水は真夏にいちばん要る
ヘチマの葉は手のひらより大きく、真夏には一株で一日数リットルの水を使います。畑では雨が四日から五日降らなければ株元にたっぷり与えます。日中に葉が垂れていても、夕方に戻るなら問題ありません。
翌朝も垂れたままなら根まで乾いています。この状態が続くと雌花が落ち、実が止まります。朝のうちに株元へゆっくり与え、表面ではなく深いところまで届かせてください。
| 時期 | 水やりの目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 5月から6月 | 雨がなければ1週間に1回 | 根を深く張らせるため控えめに |
| 7月から8月 | 3日から4日に1回たっぷり | 朝のうちに与える |
| プランター・真夏 | 朝と夕方の2回 | 受け皿に水をためない |
| 9月以降 | 1週間に1回 | たわし用は水を減らして完熟させる |
追肥はつるが伸び始めてから
植え付けからしばらくは元肥だけで足ります。追肥(育ちの途中で足す肥料)を始めるのは、つるが伸び出して網に登り始めたころからです。早く始めると葉ばかり茂って雌花が付かなくなります。
以降は二週間から三週間おきに、一株あたりひと握りの化成肥料を株から三十センチ離してまきます。株元に直接まくと根が傷むので、つるの伸びた先の下あたりに置くつもりで与えてください。
| 時期 | 与えるもの | 量の目安 |
|---|---|---|
| つるが網に登り始めたころ | 化成肥料 | 1株にひと握り |
| 最初の実が付いたころ | 化成肥料 | 1株にひと握り |
| 以降2週間から3週間おき | 化成肥料 | 1株にひと握り |
| 9月以降 | 止める | 完熟させる時期は与えない |
株元を覆って乾きを止める
水やりの回数を増やすより、乾きにくい状態を作るほうが効きます。株元にわらや刈った草を五センチほど敷くと、土の表面が乾きにくく、真夏の地温も下がります。黒いフィルムでも同じ効果があります。
五月の植え付け直後は、逆に地温を上げたいので黒いフィルムが向きます。梅雨明けからは白っぽいわらに替えると、地温の上がりすぎを防げます。季節で覆うものを変えると理にかなっています。
- 植え付け時は黒で覆う
- 5月は地温を上げたいので、株元を黒いフィルムか濃い色の資材で覆います。つるの伸び出しが早くなります。
- 梅雨明けにわらへ替える
- 7月に入ったらわらや刈った草を5センチ敷きます。地温の上がりすぎを防ぎ、乾きも止められます。
- 株元は少し空ける
- 茎から5センチほどは覆わずに空けます。茎が常に湿っていると、そこから病気が入りやすくなります。
花が咲いても実が付かないとき
ヘチマには雄花と雌花があり、実になるのは付け根に小さな実の形が付いている雌花だけです。咲いているのが雄花ばかりという時期は普通にあるので、あわてず子づるを伸ばして待ってください。
梅雨で虫の動きが鈍い年は、受粉がうまくいかず雌花が黄色くなって落ちます。確実に採りたいときは、朝のうちに雄花を摘んで花びらを取り、雌花の中心に軽くこすりつけると付きます。
- 雌花を見分ける
- 花の付け根に小さな実のふくらみがあるものが雌花です。ふくらみがなく細い柄だけのものが雄花です。
- 朝のうちに人工受粉
- 咲いたその日の午前中に雄花を摘み、花びらを外して雌花の中心に軽くこすりつけます。1輪で数個分に足ります。
- 子づるを増やす
- 雄花ばかりのときは親づるを止めて子づるを伸ばします。雌花は子づるや孫づるに多く付きます。
混んだ葉を減らして風を通す
七月から八月は葉が重なり合い、株の中が暗く湿った状態になります。ここがうどんこ病とハダニの温床になるので、月に一度は古い葉と重なった葉を取り除き、風の通り道を作ってください。
取るのは下のほうの黄ばんだ葉と、同じ場所で重なっている葉です。一度に取りすぎると実に日が当たりすぎて傷むので、全体の三割までにとどめます。
- 下の黄ばんだ葉から取る
- 地際に近い黄色くなった葉を、付け根からはさみで切ります。ここは光合成にほとんど寄与していません。
- 重なった葉を選ぶ
- 同じ場所で二重三重になっている葉のうち、下側の古いものを取ります。上の若い葉は残します。
- 3割までにとどめる
- 一度に取るのは全体の3割までです。取りすぎると実に直射が当たり、日焼けして傷みます。
生育が悪いときの切り分け
ヘチマの不調は、水、肥料、日照の三つのどれかにたどり着くことがほとんどです。まず葉の様子を見ます。大きくて色が濃いのに花が付かないなら肥料過多、小さくて薄いなら肥料切れか水切れです。
つるの先がしおれてそのまま枯れ込む場合は、根の傷みかつる枯病を疑います。株元の茎が茶色く裂けていないかを確かめ、傷んでいれば早めにその株をあきらめて、翌年は場所を変えます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が大きく濃いが花が付かない | 肥料のやりすぎ | 追肥を2週間止め、子づるを伸ばす |
| 葉が小さく色が薄い | 肥料切れか水切れ | ひと握りの追肥と、朝のたっぷりの水やり |
| 雌花が黄色く落ちる | 受粉できていない | 朝に人工受粉をする |
| つるの先がしおれる | 水切れか根の傷み | 朝に株元へ与え、株元の茎を確かめる |
| 実が途中で止まる | 夏の水切れ | 3日に1回たっぷり与え、株元を覆う |
ヘチマの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ヘチマの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヘチマの育て方にまとめています。
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