半日陰と湿り気を好む
こんにゃく芋は、もともと林の下のような場所で育つ植物です。畑の真ん中で一日じゅう日に当てると、葉が白く焼けて力を失い、秋になっても芋が太りません。
理想は、午前中に日が当たり午後は日陰になる場所です。それが用意できないときは、寒冷紗を張って日ざしを和らげるか、背の高い作物の東側に植えて午後の日を遮ってもらいます。
| 場面 | 日ざしの調整 | ねらい |
|---|---|---|
| 畑の真ん中 | 寒冷紗を張る | 葉焼けを防ぐ |
| 木の下や建物の東側 | そのままでよい | 午後の強い日を避けられる |
| 鉢植え | 夏だけ日陰へ移す | 鉢の温度上昇も抑えられる |
| 風の強い場所 | 囲いを立てる | 葉柄が折れるのを防ぐ |
株元を覆って乾かさない
土が乾くと芋の太りが止まります。株元をわらや刈り草で覆っておくと、乾きと地温の上がりすぎを同時に防げます。この一手間の有無で秋の芋の大きさが変わります。
覆いは泥はねも止めるので、雨のときに土から病気が跳ね上がるのを防ぐ役目もあります。夏の間は敷いたままにしておき、薄くなったら足す、という扱いで構いません。
敷くものは、わら、刈り草、落ち葉のどれでも構いません。手に入りやすいものを使えば十分で、分解して土に返るぶん、翌年の土づくりにもつながります。
- 梅雨入り前に敷く
- 六月に入る前に、株元にわらか刈り草を厚さ五センチほど敷きます。芽が出そろってからで十分です。
- 株元に密着させない
- 葉柄の付け根に直接触れないよう、少し離して敷きます。密着すると湿って付け根が腐ることがあります。
- 夏に足す
- 分解して薄くなったら足します。八月の乾きが厳しい時期に薄くなっていると効果が落ちます。
追肥は六月と七月に
追肥(育ちの途中で足す肥料)は、芽が出そろった六月と、葉が完全に開いた七月の二回で足ります。八月以降に窒素を与えると、葉が茂るだけで芋が太らず、腐敗も出やすくなります。
量は控えめが正解です。この作物は肥料に敏感で、与えすぎるとかえって病気が増えます。葉の色が濃い緑を保っているなら、追肥を飛ばしても構いません。
- 株元から離してまく
- 化成肥料を一株あたり二十グラムほど、株元から二十センチ離した位置にまいて軽く土と混ぜます。
- 葉の色で判断する
- 葉の緑が淡く、葉柄も細いようなら肥料が足りていません。濃い緑で葉が大きいなら足しません。
- 七月で打ち止め
- 最後の追肥は七月中に済ませます。八月以降の肥料は芋の太りに結びつかず、病気の原因になります。
肥料をまいたあとは、覆いを戻して土を乾かさないようにします。乾いた土では肥料が溶けず、効き目が出ません。
一本の葉柄を守る
この作物は、一つの芋から葉柄が一本だけ立ち上がり、その先に傘のような葉を広げます。つまり葉が一枚しかないのと同じで、折れたらその年の生育はそこで終わります。
高さは一年目で三十センチ、三年目には一メートルを超えます。大きくなるほど風で折れやすくなるので、株が育つほど風への備えが重要になります。
- 風よけを立てる
- 風の通り道になる場所では、寒冷紗や板で囲いを作ります。倒れてからでは取り返しがつきません。
- 支柱を添える
- 三年目以降の大きな株には、葉柄に沿って支柱を立てて軽く結びます。きつく結ぶと葉柄が傷みます。
- 触らない
- 葉柄はやわらかく折れやすいので、草取りのときにぶつけないようにします。周りの草は手で抜きます。
夏の水やり
露地では雨に任せて構いませんが、真夏に雨のない日が十日以上続くときは水を与えます。乾きが続くと葉が早く枯れ、その年の芋が太らないまま終わります。
鉢で育てている場合は、土の量が少ないぶん乾きが早く、真夏は二日に一度は与えることになります。乾かしすぎと過湿の間をとるのが難しいので、覆いを厚めにして乾きを緩めます。
- 朝のうちに与える
- 水を与えるなら朝の涼しいうちにします。昼の暑い時間に与えると、土の中が蒸れて根が傷みます。
- 株元に静かに注ぐ
- 葉にかけず、株元にゆっくり注ぎます。勢いよくかけると覆いが流れ、泥が葉に跳ね上がります。
| 時期 | 露地の水やり | 鉢の水やり |
|---|---|---|
| 5月〜6月 | ほぼ不要 | 土が乾いたら |
| 7月〜8月 | 雨がない日が十日続いたら | 二日に一度 |
| 9月 | ほぼ不要 | 三日に一度 |
| 10月以降 | 与えない | 葉が枯れたら止める |
葉が白く枯れるときの原因
葉に異変が出たとき、日ざしによる焼けか、病気か、肥料の問題かで手当てがまったく違います。傷んだ場所と広がり方を見れば、おおよその見当がつきます。
葉柄の付け根が黒く柔らかくなっているときは、病気の可能性が高いです。この場合は株ごと抜いて処分するのが、周りの株を守る近道になります。
- 焼けか病気かを見る
- 日の当たる側の葉先が白くかさかさなら日焼けです。付け根から黒く広がるなら病気を疑います。
- 日よけを足す
- 日焼けなら寒冷紗を張り、株元の覆いを厚くします。傷んだ葉は戻りませんが、進行は止まります。
- 病気なら抜いて処分
- 付け根が腐った株は掘り上げ、周りの土ごと畑の外に出します。残すと隣の株にも広がります。
こんにゃく芋の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
こんにゃく芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はこんにゃく芋の育て方にまとめています。
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