目的に合わせて方法を選ぶ
ラベージを増やす方法は株分けと種まきの二つです。一株を二〜三株にするなら三月の株分けが確実で、その年から収穫できます。数を作りたいなら種をまきますが、発芽に二〜三週間かかり、収穫は翌年からです。挿し芽は根が出にくく、直根を持つ性質上あまり向きません。
| 目的 | 向いている方法 | 適期と日数 |
|---|---|---|
| 鉢を一つ増やしたい、株を若返らせたい | 株分け | 3月上旬、当年から収穫 |
| 数株まとめて植えたい | 種をポットにまく | 9〜10月にまき、翌春定植、収穫は翌年 |
| 人に分けたい | 株分けした小株を鉢上げ | 3月に分け、一か月養生して渡す |
| こぼれ種の芽を生かす | 本葉四枚で移植 | 春に株元に出た芽を掘って移す |
株分けで手早く増やす
株分けは芽が動き出す直前の三月上旬に行います。四年目以降の株は中心が空いて外側だけに葉が出るようになり、これが株分けの合図です。株を掘り上げると、太い直根の上に芽の付いた冠部が固まっています。芽を二〜三個ずつ付けてナイフで切り分ければ、それぞれが一株として育ちます。切り口を乾かしてから植えるのが要点です。
- 株の周りを大きく掘る
- 株元から三十センチ離れた場所にスコップを入れ、四方から掘り上げます。直根は深いので途中で切れても構いません。
- 芽を二〜三個ずつ切り分ける
- 土を落とし、冠部の芽を確かめます。芽が二〜三個と太い根が付くように、清潔なナイフで縦に切り分けます。
- 切り口を半日乾かす
- 切り口をそのまま植えると土の水分で腐りやすくなります。風の通る日陰に半日ほど置いて、切り口の表面が乾いてしろっぽくなってから植えます。
- 元の深さで植えて水
- 芽が地面と同じ高さになるよう植え、たっぷり水を与えます。一週間は日陰で養生し、新芽が動いたら日なたへ。分けた年の収穫は控えめにします。
種まきで数を作る
種は八月から九月に採れたものをすぐまくか、冷蔵庫で保存して翌年の三月にまきます。ラベージの種は寒さに当たると発芽がそろう性質があり、秋まきなら自然に冬を越して春に芽が出ます。春まきの場合は、湿らせた種を冷蔵庫で二週間冷やしてからまくと発芽率が上がります。種は一年で発芽率が落ちるので、古い種は多めにまきます。
- 三号ポットに三粒
- 種まき用土を入れたポットに三粒ずつ置き、五ミリほど土をかけます。深くまくと芽が出にくくなります。
- 秋まきは戸外で冬越し
- 九〜十月にまいたポットは戸外の日陰に置き、乾かさないように管理します。春に芽が出るまで四〜五か月かかります。
- 春まきは冷蔵庫で二週間
- 湿らせたキッチンペーパーに種を包んで袋に入れ、冷蔵庫で二週間置いてからまきます。二〜三週間で発芽します。
- 本葉四枚で一本立ち
- 本葉が二枚で元気な一本を残して間引き、本葉四〜五枚で定植します。直根が伸びるので、ポットに長く置かないようにします。
こぼれ種の芽は親株の周りに出ます。本葉四枚で掘り上げて移せば苗になりますが、直根を切らないよう深く掘ります。
分けた株と苗の一年目の管理
株分けした株も種から育てた苗も、一年目は根を太らせる年です。収穫は外葉を数枚にとどめ、花茎が上がったら根元から切ります。夏は水切れに気をつけ、株元に腐葉土を敷いて乾きを抑えます。冬は地上部が枯れますが、根は生きています。二年目の春には親株に近い大きさで芽吹きます。
株分けと種まきのどちらでも、植えた場所を動かさないことが大切です。ラベージは直根を切られるたびに一年分の勢いを失うので、仮植えを挟まず、最初から十年置ける場所か十号以上の深鉢に植えます。鉢の株は二年目の春に一回り大きな鉢へ移すだけで十分です。
- 一か月は収穫しない
- 植え付け後は新しい葉が出るまで待ちます。中心から葉が立ち上がったら根付いた合図です。
- 花茎は必ず切る
- 一年目に花茎が上がったら、三十センチになる前に根元で切ります。種を採るのは二年目以降にします。
- 秋に堆肥を置く
- 十一月に葉が黄色くなって地上部を刈ったら、株元に堆肥をひとすくい置いて冬に備えます。翌春の芽出しが早くなり、根の周りの土も柔らかく保てます。
うまく増えないときの対処
株分けした株が腐った、種をまいたのに芽が出ない、苗が定植後に伸びない。ラベージを増やすときの失敗はこの三つに集まります。原因は時期、切り口の乾かし方、種の古さ、直根の傷みで、それぞれ表で見分けられます。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 分けた株が腐った | 切り口を乾かさず植えた、過湿 | 半日乾かしてから植え、水を控える |
| 種をまいて一か月芽が出ない | 種が古い、寒さに当てていない | 新しい種を冷蔵庫で二週間冷やしてまく |
| 苗が定植後に伸びない | 直根が回って傷んだ | 本葉四枚を待たずに早めに定植する |
| 分けた株から花茎ばかり出る | 株の老化、分け方が大きすぎ | 花茎を切り、来春に小さく分け直す |
ラベージの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
ラベージの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はラベージの育て方にまとめています。
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