半日陰の湿った場所を選ぶ
コゴミはクサソテツという羊歯の若い芽で、山では沢沿いの湿った林の中に生えています。家庭でも同じような場所が向きます。午前中だけ日が当たり午後は日陰になる場所か、木の下の明るい日陰がちょうどよい環境です。
一日じゅう日の当たる場所では葉が焼けて、夏を越せません。逆に暗すぎると芽の数が減ります。北側の壁ぎわや落葉樹の下など、夏に涼しくなる場所を探して植えます。
| 場所 | 向き不向き | ひとこと |
|---|---|---|
| 落葉樹の下 | いちばん向く | 夏は日陰、冬は日が入る |
| 建物の北側 | 向く | 湿り気が保てる |
| 午前だけ日が当たる場所 | 向く | 午後の日ざしを遮れれば良い |
| 一日じゅう日なた | 向かない | 夏に葉が焼けて株が弱る |
植えるのは春か秋の休眠中
苗は根の付いた株の形で売られています。植えるのは、芽が動いていない三月上旬までか、葉が枯れた十月から十一月です。芽が伸び始めてから植えると、その年は葉が育たず株が弱ります。
山採りの株を持ち込むのは避けます。土地の持ち主の許可が要るうえ、山の環境から急に庭へ移すと根付かないことが多いためです。園芸店や通信販売で苗を買うほうが確実です。
- 植え穴を深く掘る
- 直径三十センチ、深さ三十センチほどの穴を掘ります。根が広く浅く張る植物なので、幅を広く取ります。
- 腐葉土を混ぜる
- 掘り上げた土に腐葉土を三割ほど混ぜ、穴に半分戻します。水持ちがよくなり、根が張りやすくなります。
- 芽を上に向けて置く
- 株の中心にある固い芽を上に向け、芽の先が土から少し出る高さに置きます。深植えは芽が出ません。
- 土をかけて水をやる
- 根の間に土が入るように少しずつ入れ、たっぷり水を与えます。株がぐらつかないよう軽く押さえます。
株間は四十センチほど取ります。走出枝(横に走る茎)で増えるので、詰めて植えると数年で足の踏み場がなくなります。
土は水持ちのよさが第一
沢沿いに生える植物なので、乾く土は苦手です。砂質で水がすぐ抜ける場所なら、腐葉土や完熟堆肥を多めに混ぜて水持ちをよくします。粘土質でじめじめした場所のほうが、むしろ向いています。
肥料はあまり要りません。植えるときに腐葉土を混ぜておけば、しばらくは足さずに済みます。強い肥料を与えると芽が伸びすぎて、山菜らしい締まりのない姿になります。
- 腐葉土を三割混ぜる
- 掘り上げた土に腐葉土を三割ほど混ぜます。乾きやすい土地ではもう少し多くしても構いません。
- 水はけを確かめる
- 植え穴に水を張って、一時間で引くかを見ます。半日たまるようなら、少し盛り上げて植えます。
- 落ち葉を敷く
- 植えたあと株の周りに落ち葉や刈った草を敷きます。土が乾きにくくなり、山の環境に近づきます。
鉢でも育てられる
庭がなくても、深さ三十センチほどの大きな鉢で育てられます。ただし鉢は乾きやすいので、夏の水やりを一日も欠かせません。乾かすと葉が茶色くなり、翌春の芽の数が減ります。
鉢なら置き場所を季節で変えられるという利点もあります。春は明るい場所、夏は日陰へ移せば、庭より条件を整えやすくなります。走出枝が鉢の外へ出ないので、増えすぎる心配もありません。
| 容器 | 株数 | 注意 |
|---|---|---|
| 直径30センチの深鉢 | 1株 | 夏は毎日水をやる |
| 幅60センチの深型 | 2株 | 株間30センチを取る |
| 浅い鉢 | 向かない | 乾きが早く夏を越せない |
植えたあと一年目の育て方
植えた年は収穫をせず、出てきた芽を全部葉に育てます。物足りなく感じますが、この一年で根を広げさせておくと、翌年から芽の数がはっきり増えます。急いで穫ると、そのあと何年も細い芽が続きます。
一年目に見るのは葉の色だけです。緑が濃く、秋まで枯れずに残っていれば順調と判断できます。夏に葉先が茶色くなるようなら、乾きか日ざしのどちらかが合っていない合図です。
- 一年目は穫らない
- 出た芽はすべて葉に育てます。数が少なくても穫らずに残すと、翌年の芽の数が倍近くになります。
- 夏に葉を見て確かめる
- 八月に葉が緑のままなら順調です。葉先が茶色いなら落ち葉を足し、午後の日を遮る手立てを加えます。
- 秋に堆肥を置く
- 葉が枯れたころ、株の周りに完熟堆肥をひと握り置き、その上から落ち葉をかぶせておきます。
根付かないときの切り分け
植えた年に芽が出ない、出ても小さいということがあります。多くは植える深さと乾きが原因です。一年目は収穫せず株を育てる年と考えると、次の年から安定します。
- 春に芽が出ない
- 深植えの可能性が高いです。掘り上げて芽の先が土から少し出る高さに植え直し、水を切らさずに待ちます。
- 葉が茶色く枯れる
- 日ざしが強すぎるか乾いています。よしずなどで午後の日を遮り、株元に落ち葉を敷いて乾きを防ぎます。
- 芽が小さく数も少ない
- 植えた年はよくあることです。その年は穫らずに葉を茂らせ、翌年の芽に力を回します。
- 株が浮いてぐらつく
- 土が沈んで根が浮いています。株の周りに腐葉土を混ぜた土を足して押さえ、落ち葉をかぶせます。
コゴミの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
コゴミの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコゴミの育て方にまとめています。
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