採り頃は色と手ざわりで判断する
びわは収穫後に甘くならないため、木で完熟させてから採ります。袋を少し開けて全体が橙色になり、へたの周りの緑が消え、触って軽く弾力を感じたら採り頃です。関東では六月上旬から中旬に集中し、一本の木でも南側の実から順に熟します。
袋をかけた実は外から色が見えないので、袋の下側を少し破って中をのぞきます。一房の中でも熟し方はそろわず、色づいたものから二日から三日おきに採るのが基本です。全部が色づくのを待つと、先に熟した実が過熟になります。
| 見た目 | 状態 | 扱い |
|---|---|---|
| 全体が橙色で弾力がある | 完熟 | その日のうちに採る |
| へたの周りが緑 | 未熟 | 三〜五日待つ |
| 表面にしわ、柔らかすぎる | 過熟 | すぐ食べるか加工 |
| 黄色で小さく硬い | 寒害で肥らない実 | 食べられるが甘みは薄い |
品種によって熟した色が違います。茂木はやや薄い橙、田中は濃い橙で、色だけでなく弾力を合わせて判断します。
傷をつけずに採る
びわの皮は薄く、指で強くつかむとそこから傷んで一日で茶色くなります。実そのものではなく軸を持ち、はさみで軸を切って採ります。表面の白い粉のような毛は鮮度の証なので、こすらないようにします。
採った直後の実は温度が高く、そのまま袋に詰めると蒸れて傷みます。風通しのよい日陰に一時間ほど置いて粗熱を取ってから、容器に移します。
雨の日や雨上がりの収穫は避けます。濡れた実は皮がふやけて傷みやすく、袋の中に水がたまっていることもあります。雨が続くときは晴れ間を待ち、実が乾いてから採ります。
- 朝の涼しいうちに採る
- 気温が上がる前の朝に採ると実が締まっていて傷みにくくなります。日中に採った実は日持ちが半分ほどになります。
- 軸を持ってはさみで切る
- 実を握らず軸の部分をつまみ、房の付け根ではなく実ごとに軸を残して切ります。袋ごと切り取って中で扱うと傷が減ります。
- 重ねずに並べる
- 採った実は浅い容器に一段で並べます。重ねると下の実がつぶれ、その傷から一日で茶色く変色します。容器の底に新聞紙を敷くとなお安心です。
日持ちは三日、冷やしすぎない
びわは常温で二日から三日、冷蔵庫の野菜室で四日から五日が限度です。冷蔵庫の冷えすぎる場所に入れると皮が黒ずみ味が落ちるため、食べる直前に一時間ほど冷やす程度にとどめます。
人に配るときは、採った当日に渡すのが親切です。翌日になると軸の周りから茶色くなり始めます。配る予定があるなら、渡す日の朝に採るように収穫の日取りを組みます。
保存するときは軸を残したまま、実どうしが触れないよう並べます。軸を取ると、その跡から水分が抜けてしぼみ、皮も黒ずみやすくなります。食べる直前に軸を取るのが日持ちのこつです。
| 場所 | 日持ちの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 常温の風通しのよい場所 | 二〜三日 | 直射日光を避ける |
| 野菜室 | 四〜五日 | 新聞紙で包み乾燥を防ぐ |
| 冷蔵室の冷える棚 | 向かない | 皮が黒ずみ味が落ちる |
食べきれない実の加工
一本の成木からは百個以上の実が採れるので、生食では追いつきません。コンポートやジャムにすると三か月ほど保存でき、皮と種を除いて冷凍すれば半年持ちます。種は苦く食用には向かないので、必ず除いてから加工します。
加工に回す実は、完熟の一歩手前で採ったもののほうが煮崩れせず形が残ります。過熟の実はジャムにすると香りがよく出るので、状態で使い分けます。
- コンポートにする
- 皮をむいて半分に割り種を取り、実の重さの三割の砂糖と水で十分ほど煮ます。煮沸した瓶に詰めれば冷蔵で一か月ほど持ちます。
- 冷凍する
- 皮と種を除いた実を金属バットに並べて凍らせ、固まったら袋に移します。半解凍でシャーベットのように食べられます。
びわの種や未熟な実には体に負担のある成分が含まれると言われています。種を粉にして食べるような利用は避けてください。
実が小さい、少ないときの見直し
収穫した実が親指ほどしかない、あるいは数が少ない年は、原因のほとんどが摘果不足か寒害か剪定の時期の間違いです。翌年に向けて、どれに当たるかを実の様子から切り分けます。
実が多いのに小さいなら摘果不足、実が少なく種がないなら寒害、そもそも花が咲かなかったなら冬に剪定して花芽を切った可能性が高く、それぞれ対処が違います。
| 収穫の姿 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 数は多いが小さい | 摘果不足 | 四月までに一房三〜四個へ絞る |
| 少なく種がない | 冬の寒害 | 冷え込む夜の覆いと遅咲き房の温存 |
| 花が咲かなかった | 冬の剪定か日照不足 | 剪定を九月に移し日当たりを確保 |
| 熟す前に落ちる | 水切れか虫の食害 | 五月の水やりと早めの袋かけ |
どの原因か迷うときは、来年の三月に実を割って種の状態を見るのが確実です。種が黒く縮んでいれば寒害、種が大きく実だけ薄いなら摘果不足です。
びわの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
びわの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はびわの育て方にまとめています。
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