世話の中心は水を減らすこと
他の野菜と正反対で、レンズ豆の世話はいかに濡らさないかにあります。原産地は雨の少ない土地で、日本の畑では放っておいても水が多すぎるくらいです。乾いてしおれるまで与えないつもりで構いません。
露地では、よほど雨が降らない日が続かないかぎり水やりは要りません。プランターでも、土の表面が乾いてから一日か二日おいて与えるくらいの間隔にします。
| 場面 | 水やりの考え方 | 目安 |
|---|---|---|
| 露地の秋冬 | ほとんど与えない | 二週間雨がなければ一度 |
| 露地の春 | 乾き切ったときだけ | 葉がしおれてから与える |
| プランター | 表面が乾いて一日おいて | 底から流れ出るまで |
肥料も控えめにする
レンズ豆は根に付く菌が空気中の窒素を取り込むので、肥料はほとんど要りません。元肥(植える前に混ぜておく肥料)を入れすぎると葉ばかり茂り、莢が付かないという結果になります。
畝を作るときに完熟堆肥を少量混ぜる程度で十分です。追肥(育ちの途中で足す肥料)は基本的にしません。葉の色が極端に薄いときだけ、薄めた液体肥料を一度与えます。
- 堆肥は少なめに
- 一平方メートルあたり完熟堆肥を一キロほど混ぜます。前の作の肥料が残っていれば入れなくて構いません。
- 追肥はしない
- 生育の途中で肥料を足すと、葉が茂って莢が減ります。葉の色が濃いなら足す必要はありません。
- 苦土石灰で酸度を整える
- まく二週間前に苦土石灰をまいて耕します。酸性の強い土では根に付く菌が働きにくくなります。
冬越しは寒さより過湿に気を配る
秋まきの株は、本葉が数枚の小さな姿で冬を越します。レンズ豆は寒さにはある程度耐えますが、凍った土が溶けるときに根が浮くと弱ります。株元に土を寄せておくと持ち上がりません。
冬に困るのは、雪や雨で土が湿ったままになることです。畝の低い側に溝を切って水の逃げ道を作り、株元に敷きわらをして泥はねを防いでおきます。
- 株元に土を寄せる
- 十二月に株元へ土を寄せて根が浮かないようにします。霜柱で持ち上がった株は根が切れます。
- 水の逃げ道を作る
- 畝の低い側に溝を切ります。雪解けや長雨のあと水がたまらないかを見て位置を決めます。
- 敷きわらで泥はねを防ぐ
- 株元に薄く敷きわらをします。厚くすると湿気がこもるので、土が見え隠れする程度にします。
寒冷地では冬の寒さが強すぎて越冬できないことがあります。その場合は春まきに切り替えます。
春の伸びと倒れへの備え
三月から四月に気温が上がると、株は三十センチから五十センチほどに伸びます。細い茎が枝分かれして広がるので、雨と風が重なると倒れて地面に触れ、そこから傷むことがあります。
支柱を一本ずつ立てる必要はありません。畝の両端に杭を立てて紐を二段に張り、株を挟むように支えると、まとめて倒れを防げます。花が咲く前に張っておきます。
- 四月に杭と紐を張る
- 畝の両端に杭を立て、地上二十センチと四十センチの高さに紐を張って株を挟みます。花が咲く前に済ませます。
- 倒れた株は起こす
- 雨で倒れた株は早めに起こして紐に寄せます。地面に触れたままだと莢が傷んでしまいます。
- 枝を切らない
- 混んで見えても枝を切りません。莢は枝の先に付くので、切ると収量がそのまま減ります。
梅雨をどう避けるか
レンズ豆の最大の敵は梅雨です。莢が熟すころに長雨に当たると、莢の中で豆が発芽したり、かびが生えたりします。まく時期を選ぶことが、いちばん確実な梅雨対策になります。
秋まきなら五月中に、春まきなら六月上旬に収穫を終える計画にします。それでも雨に当たりそうなら、莢が茶色くなり始めた段階で株ごと刈り取り、屋根の下で乾かします。
- 雨よけを立てる
- 畝の上に支柱を立てて透明な覆いを張ります。裾は開けたままにして風を通し、蒸れを防ぎます。
- 早めに刈り取る
- 長雨の予報が出たら、莢が茶色くなり始めた株を刈り取ります。屋根の下で乾かせば追熟します。
- 鉢は軒下へ移す
- プランターで作っている場合は、雨の日だけ軒下へ移します。移動できるのが容器の利点です。
育ちが悪いときの切り分け
葉ばかり茂る、花が咲かない、株が黄色い、下から枯れる。レンズ豆の不調は肥料と水と日照に分かれます。株の姿を順に見ていくと、その年に打つ手と来年の直し方が決まります。
- 葉が茂って花が少ない
- 肥料が多すぎます。追肥をやめて水も控えます。次は堆肥だけにして化成肥料を入れません。
- 株が黄色く元気がない
- 過湿による根の傷みです。水やりを止め、畝の周りに溝を切って水を逃がします。土を掘って湿り気を確かめます。
- 下の葉から枯れ上がる
- 株元の蒸れか病気です。株間を確かめ、傷んだ葉を取り除いて風を通します。密植なら間引きます。
- 株が小さいまま伸びない
- 日照不足か酸性の土です。日当たりを確かめ、次はまく前に苦土石灰で酸度を整えておきます。
レンズ豆の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
レンズ豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレンズ豆の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。