掘り上げるか植えっぱなしかを決める
リコリスは植えっぱなしを好む球根で、毎年掘り上げる必要はありません。掘り上げるのは、密集して花が減ったとき、場所を移したいとき、鉢がいっぱいになったときだけです。掘り上げは葉が枯れた直後の休眠期に限り、花茎が出る前に植え直します。
| 状態 | 判断 | 作業 |
|---|---|---|
| 植えて五年以内で花が多い | 植えっぱなし | 何もしない。水もやらない |
| 密集して花が減った | 掘り上げて分ける | 葉が枯れた直後に掘り、大きい球根を選んで植え直す |
| 場所を移したい | 掘り上げて移植 | 休眠中に根を傷めず掘り、すぐ植える |
| 鉢が球根でいっぱい | 株分けして植え替え | 三〜四年に一度、休眠中に |
| 夏に湿りやすい鉢 | 鉢ごと日陰へ | 掘らず、雨の当たらない場所で乾かす |
植えっぱなしの休眠中は乾かして待つ
葉が枯れたら水を止め、花茎が出るまで何もしません。庭植えは雨まかせで構いませんが、隣に夏の草花を植えてその水やりが毎日かかると球根が腐ります。リコリスの上には水をやらない工夫が要ります。株元に腐葉土を敷いて土の温度を下げると、夏の高温による傷みも減ります。
- 札で場所を示す
- 地上に何もない時期が二〜三か月続きます。耕したり別の花を植えたりして球根を傷めないよう、札を立てます。
- 夏の草花の水やりを分ける
- 隣の株にジョウロの口を向け、リコリスの上に水を流しません。どうしても水がかかる場所なら、リコリスを鉢に移します。
- 株元を覆う
- 腐葉土やバークチップを二〜三センチ敷き、夏の直射で土が熱くなるのを防ぎます。花茎はこの覆いを突き抜けて出てきます。
鉢植えの休眠中
鉢植えは葉が枯れたら雨の当たらない涼しい日陰へ移し、水を完全に止めます。鉢の土が乾ききって構いません。開花予定の二〜三週間前に一度たっぷり水をやり、日なたへ戻すと花茎が動き出します。鉢を動かすときは土を崩さないよう静かに運びます。
鉢の土が乾いて縮み、鉢の縁との間に隙間ができても心配ありません。開花前の水やりで土は元に戻ります。むしろ休眠中に土が湿って重いままなら、置き場所を見直します。
| 場面 | 置き場所 | 水 |
|---|---|---|
| 葉が枯れた直後〜七月 | 軒下の日陰 | 与えない |
| 開花二〜三週間前 | 日なたへ戻す | 一度たっぷり |
| 花茎が伸び始めた | 動かさない | 表面が乾いたら軽く |
| 猛暑で鉢が熱くなる | 北側の涼しい日陰 | 与えない。鉢を二重にして断熱 |
休眠中の掘り上げと株分け
葉が完全に枯れた直後、晴れの続いた日に掘り上げます。球根の底から太い根が伸びているので、これをできるだけ切らないよう、株から十センチ以上離してスコップを入れます。分球した子球は手で割れます。掘り上げた球根は乾かさず、二〜三日以内に植え直します。長く乾かすと発根が遅れて花が飛びます。
- 株から離して掘る
- 球根の周囲十〜十五センチにスコップを入れ、土ごと持ち上げます。根を切ると翌年の花が減ります。
- 手で分ける
- 土を軽く落とし、球根のつながりを手で割ります。無理に割れないものは切らず、そのままにします。
- 大きさで分けて植え直す
- 直径三センチ以上は花壇の主役、小さい子球は隅で育てます。植え直しは浅植えで、十〜十五センチ間隔です。
- 乾かさず植える
- 掘り上げから植え直しまでを同じ日か翌日に行います。他の球根のように乾かして保管する必要はありません。
球根と根には毒があるので、素手で扱った後は手をよく洗います。子どもやペットが口にしないよう、掘り上げた球根を放置しません。
休眠中のトラブルと立て直し
休眠中の失敗は過湿による腐敗と、掘り返しによる根の損傷がほとんどです。花茎が出る時期になっても動かないときは、球根の状態を確かめます。
| 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 花の時期に花茎が出ない | 球根が腐った、または根が切れた | 葉の時期まで待ち、葉も出なければ掘って確かめる |
| 掘ったら球根が柔らかい | 過湿による腐敗 | 捨てる。固い球根だけ水はけを直して植え直す |
| 掘ったら根がほとんどない | 掘り上げで切れた、または乾かしすぎ | すぐ植えて二年待つ |
| 球根の表面に黒いカビ | 湿気 | 拭き取って乾いた土に植える。中が固ければ使える |
移植のときの注意
場所を変えたいときも休眠中に行います。葉や花茎が出ている時期に動かすと、その年だけでなく翌年も花が乱れます。掘り上げたら根を乾かさず、新しい場所にすぐ植えます。移植した年は咲かないことも多いので、根が落ち着くまで二年ほど待つつもりで構えます。
移植先の穴に元の場所の土を少し混ぜておくと、根が新しい土になじみやすくなります。移植した年は花を期待せず、葉が出て日に当たっていれば順調と判断します。
- 移植先を先に準備する
- 掘る前に移植先を耕して腐葉土を混ぜ、穴を用意しておきます。掘ってから準備すると根が乾きます。
- 土ごと運ぶ
- 根を切らないよう土ごと持ち上げ、移植先に同じ深さで置きます。土を戻して軽く水をやり、以後は雨まかせです。
リコリスの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
リコリスの長く咲かせるコツは作物ページに
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