水深は季節で変える
水の深さは一年を通して同じではありません。芽が動き出す春は浅く、葉が茂る夏は深く、収穫前の秋はまた浅くします。水温と葉の量に合わせる、と考えると覚えやすくなります。
水深を変えるのは一度にではなく、数日かけて少しずつです。急に深くすると浮き葉が沈んで枯れるので、葉の伸びを見ながら三センチずつ上げていきます。
| 時期 | 水深の目安 | ねらい |
|---|---|---|
| 4月〜5月 | 3〜5センチ | 水温を上げて芽の伸びを早める |
| 6月〜8月 | 10〜15センチ | 水温の上がりすぎと干上がりを防ぐ |
| 9月〜10月 | 5〜10センチ | 地下茎の太りに切り替える |
| 11月以降 | 5センチ以上 | 凍結から地下茎を守る |
どの時期でも、土が水面から出て乾くのだけは避けます。半日でも干上がると葉が一気に傷みます。
夏は毎日水を足す
真夏は葉から出ていく水と蒸発が重なり、一日で三センチ以上減ることがあります。朝のうちに減った分を足す習慣にすると、水切れで葉を落とすことがなくなります。
水を足すときは容器の縁から静かに注ぎます。土の上へ直接勢いよく落とすと土が舞い、何日も濁ったままになって日が届かなくなります。
- 内側に目印を付ける
- 適した水面の高さに、油性ペンで容器の内側へ線を引きます。毎朝そこまで足すだけでよくなります。
- 朝のうちに足す
- 日が高くなる前に足すと、日中の水温が上がりすぎません。夕方に冷たい水を大量に足すのは避けます。
- 皿や板の上に注ぐ
- 水面に小皿や板を浮かべ、その上へ注ぐと土が舞いません。濁りが少ないと生育の様子も見やすくなります。
- 留守の前は深く張る
- 数日家を空けるときは、いつもより五センチ深く張っておきます。溢れる心配より干上がるほうが痛手です。
肥料は土に押し込む
追肥(育ちの途中で足す肥料)を水面にまくと、水に溶けて藻の栄養になるだけで、地下茎には届きません。指で土に押し込むのが確実です。
回数は七月と八月の二回で足ります。緩効性の粒状肥料を、容器の四隅の土に埋めるように入れます。九月以降に足すと葉ばかり茂り、太りが遅れます。
- 葉のない場所を選ぶ
- 地下茎を傷つけないよう、葉の出ていない容器の隅を選びます。深さ五センチほど指で穴を開けます。
- 粒を埋めて土をかぶせる
- 緩効性肥料を大さじ一杯ほど入れ、土をかぶせて押さえます。水に触れないように埋めるのがこつです。
- 二か所に分けて入れる
- 一か所にまとめると、そこだけ濃くなって根が傷みます。離れた二か所に分けて入れます。
- 九月からは与えない
- 秋は葉で作った養分を地下茎に送る時期です。ここで肥料を足すと、葉が伸び続けて太りが止まります。
葉の姿で足りているかを見る
葉は水面に浮く浮き葉から始まり、やがて水面より高く立つ立ち葉に変わります。立ち葉が次々に出て濃い緑をしていれば、水も肥料も足りています。
立ち葉の高さは容器の大きさで変わり、五十センチから一メートル近くになります。高さそのものより、新しい葉が次々に出ているかどうかを目安にすると判断を誤りません。
| 見た目 | 考えられること | 手の打ち方 |
|---|---|---|
| 立ち葉が次々に出る | 順調 | そのまま水を足し続ける |
| 葉が黄色く小さい | 肥料切れ | 夏なら土に緩効性肥料を押し込む |
| 葉の縁が茶色く枯れる | 水切れか水温の上がりすぎ | 水を深くし、水面に日陰を作る |
| 浮き葉ばかりで立ち葉が出ない | 日照不足 | 一日五時間以上日の当たる場所へ移す |
傷んだ葉は切り取る
枯れた葉を水に残すと腐って水が傷み、臭いの元になります。黄色くなって垂れた葉は、水面より上で茎を切って容器の外へ取り出します。
ただし切るのは完全に枯れた葉だけです。まだ緑の残る葉を切ると、その分だけ地下茎に送られる養分が減ります。秋の枯れ込みは自然な流れなので慌てません。
- 水面の上で切る
- はさみを水に入れず、水面より少し上で茎を切ります。水中で切ると切り口から水が入り、株が弱ります。
- 切った葉を持ち出す
- 容器の中に落とさず、外へ出して処分します。沈むと分解して水が濁り、底に泥のような層がたまります。
- 緑の葉は残す
- 多少みすぼらしくても、緑があるうちは働いています。九月から十月の葉は特に大事なので触りません。
水が濁って臭うときは
夏に水が黒く濁って泥のような臭いがするときは、土の中で酸素が足りなくなっています。沈んだ葉や与えすぎた肥料が原因のことがほとんどです。
そのままにすると地下茎が黒く傷みます。水を全部替えるのではなく、半分ほど入れ替えて空気を入れ、原因になっているものを取り除きます。
- 沈んだものを取り除く
- 網で底をさらい、枯れ葉や餌の残りを取り出します。これだけで臭いが消えることが多くあります。
- 水を半分入れ替える
- 上澄みを静かにくみ出し、同じ量の水を足します。全部替えると養分ごと失われるので、半分を目安にします。
- 肥料を止める
- 臭いが出ている間は追加しません。水が澄み、葉に元気が戻ったのを確かめてから改めて考えます。
臭いが強い年は、次のシーズンに土を入れ替えます。同じ土を三年以上使うと傷みが出やすくなります。
れんこんの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
れんこんの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はれんこんの育て方にまとめています。
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