食用の品種を選ぶ
れんこんには食用の品種と、花を楽しむ花蓮があります。花蓮は地下茎が細く筋張っていて食用には向かないので、収穫が目的なら食用として売られている種蓮根を選びます。
家庭で作りやすいのは、節が短くて太る品種です。園芸店や通信販売で三月から四月に出回るので、芽が付いた状態のものを選びます。芽が折れているものは伸びません。
| 種類 | 地下茎の姿 | 向く使い道 |
|---|---|---|
| 食用の品種 | 節が太く白い | 煮物、きんぴら、はさみ揚げ |
| 花蓮 | 細く筋が多い | 花を見るだけ。食用に向かない |
| 小型の食用種 | 節が短く小ぶり | 容器での栽培に向く |
花の色や大きさで選ぶと花蓮を買ってしまうことがあります。売り場で食用かどうかを確かめてから買います。
植えるのは四月中旬から五月上旬
れんこんは水温が十五度を超えてから動き出します。関東の平野部なら四月中旬から五月上旬が適期で、これより早く植えると芽が動かないまま腐ることがあります。
反対に六月に入ってからでは、地下茎が太る前に秋が来ます。桜が散って、水に手を入れて冷たく感じなくなったころ、という覚え方でおおよそ合います。
- 水温を手で確かめる
- 容器に張った水に手を入れ、冷たさを感じなければ植えどきです。朝ではなく昼の水温で判断します。
- 前日から土を練る
- 土に水を入れてよくかき混ぜ、どろどろの状態にして一晩置きます。粒が沈んで植えやすくなります。
- 晴れた日を選ぶ
- 植えた直後は水が濁ります。晴れた日なら翌日には澄み、芽の位置を目で確かめられます。
芽を折らずに寝かせて埋める
種蓮根でいちばん大事なのは、先端の芽を折らないことです。芽は白く柔らかく、少し触れただけで折れます。折れると新しい芽は出ず、その株は育ちません。
植えるときは立てず、地下茎を横に寝かせます。芽のほうをやや高く、反対側を深くする角度にすると、伸びた芽が水面へ向かいやすくなります。
- 芽を上に向けて置く
- 地下茎を土の上に横たえ、先端の芽が斜め上を向くようにします。芽は指で触らず、節の部分を持って動かします。
- 十センチの深さに埋める
- 土をかぶせ、地下茎の上に十センチほど土がのる深さにします。浅いと浮き上がり、深すぎると芽が出遅れます。
- 芽の先だけ出しておく
- 先端の芽の先が少し土から出るくらいにすると、伸びが早くなります。全部埋めても出てはきます。
- 静かに水を張る
- 植え終わったら容器の縁からゆっくり水を注ぎます。勢いよく入れると土が舞い、地下茎が浮きます。
地下茎を切って分けたくなりますが、家庭では切らずに一本のまま植えます。切り口から腐りが入りやすくなります。
土は重い粘り気のあるものを使う
れんこんは田んぼの作物なので、水を含んで粘る重い土が向きます。市販の野菜用の土だけでは軽すぎて浮き、水も濁ったままになります。
手に入りやすいのは、水稲用の育苗土や荒木田土と呼ばれる粘土質の土です。畑の土を使うなら、砂の多い土を避け、赤玉土の細粒を混ぜて粘りを足します。
| タイプ | 向き不向き | 使うときの工夫 |
|---|---|---|
| 荒木田土や水稲用の土 | そのまま使える | 水を入れて練ってから植える |
| 畑の粘土質の土 | 使える | 石と根を取り除いてから練る |
| 市販の野菜用の土 | 単体では向かない | 粘土質の土を半分混ぜる |
元肥は土に練り込んでおく
水を張ってしまうと後から肥料を混ぜにくくなるので、元肥(植える前に土に混ぜておく肥料)は植え付けの前に土へ練り込みます。ゆっくり効く粒状の肥料が扱いやすくなります。
量は土十リットルあたり、野菜用の緩効性肥料を大さじ二杯ほどが目安です。多く入れると水が濁って藻が出るので、控えめにして夏に足すほうが失敗しません。
- 土の底半分に混ぜる
- 容器に土を半分入れた時点で肥料を混ぜ、その上に肥料の入らない土を重ねます。根が伸びた先で効きます。
- よく練って空気を抜く
- 水を足しながらかき混ぜ、土の中の空気を抜きます。空気が残ると土が浮き、地下茎が動きます。
- 一日置いてから植える
- 練った直後は濁っています。一日置いて上澄みが澄んでから植えると、芽の向きを確かめながら作業できます。
芽が伸びてこないときは
植えて三週間たっても浮き葉が出ないときは、芽が折れているか、水温が上がっていないかのどちらかです。掘り返す前に、水の温度と日当たりを先に確かめます。
れんこんは一日中日が当たる場所でよく育ちます。半日陰では芽の伸びが遅く、そのまま夏を迎えると地下茎が太りません。置き場所は動かせるうちに直します。
- 日なたへ移す
- 容器を一日五時間以上日が当たる場所へ動かします。水温が上がり、伸びが目に見えて変わります。
- 水を減らして温める
- 水深を三センチほどまで浅くすると日で温まりやすくなります。芽が伸びたら元の深さに戻します。
- そっと土をよける
- それでも動かないときだけ、指で土をよけて芽を見ます。白い芽が付いていれば待ち、黒く崩れていれば植え直します。
種蓮根を買い直す場合、五月下旬までなら間に合います。それ以降は翌年に回すほうが確実です。
れんこんの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
れんこんの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はれんこんの育て方にまとめています。
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