品種で実の大きさと甘さが変わる
金柑は品種によって実の大きさと生食向きかどうかが違います。家庭で皮ごと食べるなら、甘みが強い品種を選ぶと収穫の楽しみが増えます。苗の札には品種名が書いてあるので、買う前に確かめてください。
接ぎ木苗は二年目から花が咲き、三年目には実がなります。実生(種から育てた苗)は実がなるまで五年以上かかり、親と同じ性質になるとは限らないので、初めてなら接ぎ木苗を選びます。
| 品種 | 実の大きさ | 向き |
|---|---|---|
| ニンポウキンカン | 直径2〜3センチ | 最も流通が多く、甘露煮にも生食にも使える |
| ぷちまる | 直径2センチ前後 | 種がほぼ無く皮が甘い。生食向き |
| 福寿金柑 | 直径3センチ前後 | 実が大きく肉厚。加工に向く |
| たまたま系の大実 | 直径3センチ以上 | 完熟させると甘い。鉢では実の数を絞る |
「たまたま」は産地のブランド名で、木の品種はニンポウキンカンです。苗の品種名としては流通していません。
良い苗の見分け方
苗は接ぎ木の部分と葉の色を見て選びます。接ぎ口がしっかりくっついていて、葉が濃い緑で厚みのある苗が根の張りも良い傾向です。葉が黄ばんでいたり、枝の先が枯れ込んでいる苗は避けます。
- 接ぎ口を確かめる
- 株元から数センチ上に段差のような接ぎ口があります。そこが割れていたり、テープの下がぶよぶよしていたら避けます。接ぎ口がなめらかに太っている苗を選びます。
- 葉の枚数を数える
- 一年生の苗で葉が二十枚以上ついていれば十分です。葉が少ない苗は根も弱っていることが多く、植え付け後の伸びが鈍ります。
- 根鉢を触ってみる
- ポット苗は横から軽く押して固さを確かめます。ぐらぐらする苗は根が回っておらず、植え付けで根鉢が崩れやすくなります。
植える時期は三月下旬から四月
金柑は寒さに当てながら植え付けると根が動かず弱ります。関東平野部では三月下旬から四月中旬、桜が咲き終わるころが目安です。新芽が伸び始める直前に植えると、根と枝が同時に動き出して活着が早まります。
秋に苗を買った場合は、冬を鉢のまま軒下で越させ、春に庭へ植えます。暖地なら十月の植え付けも可能ですが、関東より北では春植えに絞ります。
| 地域 | 植え付けの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 4月中旬〜5月上旬 | 露地は難しく鉢植えで冬は室内へ |
| 関東平野部 | 3月下旬〜4月中旬 | 遅霜が過ぎてから植える |
| 暖地 | 3月中旬〜4月、または10月 | 秋植えは根が動く前に済ませる |
地植えの手順
金柑は日当たりを最も欲しがる果樹の一つです。一日六時間以上日が当たり、北風が抜けない場所を選びます。水はけの悪い場所では根腐れしやすいので、高植えにして対処します。
- 穴を掘って土を作る
- 直径と深さがそれぞれ五十センチの穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土を二割ほど混ぜ、堆肥をひと握り加えて埋め戻します。石灰は少量で十分です。
- 接ぎ口を地面より上に
- 根鉢は崩さず、接ぎ口が地面から五センチほど出る高さに置きます。接ぎ口が埋まると台木の芽が出たり、病気の入り口になります。
- 水鉢を作ってたっぷり
- 株のまわりに土手を作り、バケツ一杯の水を二回に分けて注ぎます。土が沈んだら足し、最後に支柱を一本立てて風で揺れないように結びます。
植え付け直後に肥料を根に触れさせると根が傷みます。元肥(植え付け時に土へ混ぜる肥料)は穴の底の土に混ぜ、根鉢の下に直接触れないよう土をひと層かぶせます。
鉢植えは八号から始める
ベランダで育てるなら八号(直径二十四センチ)の鉢から始め、二年ごとに一回り大きくします。鉢植えは冬に移動できるので、寒冷地や北向きの庭ではむしろ育てやすい方法です。
- 土の配合
- 赤玉土の小粒六、腐葉土三、軽石一が目安です。市販の果樹用の土でも構いません。鉢底には鉢底石を三センチほど敷いて水はけを確保します。
- 浅く植える
- 根鉢の表面が鉢の縁から三センチ下になる高さに置きます。深植えにすると根元が蒸れて弱ります。
- 半日陰で一週間慣らす
- 植え付け直後に強い日差しに当てると葉が縮れます。一週間ほど明るい日陰で落ち着かせてから、日なたに出します。
植え付け後に元気がないときの見分け
植え付けから一か月しても新芽が動かないときは、水の量か根の傷みを疑います。葉がくるっと内側に巻いていたら水不足、葉が黄色くなって落ちるなら過湿で根が傷んでいることが多いです。
落葉しても枝が緑なら生きています。枝先を爪で軽くこすり、下が緑色なら水やりを控えめにして待ちます。茶色く乾いていたら、その枝は切り戻して残った枝から芽を出させます。
| 症状 | 考えられる原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 葉が内側に巻く | 水不足 | 朝にたっぷり与え、株元にわらを敷く |
| 葉が黄色くなって落ちる | 過湿・根傷み | 水を控え、鉢なら風通しの良い場所へ |
| 新芽が動かない | 低温・根の活着待ち | 枝の緑を確かめ、五月まで待つ |
| 接ぎ口の下から芽が出る | 台木の芽 | 見つけ次第すぐかき取る |
金柑の植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
金柑の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は金柑の育て方にまとめています。
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