掘り上げるか植えっぱなしかを決める
ユリは系統によって植えっぱなしでの持ちが違います。スカシユリや新テッポウユリは丈夫で三〜四年放置しても咲きますが、オリエンタル系の大輪種は二年目から花が減りやすく、秋に掘り上げて植え直すと安定します。鉢植えは土が痩せるので、系統に関係なく毎年秋に植え替えます。
判断の材料は今年の花の姿です。花数が減った、茎が細くなった、株がひとかたまりに込み合ってきたと感じたら、掘り上げの合図です。
| 系統 | 植えっぱなしの目安 | 判断の材料 |
|---|---|---|
| スカシユリ・アジアティック系 | 三〜四年 | 株が込み合い花が小さくなったら |
| 新テッポウユリ | 二〜三年 | 茎が細くなったら |
| オリエンタル系 | 一〜二年 | 翌年の花が減ったら毎年掘る |
| 鉢植え全般 | 毎年 | 秋に必ず植え替え |
葉が枯れるまで待つ
掘り上げは葉が黄色く枯れ上がってからです。関東では九月下旬から十月が目安です。葉が緑のうちに掘ると球根が太りきっておらず、翌年の花が小さくなります。葉が枯れたら茎を根元近くで切り、球根を傷つけないよう茎から十五センチほど離れた場所からスコップを入れ、広く深く掘り上げます。
掘り上げは晴れた日の午前中に行い、掘った球根を日に長く当てないようにします。鱗片が乾き始めると弱るので、掘ったらすぐ日陰へ移し、湿らせた新聞紙をかけておきます。
- 茎を切って目印にする
- 枯れた茎を十センチほど残して切り、球根の位置の目印にします。引き抜くと球根が割れることがあります。
- 広く深く掘る
- 茎から十五センチ離した場所から、二十五センチ以上の深さまでスコップを入れて、土ごと持ち上げます。
- 土を落として観察する
- 手で土を落とし、球根の大きさ、腐りの有無、分球の状態を確かめます。乾かさないよう手早く行います。
分球と木子の扱い
掘り上げると、親球のわきに小さな球根が付いていたり、茎の地中部分に木子(茎に付く小さな球根)ができていることがあります。親球と同じくらいの大きさなら分けてすぐ植えれば翌年咲きます。小さい木子は別の場所にまとめて植え、二〜三年育てると花が咲く大きさになります。
- 大きい分球はすぐ植える
- 親球と自然に離れるものは手で分けます。無理に引き裂かず、つながっているならそのまま植えます。
- 木子は育成場所へ
- 直径二センチ前後の木子は深さ十センチほどに五センチ間隔で植え、二〜三年は花を期待せずに葉を育てます。
- 傷んだ鱗片は取る
- 外側の茶色く腐った鱗片は指で外します。健全な白い鱗片が残っていれば問題ありません。
球根は乾かさずすぐ植える
ユリの球根はチューリップと違い、乾燥保存に向きません。掘り上げたらその日のうちに新しい場所へ植えるのが原則です。すぐ植えられないときは、湿らせたバーミキュライトやおがくずと一緒にポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保管します。保管は長くても一か月までにし、十一月中には植えます。
| 状態 | 扱い | 期限 |
|---|---|---|
| 掘り上げてすぐ | 新しい場所へ植える | 当日 |
| すぐ植えられない | 湿らせた資材と冷蔵庫の野菜室 | 一か月以内 |
| 鱗片が乾いて剥がれる | 一晩湿らせてから植える | 早めに |
| やわらかく臭う | 処分 | ― |
植え直す場所は、前年と同じところを避けて連作を防ぎます。同じ場所しかないなら土を三十センチ以上入れ替えます。
植えっぱなしの株の冬支度
掘り上げない株は、葉が枯れたら茎を切り、株元の土を軽く掘って腐葉土と緩効性の化成肥料を混ぜ込みます。深植えなので霜で球根が傷むことは少ないのですが、寒冷地では敷きわらか腐葉土を五センチほど重ねて凍結を防ぎます。冬の間は雨まかせでよく、乾燥が続いたときだけ午前中に水を与えます。
- 株元に腐葉土と元肥
- 茎の周りの土を五センチほど掘り、腐葉土をひと握りと化成肥料を十グラムほど混ぜて戻します。球根に肥料が触れない深さにとどめます。
- 寒冷地は覆いを重ねる
- 敷きわらか腐葉土を五センチ重ね、春に芽が出るころに外します。外し忘れると芽が曲がって出てくるので、三月に入ったら株元を確かめます。
翌年咲かない・球根が痩せるときの原因
掘り上げた球根が去年より小さくなっていたら、花後の管理に原因があります。切り花で葉ごと切った、花後の追肥(育ちの途中で足す肥料)を省いた、真夏に水を切らした、株元が高温になった、のどれかがほとんどです。球根が腐っていたなら水のやりすぎか、肥料が球根に触れたことが疑われます。
| 状態 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 球根が小さく軽い | 葉を早く切った、追肥不足 | 葉を残し花後三日以内に追肥 |
| 球根が腐っている | 過湿、肥料が触れた | 水はけを直し、肥料は土を挟む |
| 分球ばかりで親球がない | 老化、密植 | 大きい分球を選んで植え直す |
| 球根は大きいが咲かない | 浅植え、日照不足 | 深植えと場所の見直し |
ユリの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
ユリの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はユリの育て方にまとめています。
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