剪定は年に二回が基本
ラベンダーの剪定は、花が終わった直後の花がら切りと、梅雨入り前の切り戻しの二回が基本です。関東平野部では系統によって開花期が違うので、フレンチ系は四月から五月の花後に、イングリッシュ系とラバンディン系は六月の花後にそのまま梅雨前の切り戻しを兼ねて行います。秋に軽く形を整えることもありますが、冬前に深く切ると寒さで枯れ込むので秋は軽くに留めます。
剪定を怠ると株が縦に伸びて内側が木質化し、二から三年で下葉のない姿になります。こうなると若返らせるのが難しいので、一年目から毎年切る習慣を付けるのが、長く育てる一番の近道です。
| 系統 | 花後の切り戻し | 梅雨前の切り戻し | 秋の整枝 |
|---|---|---|---|
| フレンチ系 | 4〜5月 | 6月上旬に軽く | 10月に形を整える程度 |
| イングリッシュ系 | 6月(梅雨前を兼ねる) | 同時 | しない |
| ラバンディン系 | 6月下旬〜7月上旬 | 花後に兼ねる | しない |
| デンタータ系 | 随時花がら切り | 6月に軽く | 10月に軽く |
どこで切るかを株を見て決める
ラベンダーは古い木質化した枝からは新芽が出にくいので、切る位置は必ず緑の葉が残る場所にします。花茎の下にある葉の付いた部分を、上から三分の一から半分ほど残して切るのが目安です。株を横から見て、下の方に葉があるかを確かめてから切り始めてください。葉のない木質の部分まで切り込むと、そこから先が枯れて戻りません。
- 葉の下限を確かめる
- 株の内側をのぞき、緑の葉が付いている一番下の位置を確認します。そこより上でしか切らないと決めてから鋏を入れます。
- 花茎ごと葉を数枚残して切る
- 花茎の下に付く葉を二から三段残して切ります。花茎だけ切ると株が伸び放題になり、内側が木質化して枯れ込みます。
- 全体を丸く整える
- 外側から順に、山を描くように切りそろえます。中央を高く、外側を低くすると、株の内側まで日が入ります。
- 内側の枯れ枝を抜く
- 株の中心で枯れている細い枝は付け根から取り除きます。風の通り道ができ、梅雨の蒸れを大きく減らせます。
鋏は使う前にアルコールで拭きます。切り口から病気が入るのを防ぎます。
梅雨前の切り戻しが夏越しを決める
関東平野部でラベンダーを枯らす最大の原因は梅雨から夏の蒸れです。梅雨入り前に株を半分ほどの高さに切り戻し、内側に風が通る姿にしておくと夏越しの成功率が大きく上がります。花がまだ残っていても、蕾がついた枝を切り花にする感覚で思い切って切ってください。切り戻した枝は束ねて陰干しにすれば香りを楽しめます。
- 梅雨入りの一週間前に切る
- 関東なら五月下旬から六月上旬が目安です。天気予報で梅雨入りが近いと分かったら、晴れの日を選んで切ります。
- 高さを半分に
- 株の高さの三分の一から半分を切ります。ただし葉のない木質部までは切り込まないことが優先です。
- 切った枝は陰干しに
- 切った花枝は十本ほどを束ね、風通しの良い日陰に逆さに吊るします。二週間ほどでドライフラワーになります。
古株の更新剪定
三年から五年たったラベンダーは株元が木質化して、下から葉が出なくなります。こうなった株を一気に強く切ると枯れることが多いので、二年かけて少しずつ低くします。一年目は株の半分の枝だけを葉のある位置まで深めに切り、そこから新芽が出るのを確かめてから、翌年に残り半分を切ります。この方法でも戻らない株は、挿し木で若い株に更新する方が確実です。
- 一年目は半分だけ
- 株の片側だけを、葉の残るぎりぎりの低い位置まで切ります。もう片側は通常の花後剪定に留めます。
- 新芽の出方を確かめる
- 切った側から翌春に新芽が出たら成功です。出ないなら、その株は更新に向かないので挿し木で後継を作ります。
- 二年目に残りを切る
- 一年目に切らなかった側を同じ位置まで切ります。二年かけて株全体を低く若返らせます。
切りすぎたときと切らなかったときの立て直し
木質部まで切りすぎて新芽が出ない枝は、残念ながらその枝は戻りません。株の他の部分に葉が残っていれば、そこから伸びる枝で形を作り直します。逆に何年も切らずに株の中央が枯れて割れた場合は、外側の元気な枝を挿し木にして株を作り直すのが早道です。どちらの場合も、元気な枝先が残っているうちに挿し木を取っておくのが保険になります。
- 切った枝から芽が出ない
- 一か月待っても芽が動かなければ木質部まで切っています。枯れた枝は付け根で取り除き、残った葉のある枝で形を作り直します。
- 株の中央が枯れて割れた
- 剪定不足で内側が木質化した状態です。外側の元気な枝先を五センチほど切って挿し木にし、翌年の株を準備します。
- 秋に深く切って枯れ込んだ
- 冬前の深い剪定が原因です。春に葉が動くのを待ち、緑の残った位置まで改めて切り戻します。
ラベンダーの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
ラベンダーの長く咲かせるコツは作物ページに
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