一年の流れを表で見る
関東平野部の露地でオリエンタル系を秋植えした場合の標準的な一年です。スカシユリ系は開花が三週間ほど早く、それに合わせて追肥も前倒しします。寒冷地は植え付けを九月に早め、春の作業を二〜三週間遅らせます。株の姿を見て、表の目安から前後二週間はずらしてかまいません。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 10月〜11月 | 球根の植え付け、元肥 | 球根の高さの二〜三倍の深さ |
| 12月〜2月 | 水やりは控えめ、防寒 | 鉢は軒下で凍らせない |
| 3月〜4月 | 芽出し、追肥、土寄せ | 芽が十センチで一回目 |
| 5月 | 支柱、液体肥料、敷きわら | 草丈五十センチで支柱 |
| 6月〜7月 | 開花、おしべ取り、花がら摘み | 系統で三週間の幅 |
| 7月〜8月 | 花後の追肥、水切れ注意 | 葉を残して光合成 |
| 9月〜10月 | 葉が枯れたら茎を切る、掘り上げ | 分球して植え直す |
秋は植え付けと乾燥対策
十月から十一月に球根を植えます。ユリの球根は乾くと弱るので、買ったらすぐに植えるのが原則です。植えた直後にたっぷり水を与え、その後は土が乾きすぎない程度に保ちます。この時期に下根が伸びて、春の芽出しに備えます。植えっぱなしの株は、葉が枯れたら茎を切り、株元の土に腐葉土を混ぜ込みます。
植え付けの深さは球根の高さの二〜三倍が目安です。浅植えは上根が出ずに倒れる原因になるので、迷ったら深めに植えます。元肥(植え付け前に土へ混ぜる肥料)は球根に触れない位置に入れ、土を挟んでから球根を置きます。
- 球根はその日のうちに植える
- すぐ植えられないときは、湿らせたバーミキュライトに包んで冷蔵庫の野菜室に入れておきます。乾燥させないことが最優先です。
- 植えたら目印を立てる
- 深植えなので春まで地上に何も出ません。誤って掘り返さないよう、ラベルや棒で場所を示します。
冬は手をかけず凍らせない
十二月から二月は地上に何もなく、球根は土の中で根を伸ばしています。露地では特に作業はなく、乾燥が続いたときに午前中に水を与える程度です。鉢植えは雨の当たらない軒下に置き、表土が乾いてから二〜三日後に水を与えます。鉢の土が凍ると球根が傷むので、寒波のときは発泡スチロールの箱に入れます。
| 状態 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 露地で土が乾いてひび割れ | 乾燥 | 午前中に一回たっぷり |
| 鉢土が凍っている | 凍害の恐れ | 軒下か箱の中へ移す |
| 土の表面に緑のこけ | 過湿 | 水を控える |
春は追肥と土寄せで上根を出す
三月下旬から四月に芽が出ます。芽が十センチほど伸びたら一回目の追肥(育ちの途中で足す肥料)をして、株元に土を寄せます。四月から五月は成長がもっとも早く、一週間で二十センチ伸びることもあります。草丈が五十センチになったら支柱を立て、つぼみが見えたらリン酸の多い液体肥料に切り替えます。
この時期は雨が少ない年もあり、成長が早いぶん水切れが目立ちます。晴天が一週間続いたら朝にたっぷり与え、株元の土を触って乾いているかを確かめる習慣をつけます。
- 芽が十センチで追肥と土寄せ
- 化成肥料を株のまわりに五グラムほどばらまき、株元に土を五センチほど寄せます。上根が伸びる場所を作ります。
- 五月に支柱と敷きわら
- 草丈五十センチで支柱を球根から十センチ離して斜めに立て、麻ひもを八の字にかけます。梅雨明け前に株元へ敷きわらをして地温を抑えます。
- つぼみが見えたら液体肥料
- リン酸の多い液体肥料を千倍に薄め、二週間に一回、つぼみが色づくまで与えます。窒素の多い肥料はつぼみが落ちる原因になるので避けます。
夏は開花と花後の球根作り
六月から七月に開花します。おしべの葯を取って花を長持ちさせ、しおれた花は花首で摘みます。全部の花が終わったら花茎の先端だけを切り、葉を残した茎はそのままにします。花後三日以内に追肥をして、九月まで朝の水やりを続けます。この二か月で翌年の花の大きさが決まります。
- 開花中は水を切らさない
- つぼみと花の水切れは花持ちを縮めます。朝に株元へたっぷり、真夏は夕方も土を触って確かめます。
- 花後に追肥
- 最後の花が終わったら化成肥料を五グラムほど株のまわりに。葉が緑のうちに与えます。
予定が狂ったときの立て直し
秋に植えそびれた球根は、冷蔵庫で保管して十二月までに植えれば春に間に合います。それも過ぎたら二月から三月に植え、開花が二〜三週間遅れると見込みます。春に芽が出ないときは掘って球根を確かめ、固ければ待ち、やわらかければ諦めます。開花期に台風で倒れたら、折れた茎は切って葉のある部分を残し、翌年の球根作りに切り替えます。
| 場面 | 対応 | 見込み |
|---|---|---|
| 秋に植えそびれた | 十二月までに植える | 通常通り咲く |
| 二〜三月に植えた | 浅くならないよう深植え | 開花が二〜三週間遅れる |
| 春に芽が出ない | 掘って球根の固さを確かめる | 固ければ一か月待つ |
| 開花期に倒れた | 折れた部分を切り葉を残す | 翌年に期待 |
ユリの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
ユリの長く咲かせるコツは作物ページに
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