剪定の時期は三月
金柑の剪定は、寒さが緩んで新芽が動く前の三月が適期です。冬に切ると切り口から寒さが入って枝が枯れ込みます。実がまだ残っていたら、収穫を済ませてから枝を切ります。
花は春から夏に伸びた新しい枝の先につきます。前年の夏枝を残せば残すほど花は多くなります。金柑は放っておいても丸く整う木なので、切る量は全体の二割以下に留めます。
| 時期 | できる作業 | 避けること |
|---|---|---|
| 3月 | 間引き剪定、切り戻し | 強い切り戻しを全枝に行うこと |
| 6〜7月 | 内側に向く新梢を摘む | 夏枝を根元から切ること |
| 9月以降 | 枯れ枝の除去のみ | 花芽のある枝先を切ること |
| 12〜2月 | 何もしない | 寒中の剪定 |
切る枝を選ぶ
全体の形を整えるより、混み合って日が当たらない枝を抜くことを優先します。金柑は葉が密になりやすく、内側に日が入らないと内側の枝が枯れて実が外側だけになります。
- 枯れ枝と細枝を取る
- 茶色く乾いた枝、鉛筆より細く葉の少ない枝は付け根から切ります。これだけで内側に光が入り、全体の三分の一の作業が終わります。
- 交差する枝を抜く
- 枝同士が擦れている場所は、内向きに伸びているほうを付け根で切ります。擦れた傷はカイガラムシの住みかになります。
- 徒長枝を短くする
- 徒長枝(真上に勢いよく伸びた枝)は花がつきにくいので、三分の一ほど残して切り戻し、脇から出る枝に花を咲かせます。
とげのある品種は厚手の手袋を使います。切り口が二センチを超える場合は癒合剤を塗ります。
樹高を抑えて収穫しやすくする
庭植えの金柑は放任すると二メートルを超えます。脚立なしで収穫できる高さは一メートル五十センチが目安です。上に伸びる主枝を、外向きの枝が出ている位置で切り戻すと、高さを抑えつつ横に広がります。
金柑には鋭いとげのある品種があり、高い位置の枝を切るときに顔や腕を傷つけやすいです。目の高さより上の枝は脚立に上がって横から切り、無理に下から手を伸ばさないようにします。切った枝は放置せずすぐ片付けます。
- 外芽の上で切る
- 枝を短くするときは、外側を向いた葉や芽のすぐ上で切ります。内向きの芽の上で切ると、そこから出る枝が内側に伸びて混み合います。
- 一度に切り過ぎない
- 一年で下げる高さは三十センチまでにします。大きく下げると翌年は勢いのよい枝ばかり出て花がつかず、二年収穫を休むことになります。
鉢植えは形より風通し
鉢植えの金柑は根の量が限られるので、地植えより枝を減らして葉と根の釣り合いを取ります。鉢の直径の二倍程度の幅に収まるように、外に広がり過ぎた枝を切り戻します。ベランダなら手すりに当たる枝を優先して短く詰めます。
植え替えと同じ年に強く剪定すると、根と枝の両方を失って弱ります。植え替えをした年は枯れ枝と混んだ枝だけ抜き、翌年に切り戻します。
- 枝先を一律に切らない
- 丸く刈り込むと花のつく枝先を全部落とします。伸び過ぎた枝だけを選んで、途中の葉の上で切り戻します。
- 下枝を残す
- 鉢では下のほうの枝にも日が当たるので、下枝を切らずに残すと実の数が増えます。地面に触れる枝だけ取ります。
夏の摘心で花芽を増やす
金柑は夏枝の先に八月ごろ花芽ができます。六月末までに伸びた新しい枝の先を軽く摘むと、脇から短い枝が出てそこに花がつきます。これを摘心(枝の先を摘んで脇枝を出させる作業)といいます。
- 六月末に先端を摘む
- 二十センチ以上伸びた新梢の先端を、指で二〜三センチ摘みます。全部の枝ではなく、勢いの良い枝だけを対象にします。
- 七月中旬以降は摘まない
- 七月半ばを過ぎて摘むと、出てくる脇枝が充実せず花芽になりません。遅れたら来年に回します。
切り過ぎて花が減ったときの立て直し
強く切った翌年は、太くて長い枝が何本も伸び、花がほとんどつかないことがあります。これは失敗ではなく木が枝を作り直している状態です。あわてて再び切らず、伸びた枝を夏に摘心して短い枝を出させます。
二年目の春には短い枝が充実して花がつきます。この間は肥料の窒素を控えめにし、枝ばかり伸ばさないようにするのがこつです。枝先を触ってみて、固く締まっていたら花芽がついている目安です。
枝を切る前に迷ったら、その枝に日が当たっているかを見て判断します。日の当たる枝は残し、葉が薄く色の悪い内側の枝から抜きます。切る本数を決めてから始めると、つい切り過ぎる失敗を避けられます。
| 状態 | 見分け方 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 枝ばかり伸びて花が無い | 太く長い枝が多い | 六月末に摘心し、窒素を控える |
| 内側が枯れ込む | 葉が外側にだけ残る | 三月に間引きし、光を内側に入れる |
| 高くなり過ぎた | 実が手の届かない高さ | 三年かけて毎年三十センチずつ下げる |
金柑の剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
金柑の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は金柑の育て方にまとめています。
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