掘りどきを見きわめる
掘り上げは十月下旬から十一月です。地上部が枯れて葉柄が倒れたころが合図で、それまで芋は太り続けます。青いうちに掘ると、まだ太っている途中の芋を採ることになります。
遅れて霜に当てると芋が傷み、貯蔵中に腐ります。十一月中には掘り終える、と決めておくと失敗しません。晴れた日が二日続いたあとの、土が乾いた日を選びます。
| 時期 | 株のようす | 掘るかどうか |
|---|---|---|
| 9月 | 葉がまだ青い | 待つ。芋はまだ太る |
| 10月中旬 | 葉が黄色くなり始める | もう少し待つ |
| 10月下旬〜11月 | 葉柄が倒れて枯れる | 掘りどき |
| 12月以降 | 霜に当たる | 傷むので早く掘る |
傷つけずに掘る
掘るときについた傷から腐りが入ります。貯蔵で失敗する芋のほとんどは、掘るときに傷つけたものです。時間をかけてでも傷をつけない掘り方をします。
芋の周りには、翌年の種になる小さな生子がいくつもついています。これも一緒に採るので、株のすぐ下だけでなく、周囲の土も広くさらいます。
- 株から離して掘る
- 株元から三十センチ以上離した外側からスコップを入れます。中心に近い場所から入れると芋を切ります。
- 手で土をよける
- 芋に近づいたら道具を置き、手で土をよけます。指で位置を確かめてから持ち上げます。
- 生子を拾う
- 芋の周りについた小指ほどの生子を、外さずに丁寧に取ります。これが翌年の作の元になります。
- 土をふるう
- 掘り終えたら土をふるって、取り残した生子を探します。残すと翌年そこから芽が出ます。
掘った芋を水で洗うと、傷口から水が入って腐りやすくなります。洗わず、乾いた土を手で落とす程度にとどめます。
乾かしてから貯蔵する
掘った芋は、そのまま箱に入れず、風通しのよい日陰で二日から三日乾かします。表面が乾くと傷口がふさがり、貯蔵中の腐りがはっきり減ります。
直射日光に当てて乾かすのは避けます。表面の温度が上がって傷み、かえって貯蔵が効かなくなります。軒下やガレージのような場所が向いています。
- 日陰に広げる
- 新聞紙を敷いた上に重ならないよう広げ、二日から三日置きます。雨に当たらない場所を選びます。
- 選り分ける
- 傷のある芋、柔らかい芋を分けます。傷ものは貯蔵に向かないので、その年のうちに使います。
- 大きさ別に分ける
- 翌年の植え付けに備え、生子、一年目、二年目と大きさで分けておきます。春の作業がとても楽になります。
貯蔵の温度と場所
こんにゃく芋の貯蔵で決定的なのは温度です。低すぎると芋が傷んで腐り、高すぎると芽が動いてしまいます。十度から十三度あたりを保てる場所を探すのが仕事になります。
冷蔵庫は冷たすぎるので使えません。暖房のない部屋の押し入れや、床下、発泡スチロールの箱に入れて凍らない場所に置く、といった工夫で冬を越します。
| 場所 | 温度の目安 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 暖房のない部屋 | 十度前後 | 最も扱いやすい |
| 発泡スチロールの箱 | 外気より数度高い | 凍らせない工夫が要る |
| 屋外の物置 | 外気とほぼ同じ | 凍る地域では向かない |
| 冷蔵庫 | 五度以下 | 冷たすぎるので使わない |
五度を下回る場所に置くと、芋が傷んで春には使えなくなります。凍らせないことが貯蔵の第一条件です。
貯蔵中の見回り
冬の間、月に一度は箱を開けて中を見ます。一つ腐り始めた芋を放っておくと、触れている芋に次々と広がり、春には全部だめになっていることがあります。
新聞紙で一つずつ包んでおくと、腐りが隣の芋に移りにくくなります。手間はかかりますが、三年かけて育てた種芋を守る方法としては確実で、見回りのときにも扱いやすくなります。
- 一つずつ包む
- 新聞紙で芋を一つずつ包んで箱に並べます。芋どうしが直接触れないようにするのがねらいです。
- 月に一度確かめる
- 箱を開けて、柔らかい芋やにおいのする芋がないか見ます。見つけたらすぐ取り除きます。
- 凍る夜に備える
- 寒波の予報が出たら、箱を室内の暖房のない部屋へ移します。一晩の凍りで種芋を失うことがあります。
食べるときの注意
こんにゃく芋は、生のままでは食べられません。えぐみのもとになる成分が多く含まれており、必ず加工してから口にする作物です。この点だけは例外がありません。
食べるには、すりおろした芋を加熱し、こんにゃく作り用の凝固剤を使って固める工程が必要です。市販の手作り用の材料には手順が書かれているので、それに従います。
- 生では口にしない
- 味見のつもりでも生のままかじらないようにします。加工して初めて食べられる作物だと覚えておきます。
- 手袋をして扱う
- 皮をむいたり すりおろしたりすると、手がかゆくなることがあります。ゴム手袋をして作業します。
- 三年目以降の芋を使う
- 食べるだけの量を取るには、こぶし大以上に育った芋が要ります。それまでは種芋として育て続けます。
こんにゃく芋の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
こんにゃく芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はこんにゃく芋の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。