一年の仕事は春と夏に集まる
コゴミの一年は、四月の収穫、五月から九月の葉づくり、十月の片づけと敷き物、冬の休眠という流れです。仕事の中心は収穫よりも、そのあと葉を秋まで健やかに保つことにあります。
植えてから安定して穫れるようになるまで二年ほどかかります。そのかわり一度根付けば十年以上同じ場所で穫り続けられるので、最初の二年を我慢する値打ちがあります。
| 時期 | 株の様子 | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 3月 | 地中で芽が動く | 敷き物をよける |
| 4月 | 渦を巻いた芽が出る | 三分の二までを収穫 |
| 5月〜9月 | 葉を広げる | 乾かさない、日を遮る |
| 10月〜11月 | 葉が黄色く枯れる | 堆肥と落ち葉を置く |
| 12月〜2月 | 地上部がなくなる | 何もしない |
月別のやることカレンダー
関東平野の半日陰を目安にした一覧です。暖地では二週間早く、寒冷地では三週間から一か月遅くなります。山菜なので気温より、その場所の雪解けと地温で時期が決まる面があります。
毎年同じ月に同じことをするだけの単純な作業です。ただし夏の水やりだけは天気しだいなので、雨の少ない年は回数を増やします。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 3月 | 敷き物をよける、株分けと植え付け | 芽を出しやすくする |
| 4月 | 収穫、残した芽を葉に育てる | 株を弱らせずに穫る |
| 5月〜6月 | 葉を広げさせる、日よけを立てる | 翌年の芽を作らせる |
| 7月〜8月 | 乾いたら水やり、敷き物を足す | 葉を枯らさない |
| 9月 | 走出枝の伸び先を確かめる | 増えすぎを把握する |
| 10月〜11月 | 堆肥を置き落ち葉を敷く、株分け | 冬と翌春に備える |
四月の収穫は二日おきに見る
芽が地面から顔を出してから穫りごろまでは、暖かい日が続くとわずか数日です。見落とすと渦がほどけて葉になってしまうので、芽が見え始めたら二日おきに株を見て回ります。
同じ株でも芽が出る時期はそろいません。先に出た芽から順に穫り、あとから出た芽は残して葉にすると、収穫と株の力の両方が保てます。
- 芽が見えたら見回りを始める
- 地面から渦が顔を出したら、二日おきに見る習慣を付けます。数日で葉が開いてしまいます。
- 高さ十五センチで穫る
- 渦が巻いたまま十五センチから二十センチになった芽から順に折り取ります。手の幅を目安にします。
- 三分の二で手を止める
- 一株の芽の三分の二まで穫ったら、それ以上は穫りません。残りは葉として夏まで育てます。
四月に一度に全部の芽が出るわけではありません。二週間ほどかけて順に出るので、何度かに分けて穫る形になります。
五月から九月が本当の仕事
収穫が終わったあとの五か月が、翌年の収穫を決めます。葉を秋まで緑のまま保てば、株が太って芽の数が増えます。逆に夏に葉を枯らすと、翌春の芽が目に見えて減ります。
やることは乾かさないことと、午後の日を遮ることの二つだけです。落ち葉を厚く敷き、日よけを立てておけば、あとは雨の少ない時期に水をやるだけで済みます。
| 時期 | 葉の様子 | すること |
|---|---|---|
| 5月 | 葉が開いて広がる | 日よけを立てる |
| 6月〜7月 | 葉がいちばん大きい | 乾いたら水をやる |
| 8月 | 葉先が傷みやすい | 敷き物を足し午後の日を遮る |
| 9月 | 葉の色が落ち着く | 水やりを減らしていく |
十月から十一月の片づけ
葉が黄色くなってきたら、その年の役目は終わりです。完全に枯れるのを待ってから片づけます。緑が少しでも残るうちに切ると、翌年の芽を作る力を途中で断つことになります。
片づけといっても、枯れた葉をそのまま株元に敷いておけば敷き物として働きます。見た目を整えたいときだけ、株元から数センチ残して切り取ります。株の中心の固い芽を切らないように気をつけます。
- 完全に枯れてから切る
- 葉が茶色くなり切ってから、株元から数センチ残して切り取ります。緑が残るうちは切りません。
- 堆肥を置いて落ち葉を敷く
- 株の周りに完熟堆肥をひと握り置き、その上から落ち葉を五センチほど敷いて冬に備えます。
- 株分けをするならこの時期
- 混み合った株は葉が枯れたあとに掘り上げて分けます。三月上旬までの休眠中でも構いません。
予定どおりに進まないときは
同じ場所で何年も育てるので、年による違いがはっきり出ます。芽の数と出る時期のずれには、それぞれ思い当たる理由があるので、順に確かめていきます。
- 四月になっても芽が出ない
- 地温が上がっていないだけのことが多いです。二週間待ち、それでも出なければ株を掘って確かめます。
- 芽が細く数が少ない
- 前の夏に葉を枯らしたか、穫りすぎです。その年は収穫を休み、夏の乾き対策をやり直します。
- 夏に葉が茶色くなる
- 乾きか日焼けです。すぐ水をやり、午後の日を遮ります。枯れた葉は秋まで切らずに置きます。
- 株の場所が広がりすぎた
- 走出枝で増えています。休眠中に掘り上げて株を分け、増やしたくない方向には板を土に埋めます。
地域でずれる時期の目安
上の表は関東平野の半日陰を基準にしています。暖地では収穫が三月下旬から始まり、寒冷地や山間部では五月にずれ込みます。雪の多い地域では、雪が解けたころが芽出しの合図です。
同じ庭でも、日当たりと木陰で一週間は前後します。芽が出た日と収穫を終えた日を毎年記録しておくと、翌年の見回りを始める時期が決めやすくなります。
| 地域 | 芽出し | 収穫 | 夏の手当て |
|---|---|---|---|
| 暖地 | 3月中旬 | 3月下旬〜4月 | 日よけが特に要る |
| 中間地 | 3月下旬 | 4月上旬〜中旬 | 落ち葉と日よけ |
| 寒冷地 | 4月下旬 | 5月 | 夏の乾きは軽い |
コゴミの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
コゴミの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコゴミの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。