水やりは時期で強弱をつける
地植えのびわは根づけば夏でもほとんど水やりが要りません。ただし、十一月ごろの開花期と、三月から五月の実が肥る時期は水が足りないと花が落ちたり実が小さいまま止まったりします。この二つの時期だけは、二週間以上雨が降らなければたっぷり与えます。
鉢植えは常緑で葉が多いぶん乾きが早く、夏は毎日、冬でも三日から四日に一回は土の表面を触って確かめます。冬に水を切りすぎると葉が丸まって落ちます。
水やりの判断は天気ではなく土でします。株元から三十センチ離れた場所を指の第二関節まで掘り、そこが乾いていれば与える、湿っていれば見送る、で迷いません。表面だけ乾いて見えても中は湿っていることが多い果樹です。
| 時期 | 地植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 三〜五月(実の肥大) | 二週間雨がなければたっぷり | 表面が乾いたら毎回 |
| 六〜九月 | 基本は不要 | 朝夕の二回になることもある |
| 十〜十二月(開花) | 乾きが続けば与える | 三日に一回を目安 |
| 一〜二月 | 不要 | 四日に一回、暖かい日中に |
肥料は年三回、控えめに
びわは肥料が多いと枝葉ばかり茂って実がつかなくなります。元肥(一年の土台になる肥料)を二月に、追肥(育ちの途中で足す肥料)を六月の収穫後と九月に少量与える三回で十分です。窒素分の多い肥料を避け、油かすと骨粉を混ぜた有機質か果樹用の緩効性肥料を使います。
鉢植えは地植えの半分から三分の一の量にします。鉢の中は肥料が逃げないので、地植えと同じ量を入れると根が傷みます。緩効性の粒状肥料なら、鉢の縁に沿って表面に置くだけで二か月ほど効きます。
- 二月に元肥を施す
- 枝先の真下あたりに浅く溝を掘り、油かすと骨粉を合わせて一株につき二百から三百グラム入れて埋め戻します。株元に直接まくと根を傷めます。
- 六月の礼肥で体力を戻す
- 収穫が終わったら果樹用の化成肥料をひとつかみ、枝先の下に軽くまきます。実をならせた後の木は消耗しているので、この一回が翌年の花芽を左右します。
- 九月に少量だけ
- 花芽の充実を助ける目的で、六月の半分の量を与えます。多すぎると冬に枝が伸び続けて寒さに弱くなります。
株元のマルチと草の管理
びわの根は浅く広がるため、株元を裸にしておくと夏に土が熱くなり細根が傷みます。株元から半径五十センチに敷きわらか腐葉土を五センチ敷くと、乾きが緩やかになり冬の霜柱も防げます。幹に直接触れないよう、幹から五センチは空けます。
敷きわらが手に入らないときは、腐葉土や落ち葉、刈った草でも構いません。ただし、びわ自身の落ち葉は病気の菌が残ることがあるので、株元には戻さず処分します。夏の終わりに薄くなっていたら、九月の剪定に合わせて足します。
- 五月に敷きわらを敷く
- 実が肥り始める時期に合わせて敷きます。厚さ五センチが目安で、薄いと草が突き抜けます。
- 草は根ごと抜かず刈る
- 株元の草を根ごと引き抜くとびわの細根も一緒に切れます。地際で刈るだけにして、刈った草はそのままマルチにします。
冬の寒さから花と実を守る
びわは氷点下三度で花が、氷点下五度で幼い実が凍って落ちます。関東平野部では一月から二月の冷え込みで、実の中の胚が死んで種のない小さい実だけが残る失敗がよく起こります。冷え込みの予報が出た夜だけでも、不織布や寒冷紗を枝先にかぶせると被害が減ります。
幼木のうちは幹に藁を巻き、株元に落ち葉を厚く敷いて根を守ります。三年目以降の木は幹が太くなり、防寒は花房と実だけで十分です。
| 気温の目安 | 起きること | 手当て |
|---|---|---|
| 氷点下三度 | 開花中の花が凍る | 夜だけ不織布をかける |
| 氷点下五度 | 幼い実の胚が死ぬ | 枝先を寒冷紗で覆う |
| 氷点下七度以下 | 葉や枝が枯れ込む | 鉢植えは軒下へ移す |
覆いは夕方にかけて朝に外すのが基本です。日中もかけたままにすると中が蒸れ、花房にカビが出ることがあります。
葉の色で手当てを判断する
びわは不調を葉に出します。葉の色や落ち方を見て、水と肥料のどちらを直すか切り分けます。全体が薄い黄緑なら肥料不足、古い葉から黄ばんで落ちるなら根詰まりか水切れ、新芽が黒ずんで縮れるなら寒さか肥料の与えすぎです。
肥料のやりすぎは取り消せないため、疑わしいときはたっぷり水を流して薄め、次回の肥料を抜きます。回復には二か月から三か月かかるので、あわてて追加の肥料を与えないことが大切です。
常緑のびわでも、春の新芽が出るころに古い葉が黄ばんで落ちるのは正常な入れ替わりです。落ちるのが古い葉だけで新芽が元気なら、手当ては要りません。
| 葉の見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 全体が薄い黄緑 | 肥料不足 | 六月か九月に規定量の追肥 |
| 古い葉が黄ばんで落ちる | 水切れか根詰まり | 水やりを見直し鉢植えは植え替え |
| 新芽が黒く縮れる | 寒さか肥料過多 | 防寒し次の肥料を抜く |
| 葉先だけ茶色く枯れる | 夏の乾燥と直射 | 敷きわらと夕方の水やり |
びわの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
びわの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はびわの育て方にまとめています。
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