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びわの月別の作業

びわの月別の作業|秋に咲いて初夏に採る一年のめぐり

びわの栽培イメージ

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びわは十一月に咲き六月に収穫する変わった暦の果樹です。花房の整理と防寒、袋かけの時期を月ごとに整理します。

一年の流れを表で見る

びわの暦は他の果樹と半年ずれています。秋に開花し、冬に実を抱えたまま寒さに耐え、春に一気に肥って初夏に熟します。作業もそれに合わせて、冬に防寒、春に摘果と袋かけ、夏に収穫と剪定という順になります。

表の中で欠かせないのは九月の剪定、十一月の摘房、四月の摘果と袋かけの三つです。追肥(育ちの途中で足す肥料)は多少ずれても影響が小さいので、まずこの三つの月を予定に入れておきます。

作業目安
1月防寒、枯れ枝の除去氷点下三度の予報で不織布をかける
2月元肥枝先の下に有機質肥料を埋める
3月植え付け、摘果開始実が小指の先ほどになったら
4月摘果、袋かけ一房三〜四個に絞ってすぐ袋
5月敷きわら、水やり二週間雨がなければたっぷり
6月収穫、礼肥、軽い剪定袋の中で橙色になったら採る
7月込み枝の間引き全体の一割まで
8月水やり(鉢)地植えは基本不要
9月主な剪定、追肥花芽がふくらむ前の上旬に
10月開花前の観察花房の数を数えておく
11月開花、摘房枝先一つに花房一つへ
12月防寒準備幼木は幹に藁を巻く

冬(十二月〜二月)は守りの季節

花と幼い実が木についたまま冬を越すのがびわの特徴です。この時期の作業は防寒と観察が中心で、剪定はしません。花房を触って凍っていないか確かめ、冷え込む夜だけ覆いをかけます。二月には元肥を入れ、春の肥大に備えます。

一月の寒波が過ぎたら、花房を一つ割って中を見ておくと春の見通しが立ちます。幼い実の中心が緑なら生きており、茶色や黒に変わっていれば凍害です。この時点で被害が大きいなら、三月の摘果は軽く済ませて木の負担を減らします。

冷え込む夜の覆い
天気予報で氷点下三度以下が出たら、夕方に不織布を枝先にかぶせ、翌朝日が当たる前に外します。かけっぱなしにすると日中に蒸れます。
二月に元肥
枝先の真下に溝を掘って油かすと骨粉を埋めます。株元に近すぎると根を傷めるので、幹から五十センチ以上離します。

春(三月〜五月)は摘果と袋かけ

三月に入ると実が目に見えて肥り始めます。ここで摘果(実を減らして残りを大きくする作業)と袋かけを済ませるかどうかで、収穫の質が決まります。四月中に終えるのが目安で、遅れると実が触れ合って傷がつき、袋も入りにくくなります。

三月に一回目の摘果
寒さで胚が死んだ実は肥らず小さいままなので、ふくらみの悪い実から取り除きます。一房六個ほどに減らします。
四月に二回目と袋かけ
一房三個から四個に絞り、その場で袋をかけます。袋の口は枝にしっかり巻いて留め、雨と虫の侵入を防ぎます。
五月に敷きわら
実の肥大期に土の乾きを抑えるため、株元から半径五十センチに敷きわらを五センチの厚さで敷きます。幹に直接触れないよう、幹の周りは五センチほど空けておきます。

初夏(六月〜七月)は収穫と礼肥

関東では六月上旬から中旬が収穫の盛りです。袋の上から触って柔らかさを確かめ、袋を少し開けて全体が橙色になっていれば採り頃です。収穫が終わったらすぐ礼肥を与え、込み合った枝を軽く間引きます。

時期作業目安
六月上旬収穫袋の中で全体が橙色、触って少し柔らかい
六月下旬礼肥果樹用化成肥料をひとつかみ
七月間引き剪定内向きの枝と枯れ枝だけ

秋(九月〜十一月)は剪定と摘房

九月上旬の剪定が一年でもっとも大事な作業です。この時期に高さを抑え、充実した枝先を残します。十一月に開花が始まったら、枝先ごとに花房を一つに減らす摘房を行います。摘房を省くと小さい実が多数ついて木が疲れ、翌年の花が減る隔年結果(豊作と不作を交互に繰り返す状態)が起きやすくなります。

十月は作業らしい作業がなく、木を眺める月です。花房の数を数えておくと、十一月の摘房でどれだけ減らすかの計画が立ちます。若木で花房が二十を超えるようなら、木の体力を考えて半分ほどに減らす前提で見ておきます。

九月上旬に切り戻す
二メートル半を超えた枝を横向きの枝の上で切り、徒長枝を付け根から取ります。切る量は全体の二割までにとどめます。
十一月に摘房
枝先の花房を一つ残して他を取り、残した房も上半分を指で折り取って下半分だけにします。房の下側ほど大きな実になるので、上を落としても損はありません。

暦がずれたときの立て直し

暖冬で十月に咲ききってしまった、寒波で花が全滅した、といった年は珍しくありません。花が全滅しても木は健全なので、その年は摘果と袋かけを省き、九月の剪定で翌年の枝を整えることに集中します。暖地では開花が早まるぶん収穫も五月に前倒しになります。

地域開花収穫
暖地(九州・四国南部)十〜十一月五月中旬〜六月上旬
関東平野部十一〜十二月六月上旬〜中旬
寒冷地(鉢植え前提)十一〜十二月六月下旬〜七月

鉢植えは軒下へ移せるぶん寒さの影響を受けにくい反面、乾きで暦が狂います。冬の水切れで花房が落ちるのは寒さではなく乾きが原因です。

びわの栽培に一年を通して使うもの

木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。

数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。

  • 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
    規格の目安
    刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。

    アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。

  • 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
    規格の目安
    刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。

    直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。

  • 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
    規格の目安
    油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
    数量の目安
    成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。

    冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。

    出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」

  • 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
    規格の目安
    目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
    数量の目安
    高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。

    色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
  • チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。

びわの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はびわの育て方にまとめています。

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