何年目の芋を植えるかで変わる
こんにゃく芋は、一年で食べられる大きさにはなりません。小さな生子と呼ばれる子芋から始めて、毎年掘り上げては植え直し、三年から四年かけて一キロほどの芋に育てます。
そのため、いま手元にある芋が何年目かによって、植える深さも株間も変わります。まずは芋の大きさを確かめて、その年の目標を決めるところから始めます。
| 種芋の大きさ | 年数の目安 | 株間と深さ |
|---|---|---|
| 親指ほどの生子 | 一年目 | 株間十五センチ、深さ五センチ |
| 卵ほど | 二年目 | 株間三十センチ、深さ七センチ |
| こぶし大 | 三年目 | 株間四十五センチ、深さ十センチ |
| 両手にのる大きさ | 四年目、収穫の年 | 株間六十センチ、深さ十センチ |
適期は地温が上がってから
植え付けは四月下旬から五月中旬です。地温が十五度を超えたころが合図で、それより早く植えると芽が動かないまま土の中で腐ることがあります。急がないほうが安全な作物です。
この芋は寒さに弱く、霜に当たると地上部が一晩で傷みます。芽が出るのは植えてから三週間ほど先なので、遅霜の心配がなくなるころにちょうど地上に出てくる計算になります。
- 地温を確かめる
- 朝に土へ手を入れて、冷たさを感じなくなったころが目安です。最低気温が十度を下回らなくなってから植えると失敗が減ります。
- 芽の状態を見る
- 種芋の頂点にある芽がふくらんで色づいていれば、植えどきが近い合図です。芽が乾いてしぼんだ芋は使いません。
- 晴れた日に植える
- 雨の直後の湿った土に植えると腐りやすくなります。土が手で崩れる程度に乾いた日を選びます。
腐らせない置き方
こんにゃく芋でいちばん多い失敗は、土の中で腐らせることです。芋の上面には芽を囲むくぼみがあり、ここに水がたまると腐りが始まります。まっすぐ上向きに置かないことが大切です。
少し斜めに寝かせるか、芽を横に向けて置くと、くぼみに水がたまりません。芽は曲がりながら地上へ出てくるので、向きを気にしすぎる必要はありません。
- 斜めに寝かせる
- 芋のくぼみが横を向くよう、四十五度ほど傾けて置きます。これだけで水がたまらず、腐りがはっきり減ります。
- 溝に置いて土をかける
- 深さの分だけ溝を掘り、そこへ並べてから土を戻します。一つずつ穴を掘るより深さがそろいます。
- 高畝にする
- 水はけの悪い畑では、高さ二十センチの畝を立てます。雨のあと水がたまる場所では、この作物は育ちません。
傷のある芋、切り口のある芋は腐りやすいので植えません。掘り上げのときに傷つけた芋は、その年のうちに使い切ります。
土づくりと元肥
落ち葉の積もった林の土のような、有機物が多くふかふかの土を好みます。堆肥をたっぷり入れて土そのものを作ることが、肥料を足すことより効きます。
元肥(植える前に土に混ぜておく肥料)は控えめにします。特に窒素が多いと葉が茂りすぎ、腐敗する病気が出やすくなります。肥えすぎた畑よりも、やせ気味の畑のほうが無難です。
- 堆肥を多めに入れる
- 植える一か月前に、完熟堆肥を一平方メートルあたり三キロほど入れて深く耕します。土がやわらかいほど芋が丸く育ちます。
- 石灰は控えめに
- 酸性に強い作物なので、石灰は少量にとどめます。まきすぎるとかえって生育が悪くなります。
- 元肥を少なくする
- 化成肥料は一平方メートルあたり五十グラムまでにします。足りなければ夏に足せますが、多すぎたぶんは引けません。
場所選びと連作
こんにゃく芋は同じ場所で続けて作ると、土の中の病気がたまって腐敗が増えます。三年から四年は別の場所で作るのが基本で、これを守るかどうかで成否が分かれます。
毎年掘り上げて植え直す作物なので、植える場所を毎年ずらすのは難しくありません。輪作の順番を紙に書いて残しておくと、何年目にどこへ植えたかを忘れずに済みます。
| 場面 | 選ぶ場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 初めて作る | 夏に半日陰になる畑の端 | 強い日ざしで葉が焼ける |
| 二年目以降 | 前年と違う場所 | 土の中の病気を避ける |
| 鉢で作る | 深さ三十センチ以上の大鉢 | 毎年新しい土に替えられる |
| 水はけが悪い畑 | 高畝にするか作らない | 腐敗する病気の原因になる |
芽が出ないときの見分け
植えてから芽が出るまで三週間から四週間かかります。他の作物より遅いので、出ないと感じても五月いっぱいは待ちます。掘り返すのは六月に入ってからで十分です。
それでも出ないときは、腐りか、種芋の芽が傷んでいたかのどちらかです。掘って確かめれば、その年に植え直すか翌年に持ち越すかを決められます。
- 六月まで待つ
- 地温が低い年は芽出しが遅れます。五月中に出なくても、六月上旬までは掘り返さずに待ちます。
- 一株だけ掘る
- 土をよけて芋を確かめます。固く締まっていて芽が白く伸びていれば無事なので、そのまま埋め戻します。
- 腐りなら取り除く
- 芋が黒く柔らかくなり、においがするなら腐敗です。周りの土ごと取り除き、その場所には翌年も植えません。
こんにゃく芋の植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
こんにゃく芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はこんにゃく芋の育て方にまとめています。
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