春から夏までの流れ
四月に植えて、六月には水面が葉で覆われます。この時期にやることは水を足すことと、水深を少しずつ深くしていくことだけです。
春から夏にかけては、水面の変化がそのまま生育の記録になります。浮き葉が出た日、立ち葉が立った日を書き留めておくと、翌年の段取りがはっきりします。
- 植えた日を記録する
- 札や手帳に植え付けの日と品種を残します。芽の出方が遅いときに、待つべきか植え直すべきかの判断材料になります。
- 水深を段階で上げる
- 五月は三センチ、六月は十センチと順に深くします。一度に上げず、葉の伸びを見ながら数日かけて変えます。
| 月 | 作業 | 見るところ |
|---|---|---|
| 4月中旬〜5月上旬 | 種蓮根の植え付け | 芽が折れていないか、水温が上がったか |
| 5月 | 水深3〜5センチを保つ | 浮き葉が出てきたか |
| 6月 | 水深を10センチに上げる | 立ち葉が立ち上がってきたか |
| 7月 | 一回目の追肥 | 葉の色が濃いか、藻が増えていないか |
夏から冬までの流れ
八月に肥料を足したら、あとは水を切らさずに秋を待ちます。葉が枯れてから掘るので、収穫は思っているより遅い時期になります。
九月から十月は何もしないのが仕事です。葉が枯れていく様子は不安になりますが、その間に養分が地下茎へ移って太るので、水だけ保って手を出しません。
| 月 | 作業 | 見るところ |
|---|---|---|
| 8月 | 二回目の追肥、水を深めに | 水温が上がりすぎていないか |
| 9月 | 肥料を止める | 立ち葉の数が増えなくなったか |
| 10月 | 枯れた葉を取り除く | 葉が黄色く倒れ始めたか |
| 11月〜3月 | 収穫。水は張ったまま | 葉が完全に枯れたか |
掘らずに残した分は水を張ったまま越冬させ、翌年また芽を出させることもできます。土は数年で入れ替えます。
花が咲く時期の扱い
食用の品種でも七月から八月に花が咲きます。花は美しいものですが、咲かせ続けると種を作るのに力を使い、地下茎の太りが落ちます。
収穫を優先するなら、花が開いてしばらく楽しんだあと、花茎を水面より上で切ります。花托が膨らむ前に切ると、その分の力が地下茎に回ります。
花を見たいのか、太い節を穫りたいのか。ここを先に決めておくと、花茎を切るかどうかで迷いません。二株植えられるなら、一株を花用にする手もあります。
- 咲いたら数日楽しむ
- 蓮の花は三日から四日で散ります。散ったあと、緑の花托が残るのでそこを目印にします。
- 花托が固くなる前に切る
- 花が散って一週間以内に、水面より上で花茎を切ります。遅れると種に養分が回ってしまいます。
- 切り口を水に沈めない
- 茎の中は空洞なので、水に沈めると水が入り込みます。水面より高い位置で切るのが大切です。
地域による前後の目安
水温で動く作物なので、地域差は気温より水の温まりやすさに出ます。容器の大きさや置き場所でも変わるので、下の表はおおよその目安として使います。
寒冷地では容器の水が凍る期間が長いので、秋のうちに掘り上げて冷暗所に置くほうが確実です。暖地では冬を通して土の中に置いたまま、使う分だけ掘れます。
- 水温が十五度を超えてから植える
- 気温ではなく水温で判断します。昼に水へ手を入れて冷たさを感じなくなったら、地域を問わず植えどきです。
- 葉が枯れてから掘る
- 葉が完全に茶色くなるまで待ちます。地域によって半月ほどずれるので、日付ではなく葉の姿で決めます。
| 地域 | 植え付け | 収穫の始まり |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 5月中旬〜下旬 | 10月下旬 |
| 関東平野部 | 4月中旬〜5月上旬 | 11月上旬 |
| 暖地 | 4月上旬〜中旬 | 11月中旬 |
冬の間の置き方
収穫しきらずに残した地下茎は、水を張ったまま冬を越せます。地上部は完全に枯れて何もないように見えますが、土の中では春まで眠っているだけです。
気をつけるのは凍結です。容器ごと凍ると地下茎が傷むので、水深を深めにして、北風の当たらない壁際へ寄せておくと安心して春を待てます。
- 水を深く張る
- 冬は十センチ以上張っておくと、表面が凍っても下の土までは凍りません。減った分は晴れた日に足します。
- 枯れ葉を取り切る
- 冬に入る前に、枯れた葉と茎をすべて取り除きます。残すと春に水が濁り、臭いが出ます。
- 春まで触らない
- 冬に土をかき回すと芽を折ります。水面の氷を割る程度にとどめ、掘るのは収穫のときだけにします。
作業が遅れたときの調整
れんこんは月ごとの作業が少ないぶん、一つ抜けると響きやすい作物です。とはいえ取り返せるものも多いので、気づいた時点でできることを選びます。
| 抜けた作業 | 出る影響 | できること |
|---|---|---|
| 7月の追肥 | 夏に葉が黄色くなる | 8月に一度だけ土へ押し込む |
| 夏の水足し | 葉が枯れ込む | すぐ深く張り、新しい葉を待つ |
| 花茎を切る | 地下茎が細くなる | 翌年は花後すぐに切る |
| 冬の枯れ葉取り | 春に水が濁る | 春先に網ですくって取り出す |
一度干上がらせた株でも、地下茎が生きていれば新しい葉が出ます。すぐ諦めずにひと月は様子を見ます。
れんこんの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
れんこんの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はれんこんの育て方にまとめています。
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