症状から原因を絞る
この作物の問題は、虫よりも病気に集中します。しかも地下の芋が傷むので、気づいたときには手遅れということが多く、出てから治すより出さない育て方が中心になります。
地上部の異変は、地下で何が起きているかの手がかりです。葉の色、葉柄の付け根、株の倒れ方を見て、早く判断できるようにしておきます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 葉柄の付け根が黒く腐る | 腐敗する病気 | 株ごと抜いて処分する |
| 株元に白い糸のようなもの | 白絹病 | 株と周りの土を取り除く |
| 葉に茶色い斑点が広がる | 葉枯れの病気 | 傷んだ葉を切って処分する |
| 葉がまだらに黄色くなる | ウイルスによる病気 | 株を抜き、アブラムシを防ぐ |
| 葉先が白くかさかさ | 強い日ざしによる焼け | 寒冷紗で日を和らげる |
腐敗を防ぐ三つの備え
芋が腐る病気は、土の中の菌が原因で起きます。薬で治すことはできないので、連作を避ける、水はけをよくする、傷をつけない、という三つの備えで防ぎます。
特に効くのが連作を避けることです。同じ場所で続けて作ると菌が増え、二年目三年目と被害が大きくなります。三年から四年は間をあけます。
- 場所を毎年替える
- 毎年掘り上げて植え直すので、そのたびに場所を変えます。前に植えた場所を記録しておくと迷いません。
- 高畝で水を切る
- 高さ二十センチの畝を立て、雨のあと水がたまらないようにします。水はけが悪い畑では作らない判断も必要です。
- 芋を傷つけない
- 掘るときに傷つけた芋は病気が入りやすくなります。傷ものは翌年の種芋にせず、その年に使い切ります。
腐った株を抜いた場所には、翌年もこんにゃく芋を植えません。菌が土の中に残り、同じことが繰り返されます。
アブラムシとウイルス
葉がまだらに黄色くなり、株が小さいまま育たないときは、ウイルスによる病気が疑われます。この病気はアブラムシが運ぶので、虫を防ぐことがそのまま病気の予防になります。
ウイルスにかかった株は治りません。芋も小さいままで太らず、翌年の種芋にすると畑全体に病気を広げてしまうので、見つけしだい抜いて畑の外で処分します。
- 新芽を見回る
- 五月から六月にかけて、伸び始めた葉柄と葉の裏を週に一度見ます。小さな虫が群れていたら取り除きます。
- 反射する覆いを敷く
- 銀色の覆いを株元に敷くと、アブラムシが寄りにくくなります。日よけと乾き止めも兼ねられます。
- 疑わしい株は抜く
- 葉がまだらに黄色い株は、掘り上げて処分します。種芋として残すと、翌年畑全体に広がります。
葉を食べる虫
葉に穴があくときは、夜に活動するヨトウムシなどが多いです。葉が一枚しかない作物なので、他の野菜より食害の影響が大きく、早めに見つけて取り除きます。
数は多くないので、見回りだけで抑えられることがほとんどです。地下の芋を食べる虫は少なく、地上の葉を守ることに集中すれば足ります。
- 夜に見回る
- 日が暮れて一時間ほどたってから、明かりを持って葉を見ます。食べている最中の虫を捕まえられます。
- 株元の土を掘る
- 昼は株元の土に隠れています。表面から二センチほど掘ると、丸まった芋虫が見つかります。
- 覆いの下も見る
- 敷いたわらの下は虫の隠れ場所になります。被害が続くときは、覆いをめくって確かめます。
日焼けと風の障害
病気でも虫でもない不調で多いのが、強い日ざしによる葉焼けと、風で葉柄が折れることです。どちらも置き場所と囲いで防げるので、植える前に手を打っておきます。
葉柄が折れると、その年の芋はほとんど太りません。折れた株は掘り上げても小さいままなので、秋まで置いて種芋として翌年に回すのが現実的な判断になります。
| 原因 | 起きやすい状況 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 葉焼け | 一日じゅう日が当たる畑 | 寒冷紗で日ざしを和らげる |
| 葉柄の折れ | 風の通り道、株が大きい年 | 囲いを立て支柱を添える |
| 乾燥 | 覆いをしていない株元 | わらや刈り草を敷く |
| 凍害 | 掘り遅れて霜に当たる | 十一月中に掘り上げる |
被害が出たときの切り分け
被害を見つけたら、その株を残すか抜くかを早く決めることが、他の株を守ることにつながります。虫なら残して続行、腐る病気なら抜いて処分、が基本の線引きです。
抜いた株の芋は、傷んでいなければ食べられることもありますが、腐りが入っているものは使いません。判断に迷う芋は種芋には回さないのが安全です。
- 掘って芋を見る
- 地上部が急に倒れた株は掘り上げます。芋が固ければ病気ではなく、折れや日焼けが原因です。
- 腐りは土ごと除く
- 柔らかくにおう芋は、周りの土ごとすくって畑の外で処分します。埋め戻すと菌が残ります。
- 翌年の場所を変える
- 被害が出た畝は、少なくとも三年はこんにゃく芋を作りません。別の科の作物をはさみます。
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