症状から原因を探す
金柑の異常はまず葉と実の見た目に出ます。葉が食われているか、白い粉や殻がついているか、実にかさぶたがあるかで原因がおおよそ分かります。下の表で当たりをつけてから、それぞれの節を読んでください。
| 症状 | 考えられる原因 | 急ぎ度 |
|---|---|---|
| 新芽が食われ、黒い糞がある | アゲハの幼虫 | 高い。数日で丸坊主になる |
| 枝や葉に白や茶の小さな殻 | カイガラムシ | 中。放置すると枝が枯れる |
| 葉や実に灰色のかさぶた | そうか病 | 中。実の見た目が悪くなる |
| 葉が黒いすすで覆われる | カイガラムシやアブラムシの排せつ物 | 中。元の虫を退治する |
| 葉裏に細かい点、葉がかすれる | ハダニ | 中。乾燥時に増える |
| 実が突然落ちる | 水切れか過湿 | 水やりを見直す |
アゲハの幼虫
柑橘の葉を食べるアゲハは、五月から十月まで何度も産卵に来ます。孵化直後の幼虫は黒に白い模様で鳥の糞に似ており、大きくなると緑色になります。若い木は数匹で葉を食べ尽くされ、翌年の花が減ります。葉の下に黒い粒の糞が落ちていたら、上の枝を探すと見つかります。
- 卵のうちに見つける
- アゲハが飛んでいたら翌日に新芽を見回ります。直径一ミリほどの黄色い丸い卵が葉の表についているので、指でつぶすか葉ごと取ります。
- 幼虫は割りばしで
- 幼虫を刺激すると臭いのある角を出します。素手を避けて割りばしで取り、離れた場所に放すか処分します。
- 多いときは薬剤
- 毎日取り切れないほど出るなら、柑橘に使える野菜用の殺虫剤を新芽に散布します。実がついている時期は表示の収穫前日数を確かめます。
成木は多少食べられても実に響きません。植え付けから三年までの若木を重点的に守ります。
カイガラムシとすす病
枝や葉の裏に白い綿のようなもの、または茶色の小さな殻が張りついていたらカイガラムシです。汁を吸われた枝は弱り、排せつ物に黒いかびが生えてすす病になります。すす病は葉が黒く汚れて光合成が落ちますが、虫を退治すれば新しい葉はきれいに出ます。
- 歯ブラシでこすり落とす
- 殻のある成虫は薬が効きにくいので、使い古しの歯ブラシで枝からこすり落とします。数が少ないうちならこれで十分です。
- 冬にマシン油乳剤
- 毎年出るなら、一月から二月に果樹用のマシン油乳剤を枝全体に散布します。呼吸を止めて退治するので、殻の上からでも効きます。
- 枝を抜いて風を通す
- 混み合って風の通らない枝に多く発生します。三月の剪定で内側の枝を抜くと、翌年の発生が減ります。
そうか病とかいよう病
そうか病は葉や実の表面に灰色や褐色のかさぶた状の斑点ができる病気で、春の新芽が雨に濡れる時期に広がります。食べる分には支障がありませんが、見た目が悪く、ひどいと葉が縮れます。かいよう病は実や葉にコルク状の盛り上がった斑点が出て、風で葉が傷ついた場所から入ります。
| 見た目 | 病名 | 対応 |
|---|---|---|
| 灰色のざらざらしたかさぶた | そうか病 | 病葉を取り、春に銅剤を散布 |
| 盛り上がった茶色い斑点で周りが黄色 | かいよう病 | 病葉を焼却し、風よけをする |
| 葉が黒いすすで汚れる | すす病 | 元のカイガラムシを退治する |
落ち葉に菌が残るので、病気の出た年は冬に落ち葉を集めて処分します。
ハダニとアブラムシ
乾燥が続く夏は葉裏にハダニがつき、葉が白くかすれたようになります。春の新芽にはアブラムシが群がり、葉を縮らせて病気を運びます。どちらも小さいので、葉裏を見る習慣が早期発見のこつです。
ハダニは葉裏に白い紙を当てて軽くたたくと、赤や黄色の小さな点が落ちてくるので見分けられます。アブラムシはアリが枝を行き来していたら近くにいる目安です。どちらも増える前に見つければ水だけで対処できます。
- 葉裏に水をかける
- ハダニは水に弱いので、夏の朝に葉裏へホースで水をかけると減ります。三日おきに繰り返します。
- アブラムシは指で
- 新芽に集まったアブラムシは指でつぶすか、牛乳を薄めて吹きかけて窒息させます。増え過ぎたら野菜用の殺虫剤を使います。
虫ではない障害の見分け
実が急に落ちる、葉が黄色くなって落ちる、実に亀裂が入るといった症状は、虫や病気ではなく水と肥料の問題であることがほとんどです。天候と水やりの記録を見て原因を判断します。
秋に緑の実が一斉に落ちるのは、夏の水切れか肥料の遅れが原因です。冬に葉が黄色く落ちるのは寒さと過湿が重なったときに起きます。どちらも翌年の管理で直ります。
| 症状 | 原因 | 翌年への直し方 |
|---|---|---|
| 夏〜秋に実が落ちる | 水切れ、実のつけ過ぎ | 七月から週一回の水やりと摘果 |
| 実に亀裂が入る | 乾燥後の急な大雨 | 乾燥期に少しずつ水を与える |
| 冬に葉が黄色く落ちる | 低温と過湿 | 冬は水を控え、鉢は軒下へ |
| 実が小さいまま色づく | 肥料不足か実の多過ぎ | 六月の施肥と摘果を徹底する |
金柑の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は金柑の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。