一年の流れをつかむ
レンズ豆の一年は、秋にまいて小さな株で冬を越し、春に伸びて初夏に穫るという流れです。畑を八か月ほど占めるので、他の作物との組み合わせを先に考えておくと計画が立てやすくなります。
下の表は関東平野の露地を基準にしています。暖地では冬越しが楽になり、寒冷地では春まきのほうが確実です。標高や海からの距離でも一週間から二週間はずれます。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 9月 | 畝の準備、苦土石灰と堆肥 | 水はけのよい高い畝を作る |
| 10月〜11月上旬 | 種まき、防鳥の覆い | 冬までに本葉を数枚出させる |
| 12月〜1月 | 株元に土寄せ、水の逃げ道作り | 霜柱と過湿から根を守る |
| 2月 | 春まきの準備、覆いの点検 | 春の伸びに備える |
| 3月〜4月 | 株が伸びる、杭と紐で支える | 倒れを防いで開花に備える |
| 4月〜5月 | 開花、莢が付く、雨よけ | 莢を雨から守る |
| 5月〜6月上旬 | 刈り取り、乾燥、脱穀 | 梅雨に入る前に終える |
| 6月中旬以降 | 片づけ、次の作の準備 | 畝を空けて夏の作物へ |
秋は畝作りとまき時が勝負
九月のうちに畝を作ります。苦土石灰をまいて耕し、二週間おいてから完熟堆肥を少量混ぜ、二十センチほど高い畝に整えます。肥料を入れすぎないことが後で効いてきます。
まき時は十月から十一月上旬です。早すぎると冬までに株が大きくなりすぎて寒さに弱くなり、遅すぎると根が張らないまま冬に入ります。本葉が三枚から四枚で越冬させるのが目安です。
- 九月に石灰と畝立て
- 苦土石灰をまいて耕し、二週間おいて堆肥を少量混ぜ、二十センチ高い畝に整えておきます。
- 十月中旬にまく
- 株間二十センチ、条間三十センチで点まきします。深さ二センチを守り、鳥よけの覆いをかけます。
- 本葉三枚で越冬させる
- 十二月に本葉が三枚から四枚あれば十分です。大きすぎる株は寒さで傷みやすくなります。
冬は守りに徹する
十二月から二月は生育がほとんど止まります。この時期にすることは、霜柱で根が浮かないように株元へ土を寄せることと、雪解けや長雨で水がたまらないように溝を切っておくことの二つです。
肥料も水も要りません。手をかけるほど株が傷むので、見回って倒れた株を起こす程度にとどめます。雪が積もっても、下の株は意外に無事なことが多いです。
- 十二月に土寄せする
- 土寄せ(株元に土をかけて根を隠す作業)をして、霜柱で株が持ち上がるのを防ぎます。
- 溝を切っておく
- 畝の低い側に溝を切り、雪解け水や雨がたまらないようにします。過湿が冬のいちばんの敵です。
- 浮いた株を押さえる
- 霜柱で持ち上がった株は根が切れています。見つけたら押し戻して土をかけ直しておきます。
寒冷地で冬越しできなかった場合は、翌年から春まきに切り替えます。四月にまいて七月に穫る形になります。
春は伸びと開花を見守る
三月に気温が上がると株が急に伸び始めます。四月には枝分かれして広がるので、この時期までに畝の両端に杭を立て、紐を二段に張って倒れを防ぎます。花が咲く前に済ませます。
四月から五月に小さな白や淡い紫の花が咲き、そのあと莢が付きます。開花期に高温や水切れが重なると莢の中が空になるので、極端に乾いたときだけ水を与えます。
- 四月に杭と紐を張る
- 畝の両端に杭を立て、二十センチと四十センチの高さに紐を張って株を挟むように支えます。
- 開花期は乾かしすぎない
- 花のころに土がひどく乾いていたら一度だけ与えます。それ以外の時期は与えなくて構いません。
- 倒れた株を起こす
- 雨や風で倒れた株は早めに起こして紐に寄せます。地面に触れたままだと莢が傷みます。
初夏は梅雨との競争になる
五月に入ると莢が黄色く色づき始めます。関東の梅雨入りは六月上旬なので、そこまでに刈り取りと乾燥を終えるのが目標です。七割の莢が茶色くなったら、迷わず株ごと刈ります。
長雨の予報が出たら、莢が茶色くなり始めた段階でも刈り取ります。屋根の下に吊るしておけば追熟するので、畑で完熟を待つより確実です。
| 時期 | 株の姿 | すること |
|---|---|---|
| 5月上旬 | 莢が緑からふくらむ | 雨よけを立てる |
| 5月中旬 | 莢が黄色く色づく | 刈り取りの準備をする |
| 5月下旬〜6月上旬 | 七割の莢が茶色 | 株ごと刈って乾かす |
| 6月中旬 | 梅雨に入る | 畑には残さず片づける |
地域で時期がずれるときの目安
上の表は関東平野の露地が基準です。暖地では冬越しが楽で秋まきが向き、寒冷地では冬が厳しいので春まきが確実になります。梅雨のない地域では、時期の縛りがずっとゆるくなります。
自分の畑でのまいた日、開花の日、刈り取りの日を毎年書き残しておくと、二年目からはその数字で計画が立てられます。採れた量も一緒に残しておくと、面積の見当が付きます。
| 地域 | 向く作型 | 収穫の時期 |
|---|---|---|
| 暖地(九州・四国南部) | 秋まき | 5月 |
| 中間地(関東・近畿) | 秋まきか早春まき | 5月下旬から6月上旬 |
| 寒冷地(東北・北海道) | 春まき | 7月から8月 |
レンズ豆の栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
レンズ豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はレンズ豆の育て方にまとめています。
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