夏の乾きがいちばんの敵
コゴミは収穫のあと葉を大きく広げ、夏の間に翌年の芽を作ります。この時期に乾かすと葉が茶色く枯れ、翌春の芽が小さく少なくなります。夏の水やりが、翌年の収穫量をそのまま決めています。
地植えでも、真夏に一週間雨がなければ与えます。鉢は乾きが早いので毎日確かめます。与えるときは株元の土がしっかり湿るまで、ゆっくり時間をかけて注ぎます。
| 時期 | 水やり | 見るところ |
|---|---|---|
| 春(芽出し) | 土が乾いたら | 芽の伸びが鈍っていないか |
| 夏 | 地植えは1週間、鉢は毎日 | 葉先が茶色くないか |
| 秋 | 乾いたら与える | 葉が黄色くなるのは自然 |
| 冬 | ほとんど不要 | 地上部は枯れて休んでいる |
株元に敷き物をする
山の沢沿いでは落ち葉が積もって土が乾きません。同じ状態を庭で作るのが、いちばん確実な乾き対策になります。落ち葉、刈った草、樹皮のかけらなどを株元に厚めに敷いておきます。
敷き物には土の温度を和らげる働きもあります。夏の照り返しを防ぎ、冬は土の凍結を和らげます。年に一度、秋に足しておけば一年もちます。
- 秋に落ち葉を敷く
- 葉が枯れたあと、株の周りに落ち葉を五センチほどの厚さで敷きます。風で飛ぶなら枝を重しに置きます。
- 春は芽の周りを空ける
- 芽が出るころ、株の中心の敷き物を少しよけます。芽が敷き物を押し上げると曲がってしまいます。
- 夏に足す
- 薄くなっていたら刈った草を足します。土の表面が直接日に当たらない状態を保ちます。
敷き物を株元に厚く盛りすぎると、芽が蒸れて腐ることがあります。株の中心だけは薄めにしておきます。
肥料は控えめでよい
山菜なので、畑の野菜ほどの肥料は要りません。秋に落ち葉を敷き、その下に完熟堆肥をひと握り置く程度で足ります。強い肥料を与えると芽が太く伸びすぎて、山菜らしい姿と味が失われます。
何年も同じ場所で育てて芽が細くなってきたときだけ、春の芽出しの前に緩効性の肥料を少量施します。それでも、畑の野菜に施す量の半分程度にとどめます。
- 秋に堆肥を置く
- 葉が枯れたころ、株の周りに完熟堆肥をひと握り置き、その上から落ち葉をかぶせます。
- 春先に少量だけ
- 芽が細くなってきた株には、芽出しの前に緩効性の肥料を少量、株の周りにまいて土となじませます。
- 与えすぎない
- 葉が濃く大きくなりすぎたら肥料過多です。その年は施さず、翌年から量を半分に減らします。
夏の日ざしから葉を守る
収穫が終わったあとの葉は、翌年の芽を作る大事な工場です。真夏の直射日光に当たると葉先から茶色く枯れ、その分だけ翌春の芽が減ります。午後の日を遮る手立てを一つ用意しておきます。
落葉樹の下に植えていれば、木の葉が自然に日を遮ってくれます。そうでない場所では、よしずや遮光の布を株の南西側に立てるだけで違ってきます。
- 午後の日を遮る
- 株の南西側によしずか遮光の布を立てて日を和らげます。午前の日は当てたままで構いません。
- 鉢は移動させる
- 鉢植えなら六月に日陰へ移します。夏の間だけ場所を変えるだけで、葉の傷み方が大きく変わります。
- 葉を切らない
- 傷んだ葉も秋までは切りません。緑が残る限り、翌年の芽を作る力になっているからです。
雑草と踏み固めに気をつける
コゴミの根は浅く広く張るので、株の周りを踏み固めると根が傷んで芽が細くなります。収穫や水やりで通る道をあらかじめ決めておき、株の真上を歩かないようにするだけで、株の持ちが変わります。
雑草は落ち葉を厚く敷いておけばあまり出ません。出た草は根を残さないよう手で抜きます。鎌で表面を削ると、浅いところにあるコゴミの根まで切ってしまいます。
- 通り道を決める
- 株の周りに板や飛び石を置いて通る場所を固定します。株の真上を歩かないだけで根の傷みが減ります。
- 草は手で抜く
- 生えた草は根元をつまんで抜きます。鎌で表面を削ると、浅く張ったコゴミの根まで切ってしまいます。
- 落ち葉で草を抑える
- 敷き物を厚めに保つと草がほとんど出ません。薄くなったら刈った草を足しておきます。
翌春の芽が少ないときの切り分け
去年より芽が少ない、細いという悩みには、前年の夏の管理か、株の混みすぎのどちらかに原因があります。順に確かめると次の年に立て直せます。
- 夏に葉が枯れていた
- 乾きか日焼けです。今年は落ち葉を厚く敷き、午後の日を遮って葉を秋まで保たせます。
- 株が混み合っている
- 走出枝で増えて詰まっています。休眠中に掘り上げて株を分け、四十センチ間隔に植え直します。
- 去年穫りすぎた
- 芽を全部穫ると株が弱ります。一株の芽の三分の二までにとどめ、残りは葉にして育てます。
- 土が固く締まった
- 根が浅く張る植物です。株の周りに腐葉土を足してやわらかくし、踏まないよう通り道を分けます。
冬は何もしなくてよい
秋に葉が枯れると地上部はなくなり、株は土の中で休みます。寒さには強いので、関東の平野部なら防寒は要りません。枯れた葉は株元に残しておけば、そのまま敷き物として働きます。
見た目を整えたいときは、枯れた葉を株元から数センチ残して切り取ります。株の中心にある固い芽を切らないように注意します。この芽が翌春に伸びてきます。
| 時期 | 地上部の様子 | すること |
|---|---|---|
| 10月〜11月 | 葉が黄色く枯れる | 堆肥を置いて落ち葉を敷く |
| 12月〜2月 | 地上部がなくなる | 何もしない。踏まないようにする |
| 3月 | 地中で芽が動き出す | 敷き物を少しよけて芽を出させる |
コゴミの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
コゴミの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はコゴミの育て方にまとめています。
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