいないか確かめ、古いひもは外して新しい麻ひもでゆるく結び直します。
寒肥の量は成木で堆肥バケツ二杯が目安です。若木は半分にし、油かすは根に触れないよう堆肥と混ぜてから入れます。
春から初夏(三月から六月)の作業
三月に芽が動き、四月には一節から複数の芽が出ます。ここで芽かき(余分な芽を早いうちにかき取る作業)をして一節に一芽にします。五月の開花と六月の摘果は数日単位で判断するので、毎朝棚の下を見る習慣をつけます。
- 四月に芽を減らす
- 一節から二つ三つ出た芽は勢いのよい一つを残してかき取ります。幹から直接出る芽も骨組みに使わないなら早めに外します。
- 五月は雄花を毎朝確かめる
- 雄花が咲いたら晴れた午前に摘み、雌花へ付けます。開花が続く一週間から十日は毎日見回ります。
- 六月中に摘果を終える
- 実が親指の先ほどの大きさになったら摘果します。葉五枚から六枚に実一つを目安に、小さい実や扁平な実から外します。七月に遅れると残した実が太りません。
夏(七月から九月)の作業
夏は水と日焼けの対策が中心です。葉が大きく蒸散が多いので、晴れが続いたら株元へバケツで水を注ぎます。棚の上の実に強い日が当たると日焼けするので、葉で覆われているかを見て、足りなければ寒冷紗をかけます。
| 状態 | 見て判断すること | 作業 |
|---|---|---|
| 葉が昼にしおれ夕方に戻る | 乾き始めのサイン | 翌朝たっぷり水やり |
| 葉が夕方も戻らない | 深い乾燥 | 株元に敷きわら、朝夕の水 |
| 実の表面が茶色く硬い | 日焼け | 寒冷紗で遮光 |
| 新梢が棚の上で絡む | つるの伸びすぎ | 実の先7節で摘心、絡んだ先を切る |
八月の水やりは早朝が基本です。日中に葉へ水をかけると水滴が日焼けの原因になり、夕方に株元へ与えると夜間の過湿で根が傷むことがあります。
秋(十月から十一月)の収穫と追熟
キウイは木の上では軟らかくなりません。十月下旬から十一月中旬、霜が降りる前に硬いまま収穫し、追熟させて食べます。目安は実を切ったときに種が黒くなっていることです。収穫後の詳しい追熟は収穫のガイドで扱います。
- 種の色で熟度を確かめる
- 一つ切って種が真っ黒なら収穫できます。まだ茶色なら一週間待って切り直します。同じ木でも日当たりで熟度が違うので、棚の内側の実で確かめます。
- 霜の前に全部収穫する
- 霜に当たった実は追熟しても軟らかくならず傷みます。天気予報で初霜が近づいたら熟度が足りなくても収穫します。
作業が遅れたときの立て直し
剪定が三月にずれ込んだら、切り口から樹液が流れますが枯れることはまれです。切る量を減らし、太い枝は切らずに来年へ回します。摘果が七月にずれたときは、小さい実をこれから外しても効果は薄いので、その年は数を取る年と割り切り、九月の肥料を少し多めにして木の体力を戻します。
| 遅れた作業 | そのまま進めるか | 戻し方 |
|---|---|---|
| 冬剪定が3月に | 細い枝だけ切る | 太い枝は翌冬に回す |
| 受粉が遅れた | 咲き残りの花にだけ付ける | 実は少ないが翌年に備える |
| 摘果が7月に | 形の悪い実だけ外す | 秋肥を多めにして樹勢を戻す |
| 収穫が霜に間に合わない | 霜の前日に全部収穫 | 追熟に時間をかける |
キウイの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
キウイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキウイの育て方にまとめています。
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