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ユリの球根の植え付け

ユリの球根の植え付け|深植えで上根を出させ、系統に合った場所を選ぶ

ユリの栽培イメージ

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ユリは球根の上からも根が出る特殊な花です。深く植える理由と、系統ごとの置き場所の違いを解説します。

まず系統を確かめてから場所を決める

ユリはひとくちに言っても、日向を好むスカシユリの仲間、半日陰でこそ美しく咲くヤマユリやカノコユリ、その中間のオリエンタル系やテッポウユリなど、系統によって好む環境がはっきり分かれます。買った球根の袋や苗のラベルで系統を確かめ、それに合った場所を用意することが植え付けの最初の判断です。

関東平野部の露地なら、午前中に日が当たり午後は木陰になるような場所がほとんどの系統に合います。一日中西日が当たる場所は葉が焼け、一日中日陰では茎が細くなって花が小さくなります。株の姿を見て、翌年に場所を変える前提で植えてもかまいません。

系統好む日当たり植え付けの深さの目安
スカシユリ・アジアティック系日向球根の高さの二〜三倍
オリエンタル系(カサブランカ等)午前日向・午後半日陰球根の高さの三倍
テッポウユリ・新テッポウユリ日向〜明るい半日陰球根の高さの二〜三倍
ヤマユリ・カノコユリ明るい半日陰球根の高さの三倍以上

球根の袋に系統が書かれていないときは、花の写真で見分けます。花弁に斑点が散って横向きに咲くならオリエンタルかカノコ、上向きに開くならスカシユリの仲間です。

深植えが基本の理由

ユリの球根は下から出る根のほかに、球根の上の茎からも根を出します。この上根が水と養分を吸い、茎を支える主役になります。浅く植えると上根が出る余地がなく、茎がぐらついて倒れ、花も小さくなります。そのため球根の高さの二〜三倍の深さ、つまり十五〜二十センチほど土をかぶせる深植えが基本です。

チューリップやヒヤシンスと同じ感覚で浅く植えてしまうのが、ユリでいちばん多い植え付けの失敗です。深すぎて困ることはほとんどないので、迷ったら深めに植えると考えてください。

穴を深く掘る
深さ二十五〜三十センチの穴を掘り、底に腐葉土と緩効性の化成肥料を混ぜた土を五センチほど戻します。肥料が球根に直接触れると腐るので、必ず土を挟みます。
球根を置く
球根の先端を上にして置き、球根の高さの二〜三倍の土をかぶせます。大球なら二十センチ、小球でも十五センチは土が乗るようにします。
株間を取る
大輪のオリエンタル系は三十センチ、スカシユリなら二十センチほど離します。近すぎると風通しが悪くなり、葉枯病の原因になります。
植えたら水をたっぷり
植え付け直後にたっぷり水を与えて土を落ち着かせ、その後は芽が出るまで乾かしすぎない程度に保ちます。

球根選びで見るところ

良い球根は鱗片(球根を作っている一枚一枚の鱗のような部分)がしまって重く、外側にかびや黒ずみがありません。乾いて鱗片がぱりぱりと剥がれるものや、押すとぶよぶよするものは避けます。ユリの球根は乾燥に弱いので、買ったらその日のうちに植えるか、湿らせたおがくずやバーミキュライトに包んで冷蔵庫の野菜室に入れておきます。

秋に出回る球根は十月から十一月に植えるのが適期です。春先に出回る球根は花が咲くころに掘り上げられて冷蔵保存されたもので、根が痛んでいることもあるため、三月中に早めに植えて上根を出させます。

状態判断扱い
鱗片がしまって重い良い球根そのまま植える
鱗片の外側が茶色く乾く軽い乾燥湿らせて一晩置いてから植える
押すとやわらかい・黒い腐り植えない
白い根が伸びている生きている証拠根を切らずに植える

鉢植えは深鉢と球根の数で決める

鉢で育てるなら深さが三十センチ以上ある深鉢を使い、球根の上に十五センチ以上の土が乗るようにします。八号鉢(直径二十四センチ)なら大球一つ、十号鉢なら三つが目安です。用土は市販の草花用培養土赤玉土の小粒を三割混ぜて水はけを良くします。

鉢底に石を厚めに
鉢底石を三センチほど敷いて水はけを確保します。ユリは根が腐るとほぼ回復しないので、水はけが最優先です。
球根の位置は鉢の中ほど
鉢の高さの半分より下に球根の底が来るように用土を入れ、球根を置いてから縁の二〜三センチ下まで土をかぶせます。
冬は軒下に置く
植え付け後は雨の当たりにくい軒下で管理し、土が乾いたら水を与えます。凍る心配がある地域は発泡スチロールの箱に入れます。

芽が出ない・倒れるときの原因と立て直し

春になっても芽が出ないときは、球根が腐っているか、乾燥して枯れているかのどちらかがほとんどです。指で土を掘って球根を触ってみて、固ければ待ち、やわらかいなら諦めます。芽が出ても茎が細く倒れやすいときは、浅植えで上根が出ていないか、日照不足です。

浅植えだった株は、茎が二十センチほど伸びた時点で株元に土を十センチほど盛る土寄せ(株元へ土を寄せて根を守る作業)をすると、上根が出て立ち直ることがあります。

症状考えられる原因立て直し方
春に芽が出ない球根の腐り・乾燥掘って確かめ、固ければ待つ
茎が細くぐらつく浅植え、上根不足株元に土寄せをする
葉が黄色く下から枯れる水のやりすぎ水を控えて乾かす
芽が出たあと急にしおれる球根が腐った掘り上げて処分し、場所を変える

植えたままにするか掘り上げるか

ユリは植えっぱなしでも数年は咲きますが、系統によって差があります。スカシユリや新テッポウユリは丈夫で三〜四年放置しても咲きますが、オリエンタル系は二年目から花が減ることが多く、秋に掘り上げて植え直すか、少なくとも株元の土を入れ替えます。鉢植えは毎年秋に植え替えるのが確実です。

植えっぱなしにするなら、花後に葉を残して球根を太らせることが翌年の花を決めます。詳しくは休眠期の管理を参照してください。

系統で判断する
スカシユリ系は三年、オリエンタル系は二年を目安に掘り上げます。花が小さくなった、茎が細くなったと感じたら、期間に関係なく掘り上げて植え直します。
掘り上げは十月
葉が黄色く枯れてから、球根を傷つけないように広めに掘ります。分球していれば分けて、すぐに新しい場所へ植えます。

ユリの植え付けに使うもの

苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。

  • 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
    規格の目安
    元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
    数量の目安
    8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。

    花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。

  • 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
    規格の目安
    葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
    数量の目安
    花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。

    土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。

  • 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
    規格の目安
    粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
    数量の目安
    8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。

    根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。

    出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」

  • 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
    規格の目安
    幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。

    球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
  • 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。

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