開花のサインを見る
ユリのつぼみは緑から白や花色へ変わり、先端がゆるむと翌日から翌々日に開きます。花は一輪が五日から一週間ほど持ち、一本の茎に付いたつぼみが下から順に開くので、株全体では二〜三週間楽しめます。関東では六月中旬から七月が開花期で、系統によって二週間ほど前後します。
つぼみの数は植えた球根の大きさでほぼ決まり、大球なら五〜八輪、小球なら一〜三輪が目安です。つぼみが見えたら水切れに注意し、色づき始めたら支柱のひもをもう一段足して、花の重さで傾かないようにします。
| 系統 | 開花の目安 | 一輪の寿命 |
|---|---|---|
| スカシユリ・アジアティック系 | 6月上旬〜中旬 | 四〜五日 |
| テッポウユリ | 6月中旬〜下旬 | 五〜六日 |
| オリエンタル系 | 7月上旬〜中旬 | 五〜七日 |
| ヤマユリ・カノコユリ | 7月中旬〜8月 | 四〜六日 |
おしべを取ると花が長持ちする
ユリの花が開いたら、花粉が出る前におしべの先の葯(花粉の袋)をつまんで取ります。花粉が付くと花弁が茶色く汚れ、受粉した花は早くしおれます。花粉は衣類に付くと落ちにくいので、室内に飾るときも取るのが一般的です。取るのは葯だけで、めしべは残しても問題ありません。
葯を取ると花持ちが一〜二日延び、花弁の汚れも防げます。庭で咲かせる場合も同じで、雨で花粉が流れて花弁に付くしみを避けられます。すべての花で行う必要はなく、目立つ場所の株だけでもかまいません。
- 開いた日の朝に取る
- 花が開いた日、まだ葯が閉じて緑がかっているうちにティッシュで包んで引き抜きます。開いて赤茶色の花粉が出てからでは遅く、花弁に付きます。
- 花弁に付いたら払う
- 花粉が付いてしまったら、水で拭かずにティッシュや筆で乾いたまま払い落とします。濡らすとしみになります。
- 香りが強すぎるときも
- オリエンタル系の強い香りが気になるときは、葯を取るだけでいくらか和らぎます。寝室に飾るなら、香りの弱いスカシユリ系を選ぶのも一つの方法です。
切り花にするときの切り方
切り花にするなら、一番下のつぼみが色づいて開きかけたころに切ります。ここで大事なのは、茎を根元から切らないことです。葉は翌年の球根を太らせる工場なので、茎の下半分、少なくとも葉を十枚以上は株に残して切ります。根元から切ると球根が太らず、翌年は咲きません。
| 目的 | 切る位置 | 残す葉の目安 |
|---|---|---|
| 切り花で楽しみたい | つぼみのある上部三分の一〜半分 | 十枚以上 |
| 球根を確実に太らせたい | 花だけ摘む | 全部 |
| 球根は諦めて長い花を | 根元近く | なし、翌年は咲かない |
切ったらすぐに水に浸け、下の葉を落として深水に一時間置きます。毎日水を替え、茎の先を少し切り戻すと十日ほど持ちます。
花がらは早めに摘む
庭で咲かせ切った花は、しおれたら花首で摘み取ります。放っておくと種を作ることに養分を回し、球根が太りません。すべての花が終わったら花茎の先端を切り、葉を残した茎はそのまま秋まで立てておきます。この葉が枯れるまで光合成を続けて、球根に養分を戻します。
- しおれた花を花首で
- 花弁が反り返って色が抜けたら、花のすぐ下で摘みます。まだ開いていないつぼみを傷つけないよう手で折ります。
- 全部終わったら先端だけ切る
- 最後の花が終わったら、花が付いていた部分だけを切り、葉のある茎は残します。ここで茎ごと切ると球根が太らず、翌年の花が小さくなります。
- 茎は葉が枯れてから抜く
- 九月から十月に葉が黄色く枯れたら、茎を根元近くで切ります。引き抜くと球根を傷めるので、切るのが安全です。
花が咲かない・小さいときの原因
植えた年に咲かないのはまれで、多くは二年目以降に花が減る形で現れます。原因は前年の葉を早く切ったこと、花後の追肥不足、球根が分球して小さくなったこと、日照不足のどれかです。株の姿を見て振り返り、翌年の管理を直します。
つぼみが付いたのに開かずに枯れる、または花弁が縮れて奇形になるのは、ウイルス病かアブラムシの吸汁が原因のことがあります。病害虫のページも合わせて確かめてください。
| 見た目 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 茎は太いが花が付かない | 前年の葉を早く切った | 今年は葉を枯れるまで残す |
| 茎が細く花が一〜二輪 | 球根が痩せた、分球 | 秋に掘り上げて大きい球根を植え直す |
| つぼみが黄色く落ちる | 水切れ、日照不足 | 朝の水やりと置き場所の見直し |
| 花弁が縮れる、モザイク模様 | ウイルス病 | 抜き取って処分、翌年は場所を変える |
毎年咲かせるための花後の流れ
ユリを毎年咲かせる鍵は、花が終わってからの二か月にあります。花後すぐに追肥(育ちの途中で足す肥料)をして、葉を残したまま水を切らさず、九月まで光合成をさせます。この間に球根が太り、来年のつぼみのもとができます。葉が黄色く枯れ上がったら、休眠期に入った合図です。
- 花後三日以内に追肥
- 化成肥料を株のまわりに五グラムほどばらまきます。液体肥料なら千倍に薄めたものを二週間おきに二回与え、葉が緑のうちに球根へ養分を戻します。
- 九月まで水を切らさない
- 葉が緑のうちは成長期です。真夏も朝の水やりを続け、株元の敷きわらで地温を抑えます。
ユリの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
ユリの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はユリの育て方にまとめています。
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