棚とネットのどちらを選ぶか
ヘチマの実は長さ五十センチ、重さ一キロを超えることがあります。支えが弱いと真夏の実の重みで棚ごと傾くので、支柱の太さと固定の仕方は最初に決めておく必要があります。あとから直すのはほぼ不可能です。
食用の若い実を採るだけなら窓際のネットで足りますが、たわし用に大きく育てるなら平らな棚を組んで、実を垂らす形にするときれいな形になります。目的を先に決めると迷いません。
| 目的 | 向く仕立て | 必要な高さ |
|---|---|---|
| 緑のカーテン | 壁や窓に張ったネット | 2メートルから2.5メートル |
| たわしを作る | 平らな棚 | 1.8メートル以上 |
| 食用の若い実 | 合掌式の支柱 | 1.8メートル前後 |
| ベランダで少しだけ | プランター用のあんどん支柱 | 1.5メートル |
棚は植え付け前に組む
つるが伸び始めてから棚を組もうとすると、茎を折らずに作業するのが難しくなります。植え付けと同時か、その前に組んでしまうのがこつです。伸びる速さは真夏で一日十センチを超えることもあります。
支柱は直径二センチ以上の丈夫なものを選び、四隅を斜めの支柱で押さえて三角形を作ります。まっすぐな支柱だけでは横風で倒れるので、この筋交いが効きます。
- 四隅に柱を立てる
- 直径2センチ以上の支柱を、深さ30センチ以上土に差し込みます。手で押して動かないところまで入れます。
- 上を横木でつなぐ
- 柱の頭を横木で結び、四角い枠を作ります。交点は麻ひもや結束帯で交差に巻いて固定します。
- 斜めの筋交いを入れる
- 枠の対角に斜めの支柱を1本入れます。これがあるかないかで、台風のときの持ちがまったく違います。
- 上に網を張る
- 枠の上に目の粗い網を張り、つるが登る足場を作ります。ぴんと張らず、少したるませておくと絡みやすくなります。
つるは自分で巻きひげをかける
ヘチマには巻きひげがあるので、いったん網に届けば自力で登ります。人の仕事は、地面から網までの間を導いてやることと、伸びる向きが偏らないように振り分けることの二つだけです。
誘引に使うひもは、茎に八の字にゆるく回します。きつく縛ると太った茎が締めつけられて折れます。指が一本入るくらいのゆとりを残してください。
- 最初の1メートルを導く
- 地面から網までは、支柱に沿わせて麻ひもで8の字にゆるく留めます。3か所ほど留めれば自分で登り始めます。
- 8の字にゆるく結ぶ
- ひもを支柱に一度回し、交差させてから茎に回します。指が1本入るゆとりを残して結びます。
- 向きを振り分ける
- つるが1か所に集まると混みます。週に一度、伸びた先を空いている方向へ手で置き直してやります。
親づるを止めて子づるを伸ばす
ヘチマの雌花は、親づるよりも子づるや孫づるに多く付きます。親づるを本葉六枚から七枚のところで摘心(先端を摘んで伸びを止めること)すると、わきから子づるが数本出て実の数が増えます。
子づるが四本から五本になったら、それ以上は増やさず伸ばします。多すぎると葉が混んで日が入らず、うどんこ病が広がります。混んできたら古い葉や重なった葉を根元から取ってください。
- 本葉6枚で先を摘む
- 親づるの先端を、本葉が6枚から7枚のところで指で摘み取ります。切り口が乾く晴れた日に行います。
- 子づるを4本残す
- わきから出た子づるのうち、勢いのよい4本から5本を残し、残りは付け根から取り除きます。
- 重なった葉を取る
- 同じ場所で重なっている葉を根元から取り、株の中に日と風が入るようにします。一度に3割までにします。
実の重さを支える
実が三十センチを超えたころから重みで茎が傷み始めます。特にたわし用に完熟まで置く実は、途中で落ちると台なしになるので、袋やひもで吊って重さを分散させると安心です。
棚の下に垂れた実は、まっすぐ伸びてよい形になります。地面に着いてしまう場合は、下に板やわらを敷いて土に触れないようにすると、そこから腐るのを防げます。
| 場面 | 起きること | 手当て |
|---|---|---|
| 実が30センチを超えた | 茎の付け根が裂ける | 実の下に網袋をかけて棚に吊る |
| 実が地面に着いた | 接した面が腐る | 板やわらを敷いて浮かせる |
| 実が横に曲がる | 支えに当たっている | 垂れる位置に移してやる |
| 台風が近づく | 棚ごと倒れる | つるを下ろすか、重い実を早採りする |
つるが伸びないときの見分け
六月に入ってもつるが動かない場合、原因は気温か根の傷みです。ヘチマは地温が二十度を超えてから急に伸びるので、五月のうちはほとんど動かないのが普通です。あわてて肥料を足さないでください。
逆に、つるばかり勢いよく伸びて花が付かないのは肥料の効きすぎです。特に窒素が多いと葉が大きく濃い緑になり、雌花が付きません。この場合は追肥(育ちの途中で足す肥料)を止めて様子を見ます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 6月になっても伸びない | 地温が低い | 株元に黒いマルチを敷いて地温を上げる |
| 葉が大きいのに花が付かない | 肥料の効きすぎ | 追肥を2週間止めて様子を見る |
| つるの先がしおれる | 水切れか根の傷み | 朝に株元へたっぷり与える |
| 網に登らない | 誘引が足りない | 最初の1メートルをひもで留めてやる |
ヘチマの支柱立てに使うもの
支柱は倒れてから足すと、そのときにはもう根を傷めています。植え付けと同時に立てるつもりで用意します。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 支柱(イボ竹)探す言葉「園芸支柱 210cm 11mm」
- 規格の目安
- 直径 11mm × 長さ 210cm が標準。背の低い作物なら 150cm・直径 8mm でも足ります。
- 数量の目安
- 株間 45cm で 6 株なら 6〜7 本。合掌に組むなら横に渡す 1 本を足します。
直径 8mm は実の重さが乗るとしなります。実物野菜は 11mm 以上を選ぶと、収穫期に立て直さずに済みます。
- 誘引テープ・麻ひも探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後の伸びる園芸テープか、麻ひも。
茎は太るので、きつく縛ると食い込みます。8 の字にゆるく掛けるのが基本です。
- 支柱ジョイント探す言葉「支柱 ジョイント 11mm」
- 規格の目安
- 支柱の太さに合ったもの(11mm 用・8mm 用)。直交と自在の 2 種類があります。
交差部をひもで縛るとゆるみます。ジョイントなら風で揺すられても位置がずれません。
- 支柱は使い捨てにしません。洗って乾かせば何年も使えます。
- ネットを張る作物でなければ、きゅうりネットは要りません。
ヘチマの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヘチマの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。